「走れ!T校バスケット部」松崎洋
2008年05月04日 (日) | 編集 |
走れ!T校バスケット部走れ!T校バスケット部
(2007/02)
松崎 洋

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高校バスケットの顧問の先生方と部員たちの間で「読み出したら止まらない」と、口コミで広まっています。涙と笑いの青春小説ですが、イジメを背景にしたストーリーのため、身近な問題として考えさせられる内容。高校生やその家族の強い後押しで出版が実現しました。《出版社より》

陽一こと田所陽一は、バスケットの名門であるH校に入学するが、部員によるイジメに苦しみ、学校を辞めて都立T校へ転入した。失意の陽一を救ってくれたのは、同じ中学卒の同級生、底抜けに明るいチビたち四人の仲良しグループだった。チビこと河崎祐太は、身長が百五十三センチしかなく、「文句マン」という別のあだ名も持っていた。メガネこと川久保透は、猛スピードで走れる足の持ち主。名前を反対読みにしたのぞき魔こと牧園は、チーム一の長身でセンタープレイヤー。俊介こと矢嶋俊介は、チビやメガネと同程度の腕前だったが…。

彼ら四人に誘われたT校バスケットボール部は、一度も勝ったことがない烏合の衆だが、なにより純粋にバスケットボールを楽しんでいた。そして、自称二十代という四十半ばの女性顧問、バスケの素人だが元気が取りえの小山先生の頼みで、一度でいいから二年生に勝つ喜びを味あわせる、つまり、それぞれがレベルアップを計り、T校の初勝利を目指すことになる。彼ら五人もやがて二年生になり、新一年生マネージャーの浩子、素人のコロ、潜在能力を秘めた巨漢の健太を加え、やがて三年生の三人が抜けて、陽一たちの時代がやって来る。

これはめっちゃ面白かった。文章はあまり上手くはないのだが、ストーリー展開がマンガ的で、すべてがすごくわかりやすい。勝つ喜びを知らない先輩たちに、初勝利を味合わせるために、練習に明け暮れる前半部分。マネージャーの浩子の兄が大学のスター選手で、その隼の指導でメガネのシュート力、のぞき魔のリバウンドが鍛えられ、その他の連中も実力を貯えていく。

そして先輩たちが抜けた新チームでは、冒頭で語られる俊介の怪我があり、あれれ?という夢幻がありつつ、その俊介がアメリカ人のトムと出会い、チームにとって貴重なスリーポイントを身につける。とまあ、このような流れで、最終的に、陽一の心をひどく傷つけたH校と対戦するまでの物語だ。

少年たちが本当にバスケ好きで、ちょっぴり恋の部分もあって、とにかくベタでキャラ読みできる作品。少年たちがすごく真直ぐで、爽快な気持ちになれる一冊だった。NBAが好きなら、ラストはむふふだろう。バスケが好きな方にはぜひ、お薦めしたい。