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    2007

03.31

「大人ドロップ」樋口直哉

大人ドロップ 大人ドロップ
樋口 直哉 (2007/02/21)
小学館

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大人になるって、本当にどういうことだろう。
高校時代の同級生によく似た女性に出会い、ふと考えるほく。
未来への希望、失ってしまった過去、二つを秤にかけてみる。
ぼくは大人でも子供でもない、中途半端な高校時代を思い出す。

ぼくにはハジメという友達がいた。 知識が豊富で人と話すのが苦手。
年齢に似合わないほど賢い男だった。
同じクラスに、小学校からの幼馴染の入江さんがいた。
しかし思春期をむかえた中学時代は、一言二言しか交わさなかった。

ある日ハジメから入江さんと話がしたいと、協力を頼まれる。
そこで仲の良かったハルを加え、デートをセッティングした。
話し下手のハジメの姑息な作戦がばれ、ぼくは入江さんを怒らせてしまう。
謝るきっかけがないまま、入江さんは突然遠くへ引っ越してしまった。


入江さんに片思いのハジメ。 入江さんが好きか自分の気持ちが分からないぼく。
二人の微妙だが仲の良い友達関係が、いい雰囲気で描かれてました。

しかし同級生のハルという女。 こいつがよくわからんキャラ。
ここで待ってて、と言い消えてしまう。 連絡が取れれば家で寝てたとさ。
何様やねん。 こんな女はくたばれって思ったよ。

それに心配していたぼくが怒らない。おまけに君と一緒にいたいと言い出す。
こいつはアホか! このあたりは、リアリティをまったく感じませんでした。
このぼくとハルの関係の描写は、必要性を感じない。
ぼく、ハジメ、入江さん、の方を掘り下げて描いて欲しかったです。
怒るのはここまで。

気を取り直して、海岸でぼくと入江さんが語る場面。

大人になる不安や、大人になれるかという不安。
大人になったら泣かなくなると思っていたのに、周りにいる大人は泣く。
大人っていうのは子供より子供っぽいところがある。

大人とは何かを語る、二人の姿が情景として見えるようでした。
まさに表紙のイメージですね。 文章も描写もキレイですてき。

そしてありふれた別れを経験して、少しずつ大人になっていく。

ここで終わればいいのに、また余計なエピローグが。怒る気力もすでに無い。
余計な描写が無ければ、もっと好きになれた本でした。
もったいないな~。 本筋自体には力を感じたのに。

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    2007

03.31

3月の本代の合計金額

計11.520円

一万円を超えてしまった。反省。 ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

自分への戒め
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    2007

03.30

「鞄屋の娘」前川麻子

鞄屋の娘 鞄屋の娘
前川 麻子 (2000/06)
新潮社

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前原宏司は会社務めを辞めて、鞄を造り始めた。改良を重ねた結果、いくつかの店で扱って貰えることに。業者とのやり取りは、アトリエに通い始めた富美子が受け持った。鞄には富美子の提案で、「前原帆布」というブランド名をつける。そして二人の間には、太朗が生まれた。

和子は渋谷で鞄店の売り子をしていた。宏司は昔からこの店に馴染みがあるらしく、世間話をして帰っていく。いつしか二人は男女の仲になり、麻子という女の子が生まれた。宏司は富美子に別れてくれと頭を下げるが、富美子は拒む。

麻子は宏司が鞄を作る姿を見て暮らす。しかし麻子が小学校を卒業するころ宏司は家を出た。
そして麻子が中学校を卒業する少し前に死んだ。麻子は父の葬儀で初めて、存在だけ知っていた太郎と口をきく。そんな父を持った麻子だが、やがて父と同じ鞄を造り始める。

ここからネタバレありです。未読の方は気をつけてね。
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    2007

03.29

「一週間のしごと」永嶋恵美

一週間のしごと 一週間のしごと
永嶋 恵美 (2005/11/29)
東京創元社

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女子高生の菜加は、渋谷で母親とはぐれた子供を見かける。
時間に余裕のあった菜加は、子供を家に送ることにする。
しかし待てども親が帰ってくる様子がない。
しかたなく、子供を連れて菜加は自分の家に連れ帰る。

翌日菜加はご飯を食べながらテレビを見ていると、昨日見た家を見る。
家の浴室で4人の男女が集団自殺したというニュース。
それは連れ帰った子供の家だった。
幼馴染の恭平を巻き込み、悪夢のような一週間が始まる。


初めは読みにくい文章だと思ったけど、慣れてくると少しはマシ。
でもやっぱり読みにくい文章ですね。 この点は不満。

それにミステリが薄い。 これはミステリ・フロンティアでは共通してる。
東京創元社は何を狙ってるんだろう?

猪突猛進で拾い癖がある菜加。 学費免除の優等生の恭平。
菜加の弟でオタク系の克己。 恭平の同級生で要領のいい忍。
名乗らないので菜加にタロウと名づけられた子供。
彼らが主要登場人物。

まず人の話を聞かず、無計画な菜加には何度もイラっときました。
それにすぐに人の所為にするとこなんかは大嫌い。
こういうのテンションが下がるな~。
存在自体にリアリティを感じなかったです。

その分、弟の克己くんのオタクぶりに和ませてもらった。
オタクに和む自分って、どうよ。 まあ今風で、ほんとに居そうという事。

恭平は、う~ん。 親受けしそうな真面目タイプ。
可もなく、不可もなく、かな。 魅力は感じなかったです。

忍については初めから怪しすぎ。 もっとオブラートに包んで欲しかった。
子供は連れ廻されてるだけで、印象に残らず。

ここまではマイナスのことしか書いて無いっすね。
じゃあ、どこが良かったかって言うと…。 思いつかない(汗)。

すべてが惜しいんですよね。 キャラにしても、やり過ぎだったり平凡だったり。
ストーリーも前半はお気楽で、終盤はけっこう残酷。
纏まりがないというか、締りがないというか。
でも本自体は嫌いじゃない。 だから惜しいという表現。

これからの作家だと思ったので、応援の気持ちを込めて記事にしました。
「転落」という本は評判がいいみたいですね。 そっちを読んでみようかな。
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その他の作家
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    2007

03.28

「夜市」恒川光太郎

夜市 夜市
恒川 光太郎 (2005/10/26)
角川書店

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「夜市」と「風の古道」の2編を収録。

「夜市」
大学生のいずみは、高校時代の同級生の裕司から夜市に誘われる。そこは岬の公園からさらに奥にあり、妖怪たちが品物を売る異世界だった。夜市では望んだ物が何でも手に入る。小学生のころに夜市に遭遇した裕司は、弟と引き換えに野球の才能を手に入れた。弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた裕司は、再び訪れたこの夜市で、弟を買い戻しに来たのだった。

この夜市のもつ雰囲気がすごい。静かで時が止まった不思議な世界。妖怪たちが跋扈する世界だが、違和感をまったく感じない。無駄な文章がなく、情景が浮かんでくるような綺麗な文章。この異質な世界を、短いページ数で創りあげる恒川さんの文章力に脱帽。夜市では何か買い物をするまで、現実の世界へ帰ることが出来ない。そこで裕司が出した品物への対価が意外だった。お金では買えない物がある。それは異世界でも現実の世界でも同じ。幻想と現実が交わった世界。本当に隣にあるかもしれない、少しずれてしまった世界。これらが身近に感じられる作品だった。

「風の古道」
少年が古道に足を踏み入れたのは、7歳の春だった。12歳の夏に、初めて古道の存在を友人のカズキに打ち明けた。古道を辿る二人の少年は、途中で見つけた小屋に泊めてもらい、レンに出会う。この道は特殊な道で、普通の人間は入ってはいけない道だという。話を聞いている間も、異形のものたちが通り過ぎて行く古道。翌朝古道の出口を案内してくれるレンとともに出口へ向かう二人。しかしコモリという男が現れ、いきなり銃を発砲。カズキに弾があたり、カズキは死んでしまう。そこで死者を蘇らせすことが出来るという、雨の寺を目指すことに。

