2008年04月30日 (水) | 編集 |
個人メモです。
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2008年04月30日 (水) | 編集 |
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絢部あかりが勤めている老舗の和菓子店〈福桜堂〉。その二軒先に店をかまえる人気ショコラトリー〈ショコラ・ド・ルイ〉で、不可解な万引き事件が起きた。その事件がきっかけで、あかりはルイのシェフ・長峰と出会う。ボンボン・ショコラ、ガレット・デ・ロワ、新作和菓子、アイスクリーム、低カロリーチョコレート、クリスマスケーキ――さまざまなお菓子をめぐる人間模様と、菓子職人の矜持を描く、小松左京賞作家の鮮やかな力作。《本のカバーより》
「鏡の声」
あかりが最近できたお隣さんを偵察に行くと、少女の万引きを見たと執拗に怒りまくるトレンチコートの女性と、それは濡れ衣だと自信満々に対応するお嬢様学校に通う少女たちの言い合いが始まった。あかりは万引きの瞬間を見ていたような気がしたので、失礼な客を演じて発言することにした。
「七番目のフェーブ」
友達の結婚祝いに、仲間たちでガレット・デ・ロワを特注することにした。そのケーキを切り分けると、一個だけ陶器の人形が誰かに当たる。その人形を特別に仲間の人数分、六個の人形を注文したが、中から出てきた人形は七個だったと聞かされた。この謎についてあかりは調べるように頼まれた。
「月人壮士」
夏の新作和菓子の候補になった菓子があるが、これには問題点がひとつあった。お隣の〈ショコラ・ド・ルイ〉が近日発売するアイスクリームと、あまりにもデザイン類似していたのだ。あかりは実は、若手菓子職人のたっての希望で、〈ルイ〉の長峰シェフと若手職人との会談の橋渡しをしていた。
「約束」
〈ルイ〉のショコラティエである中本さんが、あかりの要望に答えて修行時代を語る。その時の〈パティスリー・イワタ〉には、先輩として長峰がおり、同期で入店した梅崎という男がいた。梅崎という男は、フルーツへのこだわりが強く、盛り付けには目を見張る技術を持っていた。その一方で、長峰にはよく怒られていた。
「夢のチョコレートハウス」
この写真の男が店に現れても菓子を売らないでくれ。ご主人の糖尿病を心配する夫人が〈福桜堂〉にやって来た。長峰はそのご主人、田山さんの注文で低カロリーのチョコレートを試作していた。その田山さんが商店街で倒れ入院した。彼の所持品の中に〈ルイ〉の紙袋があるのを見て、その菓子を食べたせいで主人が倒れたと夫人が激怒した。
「ショコラティエの勲章」
関西ショコラ倶楽部という会員制のクラブがあり、前回の田山さんのお誘いで、例会に特別参加することになったあかり。会員の一人が急用で欠席することになり、有名シェフの娘が代理でやって来た。そして最近のスイーツは似たものばかりで面白くないと、担当シェフだった長峰の洋菓子を批判。長峰は次回の例会でもう一度スイーツを作ることに。
前作の舞台である洋菓子店〈ロワゾ・ドール〉が出てくるし、主人公だった森沢さんも登場していた。お菓子繋がりの作品だから、リンクの予感が少しあったので、先に「ラ・パティスリー」を読んでおいた。これが正解だった。こういった作品間のリンクは最近の風潮なのかな。
作品の内容的には可もなく不可もなく、いたって普通。ミステリとしては前作同様に小粒だけど、菓子店で働く人物たちの物語としては十分に楽しんで読める。わかりやすく言えば、テレビ映えしそうな作品だ。肩肘はらずに気軽に読めるし、なによりたくさんの和洋を問わないお菓子が出てくる。よって甘いもの好きにはヨダレが出そうな作品かも。そういう自分は、甘いものが苦手だけど…。
チョコのように後味がいいものばかりでなく、ビターすぎて苦い作品もある。前作にもこういう傾向があったので、これが上田早夕里という作家の特徴なのかもしれない。そして、香りのよい紅茶が似合いそうな本であった。
関連本。「ラ・パティスリー」上田早夕里
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