「ザ・万歩計」万城目学
2008年05月09日 (金) | 編集 |
ザ・万歩計ザ・万歩計
(2008/03)
万城目 学

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『鴨川ホルモー』でデビューの奇才、待望の初エッセイ集!●万博公園に出現したオレンジ色の巨大怪鳥とは!? ●係長から「マキメっち」と呼ばれるとき ●「この世に存在するはずのない曲」への想い ●負のカリスマ「御器齧り」との仁義なき戦い ●「オリーブの首飾り」を聞く小さな歓び ●カッパドキアで魅惑のハマムを……!? ●京都市が極秘裏に実行している防災計画について ●モンゴルで夢見たエコで優雅な遊牧民生活……《出版社より》

そこにあるというのは知っていたので、まずは探してみた。あったあった。森見パンチを発見!というユニークな表紙。それに本に挟まれていた栞を見てニヤリ笑い。そんな本書だが、読み始めは歌にまつわるエッセイで、これにはあれ?と思うが、次の「鴨川ホルモー」が生まれるまでや、作家の部屋探し、会社勤めのエピソード、ゴキブリとの戦い、あちこちへの旅行記、「鹿男あおによし」誕生秘話と、全体的にクスクス笑いがほとんどで、抱腹絶倒とまではいかなかった。そんな中でも、トルコのサウナで経験したことに対しては大爆笑してしまったが。

個人的にだが、お気に入りだった一文を紹介。《梅田に到着するも、集合時間まで余裕があったので本屋に寄った。自分の本の前に、書店員の方が書いてくれたポップが立っていた。のぞいてみると、「三分の一までガマン! あとは一気にいけます!」と書いてあった。東京ではまずお目にかかることのない、率直すぎるコメントに胸をどきどきさせたのち、私は待ち合わせの店に向かった》 なんていう小洒落たエピソードなど、物の捉え方が万城目らしいので、ちょっと微笑ましくかわいらしいと思えた。

でも全体的に昔のことが多く語られているので、「ホルモー」や「鹿男」のような、もう少し最近のこと、本にまつわることが書かれていると、さらに良かったかも。それにゴキブリについてはありがちな話だし、読んでいて気持ちがいい話ではないし、もっと酷い経験をしたことによって、思い出しただけで鳥肌がでる身にとっては、ご遠慮願いたかった。

それにしても、京大生って変なやつばかり、などと、またもや偏見を強くしてしまった。読みやすいし、おもしろかったけど、やはり、小説の方を読みたいのである。次の大阪はいつ??などと、欲張りな一読者であった。