「夜市」と同じ異世界を描いた作品だが、こちらは冒険の要素が多くあった。静かな時間の旅をするのだが、時には心が動き、少しばかりのユーモアがある。そしてレンの背負ってきたものがたんたんと語られ、それを受け止めているレンに痺れた。「夜市」の対極のようなラストも良かった。こちらは、こう来たかという感じ。似た世界観だけど、全く違う完成された作品だった。恐るべし、恒川光太郎。

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恒川光太郎
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    2007

03.27

「跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ」川上健一

跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ 跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ
川上 健一 (2002/06)
集英社

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「翼はいゆまでも」の川上さんのスポーツ物短編集です。


「オレンジ色のロリポップ」
ある男が喫茶店に入る。 そこは冷凍庫のような寒さ。
店を出ようとするが注文を取りにきたので、ホットを頼む男。
その男は、自分を見る女の視線に気づき…

恋愛に目覚めたアホな男の妄想話です。 最近はファンタジーだそう。
森見さんを大人しくした感じ。 こんなもんかな。


「マッケンジーのように」
その少年はテニスを始めて2年余り。 そして初めて大会に出てみることに。
対戦相手は大人。 優勢に試合を進めるが…。 テニス小説です。

対戦相手の大人がめっちゃ汚い。 ムカついたー! 嫌な大人の代表です。
ですがラストは出来すぎのような気がする。 マンガみたいな展開でした。


「打ってみやがれ」
プレーオフ進出をかけた大一番を、ピッチャーの視点で描かれた野球小説。
ビッチャーの川田の独白でストーリーが進む。

しっかし川田はガラが悪いっすね。 えんえんと毒を吐いてます。
まあ面白かったし、ユーモアがあって好きでした。


「タイトルマッチ」
控え室で対戦相手に恐怖するチャンピオンが、ある行動を取って恐怖を振り払う。
設定はボクシングですが、シーンは控え室だけ。

ストイックなチャンピオンが、シュールな世界を作る。
これめっちゃツボに嵌った(笑)。 もう最高! とにかく笑えました。
思い出しただけで笑いが戻ってきます。 まるでコントみたい。


「熱いトライ」
親子二代にわたる大学ラグビー選手を描いたラグビー小説。
大学生として最後の試合を向かえる飛島。 実は一度もトライをした事がない。
それは父とまったく同じだった。 彼の父はこの試合が行われる競技場で死んだ。
それも同じユニフォームを着て。

完全なスポーツ青春モノでした。 熱い。 熱すぎる。
これぞ川上さんって感じっすね。 とても良かったです。


「新顔」
アイスホッケー・チームのアウトローズ。 彼らの持ち味はラフプレー。
今日の対戦相手はブッチーズ。 腰抜け揃いの軟弱チームだ。
そこに新顔を見つけるが…。
アウトローズのベテラン・大熊五朗の視点で描かれた、ホッケー小説。

話の展開はよめてしまったけど、普通に面白かったです。
可も無く、不可も無く。 ほんと、ふつう~。


「スーパー・クロス・プレー」
野球のホームベースを死守する”ガードル”ミッチェル。
そして宿敵の”カミソリ・スパイク”のリック。
ホームベース上でのクロス・プレーを描いた野球小説です。

臨場感や緊張感は認めるが、イマイチ乗れなかった。
それはあまりの暴力的シーンに引いてしまったから。


「跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ」
ダンクシュートに固執する黒人プレイヤーのジョー。
彼の生き様を描いたバスケ小説です。

バスケ好きなので期待してたら、おもいっきり裏切られた。
こんなのを望んでたのじゃ無いんすよね。
それに軽い雰囲気で、簡単に人が死ぬ。 最悪。


それぞれの短編のページ数が少ないので、詳しく書けなかった。
特に「タイトルマッチ」はお気に入りで、もっと書きたかったです。
というか、「タイトルマッチ」が良かったからブログに書いた。

小粒な作品が多かったです。 それにデビュー作らしく、文章が若い。
川上さんは長編を読むべきですね。 これ、素直な感想。
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    2007

03.26

「麦酒の家の冒険」西澤保彦

麦酒の家の冒険 麦酒の家の冒険
西澤 保彦 (2000/06)
講談社

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旅行帰りのドライブの途中で車がガス欠になり、車を降りる4人。
タックこと匠千暁。 タカチこと高瀬千穂。 ウサコこと羽迫由起子。
ボアン先輩こと辺見裕輔。 彼らが主要人物です。

彼らは迷い込んだ山の中で、二階建ての洋館を見つける。
そして窓を割り中に進入する。 屋敷の中には家具も家電も何もない。
見つけたのは、2Fの部屋のウォキングクローゼットの中に隠された冷蔵庫。
その中には50本では下らない、エビスビールのロング缶の山。

さっそく飲む4人。 おい、飲むんかい! と突っ込んでしまった(笑)。

冷静にもう一度、屋敷の中を探すことに。 見つけたのは1Fにベットが1つ。
そして冷蔵庫の隣にあった冷凍庫の中の、冷やされたジョッキが13個だけ。

この屋敷の使用目的を推理しはじめるが、ビールを飲むのがとまらない。
ビール党には溜まらない、酩酊本格ミステリです。


タック&タカチ・シリーズです。 また西澤さんがやってくれました(笑)。

まずタイトルの麦酒は、ビールのこと。 そして各章のタイトルが面白い。
「原材料」「アロマホップ」「麦芽」「熟成」「製造所固有記号」…。
ぜ~んぶ、缶ビールにまつわる言葉。 これだけで笑えるでしょ。

しかもず~っと、ビールを飲みっぱなし。 山ほどビールがある設定やし。
ストーリーや会話の合間に、ぷしゅっと新しい缶ビールを開けるねん。
しかも途中から凍らしたジョッキに注いで、ぷっは~やもん。
めっちゃビールが飲みたくなったよ。 

ここまでこだわるのが西澤さんのいい所。 もう何でもして下さい。

それに随所にある西澤さんのユーモアが絶品。 
冒頭で、ボアン先輩が牧場で牛を切なげに見ていた。
それが元気になると、牛を見る目がステーキを見る眼になる。 好きです(笑)。
これ以上はネタバレしませんが、いたる所にユーモアが入ってます。

ストーリーはビールを飲みながら、何故1Fにベット、2Fに冷蔵庫なのか?
何故ビールがあんなに置いてあったのか? ジョッキの数も何故?
これらを置いた人物は、どんな人物か?

これらを、推理、論破、推理、論破、の繰り返し。 しかも泥酔しながら。
 
屋敷のシーンが終わったら、今度はボアン先輩の家で乾杯。
ここでも新たにわかった事実を加えて、推理、論破。
小道具も少ないですが、でも飽きないんすよ。

というのも、このシリーズは森博嗣さんと共通するものがあるんです。
それは圧倒的なキャラ重視という事。 この辺りは好き嫌いが別れるかな。
ここまでいい風に書いてる通り、好き派なんで存分に楽しめました。

それにしても屋敷でのビールの消費量がすごい。
一夜でロング缶を49本も空けたってさ。 小説だけど。

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西澤保彦
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    2007

03.25

「ぬしさまへ」畠中恵

ぬしさまへ ぬしさまへ
畠中 恵 (2005/11/26)
新潮社

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しゃばけシリーズの2作目にあたります。 今回は短編集。
世界観は同じです。 前作とは少々違い、人情推理物になってます。


「ぬしさまへ」
小間物商の天野屋の一人娘・おくめが殺された。
そのおくめが、手代の仁吉に懸想文を出していた。
日限りの親分では埒があかないと、一太郎は妖たちに調べを頼む。

火事が起こったときに、主人も店もほっぽって若旦那を非難させる手代。
それを良くやったと、褒める親バカの主人。 
いいっすね。 このユーモアを期待してました。


「栄吉の菓子」
若旦那の幼馴染の栄吉が作った菓子を食べた隠居が死んだ。
死んだ隠居の名は九兵衛。 一軒家に住む小金持ちだった。
友のために九兵衛の身辺を調べるように妖に頼む若旦那。

栄吉の菓子の不味さは半端じゃない、死人が出てもおかしくない。
と、仁吉の一言。 ぷぷぷっ(笑)。 仁吉の毒舌、最高!


