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    2011

01.31

「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ

桐島、部活やめるってよ桐島、部活やめるってよ
(2010/02/05)
朝井 リョウ

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バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく…。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。第22回小説すばる新人賞受賞作。

ほんとはお前、うれしーやろ。副キャプテン孝介の声が頭の中で反響している。単純にバレーボールが好きだった。ポジションは同じリベロ。そして桐島はキャプテンだった。ただそれだけのことだ。小島風助が公式戦に出られたのは今まで二回だけ。桐島がつき指をしてしまったとき、その二回だけ。きっときっと、嬉しいんだ。桐島がいなくなって。

最近ずっと外向いてサックス吹いとるねー。沢島亜矢は詩織の声に、どきっ、とした。放課後のグラウンド。ぼろぼろのバスケットゴールには、くしゃくしゃのパーマと外れたシュートがないとさみしすぎる。私、竜汰、好きだな、なんてちょっといたずらなっぽく笑う志乃に、へーえ、応援するよ、なんて、余裕ぶって返した。なぜだか泣きそうになる。

映画部は映画甲子園で特別賞を獲得した。高校って、生徒がランク付けされる。大きく分けると目立つ人と目立たない人。運動部と文化部。上と下。前田涼也は自分の立場をわきまえている。そういう人間になってしまった。そして高二になって、二年ぶりにかすみと同じクラスになった。きれいになっていた。涼也はかすみに、もう何も伝えられない。

ソフトボール部の宮部実果。梨紗がクラスで目立つのもわかる。梨紗だけじゃない、いつも一緒にいる沙奈、かすみ、みんな人を惹きつける外見を持っている。私はラッキーだったなー、なんて自分で思う。だけど、あまり早い時間に、家に帰りたくない。母の声が、長い長い夜の始まる合図。胸がかき乱される。私の名前は「カオリ」じゃない。

野球部をサボりがちな菊池宏樹。確かにここは進学校だけど、できれば東京のそこそこの私立大学に行って毎日楽しく騒ぎたい。なんにも成し遂げられなくたって別にいい。俺はうまくやっているのだから。お洒落で目立つ友達に囲まれて、運動も全部それなりにできちゃうし、彼女だってそれなりにかわいい。でもなんだかイライラする。

お洒落で目立つグループにいれば「上」で、それ以外は「下」というふうに、暗黙の了解で各自が住み別けている、そんなクラスの雰囲気が気持ち悪いぐらいリアルだ。それは高校生だけではなく、小学校でも中学でもあった。当時の自分は菊池宏樹のような立ち位置にいて、しかもそうとうな呑気者だったので、卒業後の苦労はもう。さくっと読めて、共感できる。そんな一冊。

朝井

朝井リョウさんのサイン。

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その他の作家
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    2011

01.26

「みんなのふこう」若竹七海

みんなのふこう (文芸)みんなのふこう (文芸)
(2010/11/11)
若竹七海

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神奈川県の辺境、葉崎市。この田舎町で毎週土曜夜に放送される葉崎FM〈町井瞳子のライトハウスキーパー〉。この番組の人気コーナーである「みんなの不幸」に届く投書。そこにラジオネーム・《ココロちゃんのペンペン草》から届けられる不幸話が大きな反響を呼び、ココロちゃんは「みんなの不幸」のスターになる。

なぜスターかといえば、これが驚くほどの不幸続き。本人もそうとうなオッチョコチョイであれるうえに、父は不明、母親には捨てられる。キノコや貝で中毒。バイトはクビになる。ハーブを世話する約束で農家の物置を貸してくれたと思ったら大麻栽培の手伝いで、新しく清掃会社で働き出したら掃除中の家が崩れる、しまいには保険金目当てに何度も殺されかけて。

疫病神がついていると噂されながら、いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃん。FMラジオに届いく、ペンペン草ちゃんの投稿によるココロちゃんの不幸話の近況。視点が変わり、番組アシスタントのサイトー、葉崎医大の病棟だより、葉崎警察署の駒持警部補による事情聴取と続き、作家・角田港大のエッセイ…。

