2008年05月20日 (火) | 編集 |
![]() | そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (2006/11) 川上 未映子 商品詳細を見る |
ちょこっと随筆、ほとんど日記という、ブログ「純粋非性批判」を書籍化したのがこの本。これは小説よりもだいぶ読みやすい。が、独特な文章や、物事を捉える不思議な目線、感受性の強い個性は健在で、かなり変わった世界観を構築している。読もうと身構えるのではなく、彼女のリズムに上手く乗れば、するりと文章が脳内に浸透し、世界がすこんと入ります。ぷぷっ、タイトルをもじってしまった。
ミニチュアフィギア?の玩具、シルバニアファミリーにまつわる小学生の頃の思い出に爆笑し、「!」と「?」マークは、猫をお尻のほうから見た模様だという指摘に目からウロコし、酔いという範疇をはるかに超えた憐れな病例に我が身をあわせ、携帯へのエロメールを拒否するやり方が判らないことや、やらなあかんことがあるときに限って人は普段あんまりしないようなことをしてしまうに、そうそうと共感し、上京したときに手に入れたサボテンのサボコの病状に一喜一憂してしまう。そして、歌詞の創作中には、大浴場の湯船でおしっこが出来てしまう倫理についてメモ書きしたい衝動を押さえ込む。ええっ!?
私のことをわかってほしい、という強い想いで綴られたあれこれだが、ときにストレートな表現で、あるいは凶暴で、そして鬱々とする素の川上未映子。そんな彼女の本質がすごくよく出ていたと思う。それにしゃべり口調のまんまやん、といった、読者に対する投げ掛ける言葉が妙に気持ちいい。それに、かなり過激な女の性のことについて触れていたが、全然エロくないのは不思議だ。相手の目をずっと見つめるは、メモしておこう。
全篇にわたり、ユーモラスとシリアスの配分が絶妙で、リズムある心地良い語りに酔わされてしまった。彼女の歌手としてレコーディングに取り組む姿が多くあったが、そちらは未だ手付かずなので、今度は彼女の作った音楽を聞いてみたい。そう思えた一冊だった。
この本を図書館で借りたが、あえて一言。お値段、1.800円は高すぎるんじゃない。買ってないから言う権利はないんだけど。
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