「空のビードロ」
一太郎の腹違いの兄・松之助が奉公する桶屋の東屋。
そこで起こった、前作・しゃばけの松之助版サイド・ストーリー。

あの時のお話がこれですね。 へ~、こんな事になってたんだ。
一太郎の温かさが心に沁みました。 良いお話です。


「四布の布団」
若旦那の寝間から、夜になると女のすすり泣く声が聞こえる。
それは田原屋という繰綿問屋から、間違えて持ち帰った布団が原因だった。
田原家に話を持ち込むと、通された部屋の隣で男が死んでいた。

若旦那の「田原屋さんをからかっておやり」の一言。
これに悪ノリする鳴家に、おもわずにんまり。 鳴家が可愛いっす。


「仁吉の思い人」
体が弱り、棺桶に半分足を突っ込んだ状態の一太郎。
そこに薬を飲むことを条件に、仁吉の失恋話が聞けるという。

仁吉の意外な一面は良かったです。 それに相手もね。
ふふふっ(笑)。 畠中さん、そうきたか。


「虹を見し事」
とつぜん一太郎の身の周りから、妖たちの姿が消えた。
しかも不思議なことが一太郎の身辺で起こる。

ラストで思う一太郎の心の動きに、ちょっぴり感動。
でも妖の活躍は見たいっすね。


短編集なので若旦那の体の弱さが、だらだらと出てこない。
これが一番良かったです。 すっきり纏まってたしね。

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畠中恵
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    2007

03.24

「トモ、ぼくは元気です」香坂直

トモ、ぼくは元気です トモ、ぼくは元気です
香坂 直 (2006/08/24)
講談社

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ぼくは松本和樹。 中学受験を控えた小学六年生。
この夏休みはバーバー松本に追放された。 ここは商店街の東のはしにある理容室。
おじいちゃんとおばあちゃんが住む家で、お父さんが生まれ育ったところ。
家を追放された罪状は、自分の家をめちゃくちゃにした。
それは障害を持つ兄の友樹に絡む、ストレスが爆発したからだ。

2階の和室で過ごすことになった和樹の前に、大富夏美と名乗る少女が現れる。
一方的にしゃべるしゃべる夏美は、お向かいの和菓子さんちの女の子。
その勢いのまま、夏美に商店街を案内される和樹だった。

案内された商店街と道路を挟んで、もう一つの商店街がある。
八月の最後の日曜日にある夏まつり。
そこで行われる金魚すくいの、ライバル商店街だった。


関西の商店街の雰囲気が良かったな~。
こう言えばこう返す、みたいな会話がぽんぽん飛び交ってるねん。
それに立ってるノボリの文句が溜まらん。
「がんばってますねん!いまいち商店街」 これはツボに嵌った。

金魚すくいのメンバーになった和樹の待遇が最高。
商店街を歩いていると、様々な店に連れ込まれる。
そこで「これ食べ!」やって。 いいよね。 く~ってくるね。

それにアニマルって呼ばれるおばはんの存在。
理由は簡単。 アニマル柄の服しか着いひんから。
こんなおばはん、大阪には普通におるもん。

初めの内容紹介で触れなかったですが、夏美は双子やねん。
姉の夏美が竜巻なら、妹の千夏はかみそり、だって。
この表現はすごく好き。

ここから少し真面目モード。

母が言う、和樹らしくないという言葉。 
夏美が言う、カズちゃんらしくないという言葉。
「らしくない」という言葉にイライラする姿が、すんごい解る。
勝手に決め付けられるのは、しんどいもんね。

障害を持った兄に、他人が見せる視線が嫌なこと。 兄の存在を重く感じること。
これらの毒を夏美に流し、夏美は妹の桃花に流す。
この結果、ケンカもするが結束も固まる和樹と夏美。

これらの事件をきっかけに、和樹はトモにケイタイで写真を毎日送ることに。
それが、この本のタイトル。 「トモ、ぼくは元気です」
とても良いタイトルですね!

金魚すくいの場面でこっそり見守る和樹の成長に、イェイ!
恋に鈍感で気づかない和樹のアホさに、ニンマリ。
夏が終わって自分の家に帰る別れのシーンに、うるっ。

と~っても、温かな気持ちになれる良い本でした。 
次回作が待ち遠しいっす! これからも香坂さんを追いかけるぞー。
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    2007

03.24

「ラスト・イニング」あさのあつこ

ラスト・イニング ラスト・イニング
あさの あつこ (2007/02)
角川グループパブリッシング

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あの対戦の前と後を描いた、短編と書き下ろしが収録。


「マウンドへと」
シリーズのラストで対戦した新田東と横手二中。その試合前のベンチでの門脇秀吾を描いたストーリーです。

ひりひりする様な描写。緊張感が漂う雰囲気。すごいっすね。門脇の巧との対戦への思いが、びしびしと感じられる。短編ですが、ファンには溜まらない作品でしょう。



「白球の彼方」
横手二中を卒業した瑞垣俊二。瑞垣は野球部のない高校に進学した。ある朝のバス停でかつての仲間・唐木に出会い、あの試合を思い出す。そう、新田東とのあの試合を。そして一番近い存在であり屈辱を感じる男、天才・門脇秀吾。彼のあの試合での姿に思いを馳せる。自分を見失った瑞垣を描いた、その後の「バッテリー」番外編です。


あの運命の試合を回想するんです。ということは、試合結果がわかる。試合結果を知りたかったし、知りたくもなかった。ここのとこは微妙。

それに豪の自信満々のあの態度。「二度目はないですよ、瑞垣さん」。巧みに盲目な豪らしいと言っちゃあらしいですね。あの根拠のない巧への信頼は、気持ちが良いっす。

試合結果が知りたい方は、シリーズを読んだ後にこの本を読んでね。結果をばらしたりしないから。

野球をやめた瑞垣の日常なんですが、何かもっさりって感じ。それを妹の香夏ちゃんが、ばっさりと言い切る。ダサいって。この香夏ちゃんが可愛いくて、これまでに無い雰囲気を作ってた。瑞垣の知らない所で海音寺くんと電話してたり、淡い恋?が瑞々しい。「バッテリー」って、こういうの無かったですもんね。

それと門脇のお母さんが印象的でした。大人の感情が出たのも初めてかな。瑞垣に感情をぶつけるシーンが好きでした。それを受け止める瑞垣も好き。そこに現れた門脇も好き。好き好きだらけです。

そのあとに瑞垣と門脇が語り合う場面は、きゅんっとくるね。瑞垣が巧より豪の方がすごいって、ぽろっと言った瞬間ぞくっときたもん。

そこに現れた元監督の発言で、瑞垣の新たな道が見えてくる。それを確かめるために、瑞垣らしい行動に出るのだよ。その行動がラストの場面。いいっす。めっちゃ良いっす!

投げられたボールを捕る。単純ですが、これが「バッテリー」。すべてがこの単純な行為の延長だと、教えてくれました。

この本って映画化したので、出版されたんですよね。ということは、映画の続編が決まれば・・・。まだ続編が出る可能性があるかもね。

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あさのあつこ
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    2007

03.23

「ぼくのメジャースプーン」辻村深月

ぼくのメジャースプーン ぼくのメジャースプーン
辻村 深月 (2006/04/07)
講談社

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ぼくは同級生のふみちゃんに憧れている。頭が良くてスポーツ万能。クラスでも人気者。でも不思議な女の子だった。周りに流されず、一人だけ違う場所から物を見る。そんな子だった。ぼくが初めて力を使ったのも、ふみちゃんだった。それは言葉によって相手を縛る力。お母さんが言うには、使ってはいけない力だ。学校で飼育していたうさぎを、ふみちゃんはとても大事にしていた。しかし小学4年生のある日、うざぎはハサミでばらばらに殺されていた。発見者は、ふみちゃん。ぼくが風邪をひいて飼育当番を頼んだからだ。犯人はすぐに逮捕された。名前は市川雄太。K大医学部の学生。犯人の罪は器物破損。しかしふみちゃんの心は、身体から離れていた。犯人が壊したもの。うさぎの身体とその命。そしてふみちゃんの心。そしてぼくは犯人に罰を与えるために、同じ力を持つ先生のもとへ通う。そう、あの力を。


うさぎがばらばらシーンは、ぞっとしたな。前作に引き続き、頼むから辻村さん血はやめてー!と言いたい。だって苦手やもん。 その時の犯人の言葉もひどかったですね。「うさぎを殺すこともしたけど、それを見つける子供の反応が見たかった」ってなんかめっちゃムカついたもん。でもすぐに物語の世界に嵌ったよ。

それにしても秋先生はやっぱ良いっすね。子供扱いせずに対等に接するもん。秋先生って秋山先生といって、前作でも重要人物だった先生です。その他にも2人出てきたね。この本では名前が出なかったけど。彼女はやっぱり優しかったし、彼の能天気さも良かったです。こういうリンクって嬉しいっすね。

本筋とずれるのですが、印象に残った場面があったな~。小学2年の時に起こった論争事件。サンタは本当に居るのかってやつ。ここで描かれた子供の残酷さがすごくリアルでした。抑制がきかずに多数で1人を責める。しかも関係ないことまで持ち出してくる。現実にあるから嫌ですね。

本筋の方では、ぼくが犯人と会う日までのカウントダウンが始まる。そこでのぼくと秋先生の問いかけや問答が、すごくシリアス。濃密な時間が楽しめました。

それにしても今回もラストには、唸ったな。詳しく書けないのが残念ですが、やられたーーー!!という感じ。まさかあの部分をひっくり返すとは思わんかった。ミステリは好きでよく読みますが、いつも辻村さんには負けてます。今回も完敗。と~っても面白かったです。はい。
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辻村深月
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    2007

03.22

「QED 式の密室」高田崇史

QED 式の密室 QED 式の密室
高田 崇史 (2005/03)
講談社

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いつもの店「カル・デ・サック」に集まるいつもの3人。
元オカルト研究会会長のタタル。1つ後輩の奈々。
タタルと対照的な体育会系の熊つ崎。

そして冒頭から始まる薀蓄。
「通りゃんせ」の唄は何故、行きは良いが帰りは怖いのか。
これは前作の最後に出た宿題です。
答えが知りたい方は、この本を読んでね(笑)。

今回の歴史の謎は、安倍晴明伝説の謎と式神の正体です。
それと現代の密室殺人を絡めた歴史ミステリ。
シリーズでは5冊目になります。

今回も殺人事件の解決部分は豪腕ぶりが目立ったな。
でも密室本という企画モノなのでしょうがないか。
こうでもしないと式神の謎と繋がらんもんね。

そして最後は式神の謎をタタルが解いて、QED証明終わり。
でも式神の正体って、こんなで良いのかね? 
すっごい疑問やねんけど。 怒る人とか居ないのかな。

神社の由来や薀蓄は、とても楽しかったです。

それとこのシリーズは、感想を書くのが難しい。
歴史の謎もミステリも、うかつに書くとネタバレになってしまうもん。
薀蓄についても書けないいし。

しかし、奈々ちゃんはいつも驚きすぎ(笑)。
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高田崇史
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    2007

03.21

「勇太と死神」立石彰

勇太と死神 勇太と死神
立石 彰、大庭 賢哉 他 (2006/03)
講談社

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転校したての勇太はある日、大原真という同級生と出会う。
真は金持ちのぼんぼんで、身体が弱そうだった。
しかも同じクラスで、空きだと思っていた雄太の席の前の主だった。
そして真はクラスの中でも、浮いた存在だったのだ。

クラスの係りを何もしていなかった勇太は、大原真係りを引き受ける。
学校を休みがちな真の家にノートを運ぶのと、友達の居ない真の話し相手。
そして何度か家を訪問するうちに、あることに気づく。
それは勇太にしか見えない存在が、真の家に居たのだ。
そう、真の命を狙う死神だった。


勇太は元気いっぱいで、熱い心を持った男の子。
一方、真は自分は死ぬのだと、かたくなに心を閉ざした男の子。

そんな二人が徐々に心を通わせる姿が、ほくほくでした。
初めは一方的に話しかける勇太。 そのうち勇太に命令する真。
いつしか勇太のペースに引き込まれ、会話になっていく。
なんともいえん、いい感じ。

真を助けようと勇太が奮闘する姿も良かったな。
勇太は真の生きる気力を多くしようと、ある大計画を立てる。

それはピアノが好きな真に、学校の合唱コンクールで人前で演奏させること。
そのためにはクラスのみんなの協力が必要やねん。
そこで真に対する勇太の真剣さが、クラスのみんなに伝わるシーンは良かったな。

そしてラストのコンクールで、真が勇太の名前を叫ぶ場面。
これまでのいきさつが、だーーっと実った瞬間にぞくっときたもん。

友達のありがたさや、お互いを思う心がとても気持ち良かったです。
そして少しマヌケで、憎めない死神も可愛いかったな。

児童書なのに、すっごく読み応えがありました。
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    2007

03.21

「ボーソーとんがりネズミ」渡辺わらん

ボーソーとんがりネズミ ボーソーとんがりネズミ
渡辺 わらん、広川 沙映子 他 (2001/06)
講談社

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僕の名前は田中中。 中と書いてあたると読む。
昨日まで住んでたアパートの友達は、串(くし)と呼ぶ。
でも父や母はかわいく、クッシーと呼ぶ。

そんな家族が、ピザも、おすしも、釜飯も、配達区域外の田舎にお引越し。
突然引越し作業の合間に、母の叫び声が響く。
なんとゴキブリと間違えて、小さなネズミを半殺しにしたのだ。

しかしネズミはもちなおした。 飼ってみたいクッシーだが母に却下。
未練たっぷりだが、ネズミを近くの森へかえすことに。

しかし両親に内緒で、クッシーとネズミはお付き合い。
ネズミは人の言葉がわかり、音楽好きだったのだ。

そんな中、父が大ニュースを持って帰ってくる。
なんとあのネズミは、すでに絶滅した房総トガリネズミの可能性があると。

父をはじめとした大人たちは、このネズミを調査し捕獲するらしい。
そうはさせじと、クッシーのネズミを守る戦いが始まる。


クッシーとネズミの交流には、乙女心ならぬ野郎心に「きゅん」ときた。
そして必死にネズミの事を調べたり、守ろうとするクッシーの姿がいいねん。
とても微笑ましかったですね。 ずっと、ず~っと、クッシー頑張れやったもん。
未だ子供心をを忘れてなかった自分。 いいのか。 いいんでしょう(笑)。

田舎に住むのが嫌だったクッシーが、ネズミとの出会いで少しずつ変わっていく。
そして小さな友達が好んだ場所を、守る決意をする。 ええ話やな~。
めっちゃ良い本でした。

乙女心でも、野郎心でも、子供心でも、何でもいい。
このやさしさに溢れた本を感じられる心を、いつまでも持っていたいですね。

それにしても、大人たちのエゴは酷かったな。 ツチノコ騒ぎを思い出したよ。
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    2007

03.21

3月21日 古本店でお買い物

また画像が無いっちゅ~ねん。
猫目狩り〈上〉 / 橋本 紡
猫目狩り〈下〉 / 橋本 紡
リバーズ・エンド / 橋本 紡
リバーズ・エンド〈2〉slash the heart リバーズ・エンド〈2〉slash the heart
橋本 紡 (2002/05)
メディアワークス

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リバーズ・エンド〈3〉free the birds / 橋本 紡
リバーズ・エンド〈4〉over the distance リバーズ・エンド〈4〉over the distance
橋本 紡 (2003/02)
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リバーズ・エンド〈5〉change the world リバーズ・エンド〈5〉change the world
橋本 紡 (2003/07)
メディアワークス

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リバーズ・エンド after days / 橋本 紡
推定少女 / 桜庭 一樹
画像が無いって寂しいな。 今度から写真でも撮るか。
橋本紡のラノベのシリーズを揃えて買った。
嵌ったな!
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お買い物
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    2007

03.20

「毛布おばけと金曜日の階段」橋本紡

毛布おばけと金曜日の階段 毛布おばけと金曜日の階段
橋本 紡 (2002/12)
メディアワークス

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お父さんは交通事故で死に、お母さんはショックで心の病院に入院。
お姉ちゃんと二人暮らしだが、お姉ちゃんも少しズレてしまった。
お父さんの死んじゃった金曜日に、お姉ちゃんは毛布おばけになるのだ。
階段の踊り場で毛布に包まるお姉ちゃん。そこが毛布おばけの住処だ。

そこにお姉ちゃんの彼氏・和人が加わり、3人でむしゃむしゃ食べまくる。
せまい踊り場で至福を感じる未明(みはる)だった。
これが金曜日限定の行事で、次の金曜まで普通の日常が続く。
3編収録の短編集です。


「みちのながてをくりたたね」
未明はクラスで隣の席の真琴に恋をしている女子高校生。
そう、女の子を好きになってしまった、秘めた恋なのだ。 
そんな時に真琴が引っ越すことに。 思いを言えない未明。
思い悩む妹に、毛布おばけがぽつりと一言。

あまり不思議な設定では無かったですね。
登場人物の役割分担もはっきりしてるし。

ばたばた行動するのが未明。 同じく高校生の和人が応援。
お姉ちゃんのさくらは…。 毛布に包まってるだけかな。

未明と真琴の会話で、クラッシュやシド・ビシャスが出てきた。
こんなパンクな女子高生って居るのかな。 居ても少数でしょう(笑)。
ベタなストーリーですが、ベタ好きなので面白かったです。


「花火の下、きみの微笑みを」
さくらにプレゼントをするため、バイトにあけくれる和人。
お金を貯めるために、さくらとも連絡をする時間が無い。
そしてお金が溜まり、プレゼントを買いに行くが…。
今回は和人が主人公です。 

年上のさくらとつり合おうする和人が、いじらしくて可愛いかったです。
必死に背伸びをしようとするのって、すっごい解る。 これ経験談。

そんな和人に、昔はやんちゃだった社長の金子が言う言葉。 バカになれ。
同級生の都筑が哲学的に言う言葉。 いい加減になれ。
なんかいいっすね!

高いプレゼントより、身の丈にあった愛のこもった物がいい。
いいな~! こんなことを言う女性が周りに居ないのが残念(笑)。

それに深夜に食べるカップラーメンって美味いよな~。
これは読んだ人ににしか、わからんか。

和人に感情移入しまくりで読みました。
それにまたまたベタ。 めっちゃベタが好きです!


「缶コーヒーの行方」
和人の強引な勧めで、男の子と付き合うことになった未明。
お相手は和人の友達の都筑くん。 いい人だけど趣味が合わない二人。
そんな時に、大好きだった真琴からの手紙が届く。
そして毛布おばけのお姉ちゃんにも少し変化が…。

横山大観を語る都筑は渋すぎ(笑)。 それに鎧や兜を見に行くって。
まったく噛み合わない二人が面白かったな。

それに途中で出てきた、名も無き少年がいいねん。
少し小生意気でお父さんが大好きで、未明との会話が抜群に良かった。
ほっこりしたな。

毛布おばけのお姉ちゃんの変化に戸惑う未明と和人の姿も印象的でした。
安心出来る現状を望むし、まともなお姉ちゃんにも戻って欲しい。
最後での公園のさわやかなシーンは、やはりベタ。
もう最初から最後までベタ三昧でした。 満腹です!
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橋本紡
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    2007

03.19

「レイン・レインボウ」加納朋子

レインレイン・ボウ レインレイン・ボウ
加納 朋子 (2006/10)
集英社

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「月曜日は水玉模様」の続編です。 前作で主人公だった片桐陶子。
彼女の高校時代のソフトボール部の元メンバーだった、牧知寿子が死んだ。
知寿子の通夜で再会した元メンバーたち。
彼女たち七人が、連作短編のヒロインです。


「サマー・オレンジ・ピール」
自意識過剰の専業主婦・渡辺美久。 
彼女の悩みを、すぱっと陶子さんが解決。

相変わらず陶子さんはかっこ良すぎ。 
序章の様な感じの作品です。
うじうじする美久さんはちょっと苦手かな。


「スカーレット・ルージュ」
気性が激しくキツイ女・大原陽子は、出版社に勤め編集者をしている。
覆面作家と待ち合わせをし、執筆依頼をするつもりが…。

現れた人物が、自分の考えよりスケールの大きかったと気づく。
そんな姿が面白かったです。 でもインパクトは無かったな。
陽子さんのようなタイプは確実に苦手。


「ひよこ色の天使」
善福佳寿美は保育園の保育士。 保育園に通うヒロくんの家は父子家庭。
そのお父さんが事故に遭い、佳寿美はヒロくんを家に送ることに。
そこに安寿ちゃんが居なくなったと報告が。

ヒロくんラブ。 もうめっちゃ可愛いかったもん。
それに、かずみせんせーも可愛いかったな。 せんせーにもラブ。
ヒロくんにするみたいに、むぎゅっと抱っこして欲しくなった(笑)。
ミステリの出来も良かったですね。


「緑の森の夜鳴き鳥」
井上緑は病院勤務の看護士。
入院している患者さんが亡くなったことで、屋上で泣く緑。
その姿を胃潰瘍で入院中の彰に見られ…

彰くんに本心を吐露する緑さんに、じーんと感動しました。
そして死んだ知寿子と仲が良かった長瀬理穂との関係も、ちらりと覗ける。
緑さん頑張れ~、って感じ。


「紫の雲路」
坂田りえはプータロー。姉の結婚式だけで無く、二次会にも参加をする。
そこで得体の知れない村崎という男に出会い…。

りえの電話相手として、お気に入りの佳寿美が登場。
これがいいのよ。 普通の女性の会話やねんけどね。
りえちゃんも好きなキャラでした。 ラブです。


「雨上がりの藍の色」
三好由美子は食品会社に勤める管理栄養士。
ある日、問題の多い明智商事に出向することになった由美子。
社員食堂には、癖の強い三人の山本という調理師が居た。
そこに経費削減で社員食堂が潰れるという噂が…。

三人のババアだから「サンババ」には笑えたな。
食堂メニューが、めっちゃ美味そうでヨダレだらだら。
これだけでも絶品なのに、由美子さんの天然だが頑張る姿がいいねん。
由美子さんにもラブでした。 気が多いっすね(笑)。
作品自体も加納さんの、さわやかミステリが抜群でした。


「青い空と小鳥」
やっとこさ、陶子さんの登場。
知寿子を一番慕っていた長瀬理穂が行方不明になる。
しかも理穂は知寿子の通夜にも来ていなかったのだ。
理穂を探す陶子さんを描いた作品です。 というか総括です。

ここには懐かしい面々が登場。 真理ちゃん、萩くん。
それにこれまでに出てきた元ソフト部の面々。
オールキャストって感じですね。
それにお気にの由美子さんが大活躍。 わくわくでした。

これまで小出しにされていた謎が、ぶわっと絡みあう。
そしてぐぁしんっと、ピースが埋まって謎が解ける。
やっぱ上手いですね、加納さんは!


個別に感想を書いてきましたが、総体的な感想も書いてみます。
それぞれに魅力があるキャラが良かったですね。
特に陶子さん、かずみせんせー、りえちゃん、由美子さん、が好きでした。

それと以外とこの本で気づいたのが、ヒロくんの描写がすごく良かった。
子供を描くのも加納さん、上手かったですね。
初期の宮部さんの少年たち、東野さんの「少年探偵団」。
こんな感じの少年少女を、加納さんが描いたのを読みたく思いました。

ミステリとしても面白かったです。
個別の謎も良かったですが、やっぱ最後にくる大きな謎の解決。
これが加納さんの醍醐味ですね。

さわやかあり、温かさあり、ミステリあり、で大満足でした。

これまでいっぱい加納さんの本を読んでますが、感想を書くのは初めて。
加納さんがめっちゃ好きですが、上手く伝わるか心配っすね。
最後に一言。 加納朋子さんにもラブ(笑)。
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加納朋子
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    2007

03.18

「ブラバン」津原泰水

ブラバン ブラバン
津原 泰水 (2006/09/20)
バジリコ

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つぶれそうなバーの店主をしている他片。彼がこの物語の語り手。他片に高校時代のブラスバンド部の先輩から、当時の仲間で再結成したい。それも自分の結婚披露宴が舞台だと連絡が入る。それをきっかけに他片や言いだしっぺの桜井が、バンドの再結成に動きだす。

現在と過去の回想を交えた展開に、頭がふらふら。だって出てくる登場人物が多すぎ。何度、登場人物表とにらめっこしたか。しかも他片の後輩にもなると、表に載ってないもん。パニックになったよ。それとえらい勘違いをしてました。というか思い込み。「ビート・キッズ」「階段途中のビッグ・ノイズ」「青春デンデケデケデケ」これらの系統のわくわく、最後はさわやか系だと思ってた。

何か違うな~、おかしいな~、と思いながら、中盤まで気づかなかった。だからテンションは上がらず、ずるずる読んだ感じ。だから現在のシーンは惰性で読んだかな。

お好みは過去の青春のシーンでした。クラブ活動、合宿、先輩後輩など、いきいきした学生生活が好きでした。楽器が欲しくて働く姿が懐かしくて良かったです。それとお父さんと楽器を買いに行くシーン。これが一番好き。一応、昔はバンドマンだったんでね。

作中にブラスバンドの楽器のことが描かれてました。それとジャズやクラシックの曲も多数ね。
わかって当たり前みたいに描かれると、わからん人は置いてけぼり。少し、いや、大いに不満。もうちょっと丁寧に描いて欲しかったな。

期待した本では無かったが、こんな感じの本でもありでしょう。面白くは無かったけど、嫌いじゃなかったです。ただ上記の本とのギャップに、乗りきれなかっただけです。

ブラバン経験者には良い本なんでしょう。
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    2007

03.17

「いとしのドリー」風野潮

いとしのドリー いとしのドリー
風野 潮、白井 弓子 他 (2003/01)
岩崎書店

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父さんと母さんを事故で同時に亡くしたぼく・ワタル。
ぼくはおじいちゃんに引き取られ、父さんの妹のまきちゃんと大阪で3人暮らし。
なにげなく取った父さんの携帯電話。 そこに突然、着信音が鳴る。
それは父さんの弟を名乗る男からの、迎えに来いとの一方的な会話。
ぼくは暇つぶしに、電話の主の顔を見に行くことに。

そこで出会ったおじさんは、ニット帽にマスクをつけた女の子を連れていた。
そこに追っ手が現れ、あわてて逃げる3人。
謎の女の子はドリーという名で、某国から命を狙われているのだった。


ひょうきんで大阪弁をしゃべるおじさん。
そのおじさんが話し相手だったドリーも大阪弁。
この金髪で青い目なのに大阪弁、というギャップが面白い。

このあと襲われる理由がわかり、ドリーの秘密も明らかになる。
その結果、ドリーとワタルは大人たちから脱出してしまう。
次第に打ち解けていく2人の姿が、さわやかで良かったです。

それに出てくる地名が、梅田、千里中央、と馴染みのある場所。
おまけに太陽の塔まで。 大阪人としては嬉しいかぎり。

そしてドンパチもありながらも、最後はハッピーエンド。
児童書なんで当たり前か(笑)。 さっぱりさわやかでした。

おまけを1つ。 対象学年が小学校高学年~中学生だって(笑)。

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風野潮
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    2007

03.17

「ぼくはアイドル?」風野潮

ぼくはアイドル? ぼくはアイドル?
風野 潮、亜沙美 他 (2006/06)
岩崎書店

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ぼく、美樹(ヨシキ)は中学生。 テレビ番組の司会をしている母さんと同居中。
作家志望の義理の父さんは現在別居中。 初めてテレビに出たのは小学5年生のとき。 
母さんについてきて、スタジオ観覧だけのはずだった。
そこに子役の出演キャンセルがあり、代役をすることに。
だが出演衣装が女装…。 一回きりだと思いミキとしてテレビに出た。

そしてただいま中学生。だがテレビで人気のアイドル・ミキとはヨシキだった。
学校の友だちは誰も気がついていない。 ところが幼なじみの有沙が転校してきた。 
そう、ミキの正体がヨシキだとバレそうに。


男の癖に編み物や料理が得意だと、友達に話せないヨシキ。
こういうコンプレックスって、大人になってもありますよね。
何か上手く言えませんが、すごく共感したな。

そしてミキとしてテレビに出るヨシキは、本当の自分が何なのかを考える。

そんな時、オカマちゃんのカオルと出会う。
カオルの口から様々な体験や、感じたことを聞くヨシキ。
その結果自分の答えを出す姿が、さわやかでとても良かったです。

児童書なんですが、カオルちゃんが性同一性障害について語ってました。
でも子供に解るのかな。 と独り言。

それともう一つだけ独り言。
この装丁は、恥ずかしすぎる(汗)。
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風野潮
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    2007

03.16

「新釈 走れメロス 他四篇」森見登美彦

新釈 走れメロス 他四篇 新釈 走れメロス 他四篇
森見 登美彦 (2007/03/13)
祥伝社

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近代文学を森見風に独特の文体でアレンジ。 そして場所は京都の街。
時代も現代で、出てくる人物はやっぱりあの大学の学生たち。
それに一編ごとに作風も違う。 読ませどころ満載の一冊でした。


「山月記」中島敦
詩に心を奪われた李徴の悲劇的な運命を描いた作品。
原典では李徴が虎になる話が、齋藤秀太郎が大文字山で天狗になるという設定。
そこに森見さんのユーモアが加わり、物語が展開していく。

この作品は原典を読んでいたので、こう来るかって感じ。
出てくる描写が森見さんらしくて良かったな。
小道具も良い。 特に秋刀魚とか(笑)。


「藪の中」芥川龍之介
一つの事実を多角的な視点から見た作品。
映画サークルで撮影された一本の映画。
その映画に関わった人物の、それぞれの視点で描かれています。

一つの事柄でもそこに居る人たちによって、見方や感じ方が違う。
それらの静かな描写が素敵でした。
ちょっぴり切ないね。


「走れメロス」太宰治
親友との約束をはたすため、ただヒタスラ走る男。 誰もが知ってる名作です。
友情の素晴らしさ・信頼が、森見さんに掛かればこんな事に。
まさに妄想全開、森見ワールドの真骨頂です。

そんなアホなという、新釈ぶりに大爆笑。
友のために走らずに、追いかけられて逃げてるだけやん。
しかも桃色ブリーフってとこが、ツボに嵌った。
図書館警察が出てきたのは、懐かしかったな。


「桜の森の満開の下」坂口安吾
美しさの中に潜んだ恐ろしさを描いた作品。
桜の花の下で出会った男と女。 
女の求める通りに生きる男が、いつしか悩み・そして気づく。

森見さんの執筆についての苦悩が、乗り移ったような感じ。
たんたんとした時間の流れが良かったな。
森見さんこんなのも描けるんだ、と少しびっくり。

「百物語」森鴎外
京都を舞台にした、百物語の集いでおこる不思議なお語。
これまで出来た登場人物が勢ぞろい。 おまけに森見くん付き。

なんとな~く、お話が進んでいく。 ただそれだけ。
なんか上手く言えないが、この雰囲気は好きやな。
この本の終わりを飾るのには、ぴったりかな。


いろんな森見さんが読めた本でした。
「太陽の塔」系の「山月記」「走れメロス」。
特に「走れメロス」は笑えたな。 一番のお気に入りでした。

それにこれまで知らなかった、静かな時間の流れの森見さん。
「きつねのはなし」がこんな感じかな。 未読なので知らんけど。

近代文学を原典にしているので、文学色が強いです。
でも、もちろん読ませるねんな~!

この新釈はシリーズになるのかな。
他のリメイクも、もっともっと読みたいっす!!


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森見登美彦
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    2007

03.16

「オオトリ国記伝 1 魔物の闇」リアン・ハーン

オオトリ国記伝〈1〉魔物の闇 オオトリ国記伝〈1〉魔物の闇
リアン ハーン (2006/05)
主婦の友社

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翻訳嫌いですがお薦めがあったので読んでみました。
「ダヴィンチ・コード」以来の翻訳本です。

時は戦国時代のど真ん中。人里離れた隠者の村に住むトマスが村を出て山にいる間に村は全滅していた。トウハン国のイイダが攻めて来たのだった。そこへ帰って来たトマスは兵士に追われる。だが、たまたま出会ったオオトリ・シゲルに助けられた。そのオオトリ・シゲルとはオオトリ国の跡取りだった。トマスはオオトリ様にタケオと言う名前をもらい、一路ハギを目指す事に。

一方、小国シラカワ家の長女・カエデは、イイダの同盟国であるノグチの城で人質として暮していた。彼女は女中と同様の働きをしながら、女の非力さを痛感していた。ある日、門番に乱暴されそうになったカエデは、たまたま持っていた短刀で門番を切りつけてしまう。そこに日頃から親切だったアライが現れ、カエデは助けられた。

外国人が架空の日本を舞台にした、戦国時代モノです。強国イイダ国に対して、オオトリ国を代表とする戦乱の予感を描いた本です。主人公はオオトリ・タケオ。隠者の母を持ち、後に父が部族だったと知ることになる。隠者とは隠れキリシタンがモデルになっているようだ。部族は忍者に近いが不思議な特殊能力を持った人種である。神に祈る穏やかさと、暗殺の技を持つ荒々しい心を持ったという設定かな。そしてもう1人の主人公がカエデ。 男の世界で翻弄されている所にタケオと出会い恋に落ちる。

それにしても外国人からみた忍者って、こんな印象なんかな。屋敷中の声が聞こえたり、分身の術を使うって、忍者ハットリくんやんか。まあ面白かったから、別にいいけど。架空の世界なので、登場人物は日本名だが全てカタカナ。これが非常に読みにくい。何度人物表を確かめたかわからん。それ以外にも、おかしな所が少々あった。けれど架空の世界と言われてしまえばしょうがない。

でも本自体はサクサク読めた。なにしろストーリー展開がはやい。マイナスな事ばっかり書いているまが、普通に面白かったです。だけど日本人が書いた方がやっぱり面白いと思う。微妙なズレがどうしても気になってしまうのだ。ファンタジーが好きで、時代物に詳しくない方なら楽しめるでしょう。時代物が好きな方は、違和感を感じること間違いない。かな。

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    2007

03.15

3月15日 書店でお買い物

珍しく単行本を買った。
新釈 走れメロス 他四篇 新釈 走れメロス 他四篇
森見 登美彦 (2007/03/13)
祥伝社

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フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 >
佐藤 友哉 (2007/03/15)
講談社

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宙の詩を君と謳おう 宙の詩を君と謳おう
柴田 よしき (2007/03)
光文社

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QED〈龍馬暗殺〉 QED〈龍馬暗殺〉
高田 崇史 (2007/03/15)
講談社

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A HAPPY LUCKY MAN―長編小説 A HAPPY LUCKY MAN―長編小説
福田 栄一 (2007/03)
光文社

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山ん中の獅見朋成雄 山ん中の獅見朋成雄
舞城 王太郎 (2007/03/15)
講談社

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人間は考えるFになる 人間は考えるFになる
森 博嗣、土屋 賢二 他 (2007/03/15)
講談社

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単行本は1冊。文庫本は恒例の暴れ買い! ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

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    2007

03.15

「走れ,セナ!」香坂 直

走れ、セナ! 走れ、セナ!
香坂 直 (2005/10)
講談社

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小学5年生の吉田セナは元気な女の子。
走ることが大好きで陸上部に所属している。

2学期初めの、クラスの席替えを楽しみにしていたセナ。
しかしクジの結果、同じ班になったのは最悪の面子。
チビ・デブコンビの男子2人に、学級委員長のインチョウだった。

チビの方はオカマッチ。 先生は岡本だからと思っている。
しかしほんとは、しゃべりかたがオカマみたいだから。
デブの方は田中。 身体はクラス一大きいのに、声は極小。
インチョウは勉強ばかりしている、氷のような女。

班に不満を持ちながらも、クラブ活動の再開を楽しみにするセナ。
しかし、もろもろの事情で陸上部は解散することに。

はたして陸上協議会に出て、ライバルと一緒に走れるのか。


学校であった不満を母にぶつける姿は、子供の頃の妹を思い出したな。
女の子ってお母さんとよくしゃべるんですよね。
でも妹はこの本みたいに母親の手伝いをしてなかったな(苦笑)。

家でのシーンでは晩御飯の料理の場面が多かった。
ここでは毎回、お母さんのマイブームが変わっていて面白い。
各地の塩、次が白ゴマ、次がシソ。
まるでみのもんたの影響を受けたみたいでしょ(笑)。
そしていつもにんじんたっぷり。 これにはあとで訳がわかります。

でも一度は大ゲンカをしてしまう。
母子2人の生活に、セナはずっとがまんをしてきた。
お母さんはわかってくれないって。
しかし母の弟のサトルくんがやさしく助言をしてくれる。
このシーンは好きでした。

話変わって陸上部のお話。
陸上部の解散阻止には、部員が2人増えればいい。との事。
そこに登場するのがオカマッチと田中。
でも2人ともひどい運動音痴やねん。 田中なんてスキップも出来ない。
このへん笑えた~! ニヤリが止まらない。

そして外せないのが新顧問のドキリンコ。 彼女はセナの担任ね。
陸上は素人。 入門書を片手に、あやしげなトレーニングを始める。
ここもニヤニヤ(笑)。

陸上部でもある事件があって、セナはオカマッチと田中とケンカをする。
ここでは写生の時間に、インチョウがぶっきらぼうに仲立ち。
結構インチョウっていい人だと気づくシーン。
さわやかな描写ってなんだか嬉しくなるね。

オカマッチと田中も一緒に陸上をするうちに、意外な才能が見えてくる。
そして運命の競技大会。その結果セナが得たものは、…。
言えません(汗)。 だってネタバレになってしまうもん。

良かった~! めっちゃ面白かったです。
それに余韻も最高!

子供たちだけでなく、ドキリンコが成長していく姿も微笑ましかったです。
よ~し、また香坂さんの本を読むぞー!! 元気が貰えた本でした。
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    2007

03.14

「海の底」有川浩

海の底 海の底
有川 浩 (2005/06)
メディアワークス

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海から横須賀に巨大な甲殻類がわんさと現れ、人間たちを襲い始める。海上自衛隊の潜水艦「きりしお」の実習幹部・夏木大和と冬原晴臣。彼ら二人は艦長の犠牲の上に、子供たちを助け潜水艦に避難する。救助を待つ夏木・冬原・子供たちの、閉鎖された生活が続く。

一方地上では県警の警備課に所属する明石が、すばやく危険を察知。腐れ縁の機動隊隊長・滝野に連絡。機動隊の迅速な行動で被害を最小に抑える。そして対策本部が置かれ、現場の指揮に烏丸参事官が到着。烏丸は明石に目を付け、2人のはみ出し者は自衛隊派遣への道をつくり始める。2つのストーリーが辿り着く先に未来はあるのか。

簡単に内容を言うと、巨大ザリガニVS人間かな。冒頭の血がどばっと出るシーンは、正直ひいたな。なんてったって血が大の苦手。しかも今回は内臓付き。きゃ~!

「空の中」に引き続き、登場人物が魅力的でした。口は悪いが情の熱い夏木。口当たりは良いが子供でも容赦しない冬原。この2人がとにかくかっこいいねん。ザ・海自の男って感じ。そして救助した子供たちの中で、唯一の女子である森生望。望ちゃん可愛いかったな。読みながら萌えました。そんな中でヤツにはムカついた。子供たちの中にいた嫌な子供・圭介。何度かザリガニに食われろって、本気で思ったもん。これっていい意味で感情移入でしょ。

地上戦の方にも個性的な人物が居るねんな。なんと言っても明石。普段は問題児。でも有事に力を発揮する。茶目っ気があり、言いたい事をずばっと言う。痺れるね。烏丸参事官もアクは強いが切れ者。柳葉の室井を思い出した。彼らが様々な防衛手段を講じるのですが、これがまた良いねん。ザリガニの進行を食い止めるために、電磁柵を轢く。このネタはゴジラだって。そしてアメリカの爆撃の危険性を、軍事オタクのチャット仲間に依頼。このあたりは今風なやり取りで、リアリティを感じたな。あとはラストに向かって怒涛の展開。 まさに一気読みでした。

読む前は突飛なSFモノかと思ってました。しかし読み進めると、政府の動きや自衛隊出動の問題提起がぎっしり。それでいて重くない仕上がり。

それに彼も救われてたのは良かったな。あのままじゃ救いが無いもん。それに有川さん特有のさわやかな恋愛もあり、これが溜まらん。読後の余韻もばっちり。すごく読み応えがありました。満腹って感じ。個人的には「空の中」より好き。とても面白かった本でした。

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有川浩
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    2007

03.13

「空の中」有川浩

空の中 空の中
有川 浩 (2004/10/30)
メディアワークス

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国産輸送開発のプロジェクトで作られた試作機が試験飛行中に爆発。そして自衛隊機が飛行演習中にまたもや爆発。両方の爆発事故は、四国沖で高度二万メートルと共通していた。

所変わって地上では高知に住む高校生の瞬が、浜辺で不思議な物体を発見。隣に住む幼馴染の佳江の強引さに負け、その物体を飼育することに。そしてクラゲモドキのような物体に、フェイクと命名する。そこに父が死んだと報告が。そう、爆発した自衛隊機に父が乗っていた。父を失ったショックからか、瞬はフェイクに夢中になる。それになんとフェイクは言葉を理解し、話すことも出きる知的生物だった。

一方、2回にわたる航空事故を調査することになった春名高巳。高巳は事故の当事者であり、目撃者でもある光稀に聞き取り調査をすることに。頑なに口を噤む光稀。そんな彼女を気長に待つ高巳。いったい光稀は何を目撃したのか。そして2つの物語がたどりつく結末とは。


ふ~、本の序盤を説明するだけで、えらい長文になったな。ここから感想を書きます。

フェイクに傾倒する瞬の描写は、正直に言うと痛いです。でも佳江が重苦しい雰囲気を救ってくれる。佳江の高知弁のやわらかさに、ほっとしたね。それと、いい味を出してた宮じいが良かったな。

一方の光稀と高巳のストーリーの方は良いねー!クールだが物の言い方を知らない光稀がかっこいいし可愛い。それに高巳のおとぼけキャラも良い。でも実は切れ者ってとこも良い。

この2つのストーリーについて、帯のもんくが素晴らしい。秘密を拾った子供たち。秘密を探す大人たち。この2つの対比ってかっこいいね!

そして中盤になってからの展開は、何と言ったらいいのかしら。一言で言ってしまえばSFでお終いやねんけど。何かこのあたりは、だるだる気味で退屈やったな。リアリティが欠けるというか、何というか。たぶんSFが苦手だからでしょう。

光稀の言葉で頑張ろうとする高巳のほのかな恋。ここが唯一の読み所って言っちゃ~、言いすぎか。

それにしても最初の犠牲者の娘である真帆。彼女の憎たらしさというか、壊れ方は上手く描けてたね。だってそうとうムカついたもん。これ、感情移入したと言いたいだけ。

で~、エンディングを読み終えて総体的な感想。SFはイマイチ。恋愛系は大好き。だって純だもん(笑)

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有川浩
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    2007

03.12

「ラス・マンチャス通信」平山瑞穂  

ラス・マンチャス通信 ラス・マンチャス通信
平山 瑞穂 (2004/12/21)
新潮社

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第16回 日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作です。

両親、姉、と小さな家で暮らす僕。 そこには異形のアレが一緒に住んでいる。
死骸の臭いが凄い陸魚をおもちゃに、好き放題のアレ。
家族は臭いに麻痺しているが、僕の家はいつも臭い。
そして何故か家族はアレを見ないフリをする。
しかしある日、僕の限界がきた。 姉を犯そうとするアレを、殺してしまったのだ。

何の説明も無くたんたんと進むストーリー。 正直、度肝を抜かれたな。
アレって何? 陸魚って? それにこの世界は何なんだ!!

こういうの苦手なはずなのに、嫌いでは無かった。
と言うか、かなり好みかも。 趣味悪~い(苦笑)。

それと作品としての完成度は高かったです。

えらい本を手に取ったな。 無知って怖いですね!
でも収穫本だったからいいか(笑)。




うぇ~ん。これ以上、感想を書けないっす。
頑張ったけど、もう無理!!

あっ、忘れてた。装丁がめっちゃお気に入り。
装丁を見て、アレを想像しながら読みました。

じゃ、そ~いう事で解散! びゅ~~!!(逃避)
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その他の作家
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    2007

03.10

3月10日 書店でお買い物

ショートカット ショートカット
柴崎 友香 (2007/03)
河出書房新社

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コーンクリームスープ コーンクリームスープ
川西 蘭 (2007/03)
ジャイブ

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はじまりの空 はじまりの空
楡井 亜木子 (2007/03)
ジャイブ

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卒業。 卒業。
豊島 ミホ (2007/03)
ジャイブ

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ピュアフル文庫を買う、30男ってどうよ!
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お買い物
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    2007

03.10

「芥子の花」西條奈加

芥子の花 芥子の花
西條 奈加 (2006/09/21)
新潮社

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江戸から阿片が亜細亜各国に出回った。それを馬込播磨守寿々・通称ゴメス率いる長崎奉行の面々が捜索する。シリーズ2作目です。 読みは(まごめはりまのかみすず)です。今回もゴメスのパワーは健在。 というか迫力がアップしてた。まあこれを期待してたんだけど。

そして新たに、三芳朱緒が長崎奉行の一員に。女性の奉行所入所に男どもがうきうき。 微笑ましかったな。でも朱緒様って、めっちゃ強いねん。 ゴメスを投げ飛ばすねんから凄い。前回は頼り無かった辰二郎も、棒術を覚えてかっこいい。朱緒様とこれからどうなるのかも楽しみの1つ。

阿片の元になる芥子の出所を探索するうちに出会う、麻衣椰村のサク少年。サクも真っ直ぐで良い子ちゃん。そのサクや麻衣椰村の住人を助けるために、辰二郎が立ち上がる。いいね~、江戸人情ですね。 こういう単純な展開は好き!

そしてラストの、ばったばったの大活劇にワクワク。辰二郎も強くなったね!ゴメスと辰二郎の距離の取り方が良かったです。一緒に月を見ながらお酒を飲むシーンが、とても印象的でした。ほんとはお互いに信頼してるのがいいね。

背景設定の説明が多かった前作より、数段面白かったな。と言うか、めっちゃ好みの本になっていた。続編に続くような終わり方なので、次にも期待です。続々と、このシリーズが出るといいのにね!

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西條奈加
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    2007

03.09

「びっくり館の殺人」綾辻行人

びっくり館の殺人 びっくり館の殺人
綾辻 行人 (2006/03)
講談社

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かつて子どもだったあなたと少年少女のための本、という企画のミステリーランドの本です。でも綾辻さん、館ものを書いちゃった。館シリーズの8作目です。

関西に引越してきた三知也は、ある噂をよく聞く。それは山の手のお屋敷町にある、びっくり館という屋敷の噂。そしてある日、びっくり館に住む少年・トシオと出会い、三知也は友達になる。

その館には人形ばかりを置いてある部屋がある。その中にはトシオの死んだ姉・リリカと同じ名前の人形もあった。だからその部屋はリリカの部屋と呼ばれている。

様々な噂が飛び交うびっくり館だが、クリスマスの日にある事件が起こる。館の主人でありトシオの祖父・龍平が、リリカの部屋で殺されていたのだ。しかもドアも窓もカギが閉まった状態で。そう密室殺人事件が起こったのだ。

この本ははっきり言ってしまえば児童書だ。字もでっかい。なのに密室殺人なんて、綾辻行人さんらしい。それに鹿谷門美や中村青司なんて名前が出てくるとさらに嬉しい。ちらっと出てきた時にはおもわずニンマリしてしまった。ストーリーやトリックは子供でも読める設定になっているが、あのラストは怖すぎ。子供に耐えられるのだろうか??

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綾辻行人
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