健気だけど不器用で、真っ直ぐ進んでいると必ず不幸にぶち当たる。そんな不幸を、不幸と思わない天然素材のココロちゃんが関わる数々の事件。他人の不幸は蜜の味、というが、とにかくこのココロちゃんの話は悲惨である。悲惨だが、とりあえずおかしい。本人はそれなりに困っているのだが、伝わってくる感じがどことなくぼけていて、なおおかしい。キャラ読みするなら、これほど惹かれる素材はない。そんな一冊。

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若竹七海
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    2011

01.23

「田舎の紳士服店のモデルの妻」宮下奈都

田舎の紳士服店のモデルの妻田舎の紳士服店のモデルの妻
(2010/11)
宮下 奈都

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竜胆達郎は結婚して四年になる、梨々子の夫だ。名前も顔も中身も四年前と同じはずなのに、何かがすっかり変わってしまった。会社を辞めて田舎に帰るという夫の言葉は、冗談ほどにしか受け取ることができなかった。無理にでも聞き流してしまいかたかった。翌週、達郎がうつだと診断されて帰ってきたとき、裏切られたような気持ちになってしまった。一方で自分のほうが裏切っていたんじゃないかという恐れが、思いのほか強くのしかかってきて狼狽した。田舎へ帰ろう。達郎の提案を、梨々子は飲んだ。

達郎は実家から少し離れたところにマンションを借りてくれた。梨々子は電話で呼ばれるか、週末には家族で養父母の家に行く。養父母と義兄夫婦と一緒に夕食を囲む。梨々子の務めはそれだけだ。和やかというよりはただ静かな食事の間、場を明るくしてくれるのは長男の潤と次男の歩人だ。彼らがいなかったら、梨々子はたったそれだけの毎週の行事にも耐えられなかっただろう。実家との距離感、ご近所付き合い、子育て、夫の鬱。このまま年を取っていくのかしらと迷う彼女はかつてのアイドルと隠れて会うようになり……。

デビュー作「スコーレ」がすごく良くて、それ以来読み続けている作家だ。しかし残念ながら「スコーレ」超えは未だない。なんか、ふつう。この域を出ない作品が続いているように思う。痛い話をそのままで終わらせない読ませ方は認めるけれど、デビュー作は読んでいてドキドキしたし、わくわくしたし、読後の余韻も最高に残ったものだ。しかし本作を含めた既刊は読んでいてわくわくしない。共感はあっても、読後に、読んだぞ、とう強烈なインパクトが残ってこない。未来像を想像する楽しみはあるが。

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宮下奈都
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    2011

01.18

「グラツィオーソ」山口なお美

グラツィオーソグラツィオーソ
(2010/04)
山口 なお美

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主人公は、高校二年生になるフルート奏者の柴崎彩音。進学校である修南高校吹奏楽部は、県大会さえ突破できないような、弱小吹奏楽部だった。水嶋日名子先生が赴任して来るまでは。吹奏楽部員は現在十七名しかいない。三年生が引退したあと、二年部員の大半が部活に姿を見せなくなった。進学校らしからぬ顧問の日名子先生の厳しさゆえだった。

入部希望者がいるのだろうとは思っていた。そして予想どおり入部希望者はいた。けれどその人数は、自分の思い描いていた数を遥に超えていた。県内で一番普門館に近い高校。吹奏楽をやっている県内の中学生ならみんな知っている、それくらいネットの掲示板で有名になっていたらしい。そして、新入生歓迎会の演奏を聴いて、未経験者までも入部してきた。

主人公の彩音の親友は、サックス吹きの遥奈と、トランペットのミカりん。新しく部長になったホルン吹きの柏木先輩と、副部長で秀才然としたクラリネット奏者の土屋先輩。初心者のコントラバス神崎くん。幼馴染でありながら疎遠になったパーカッションの那津。そして今も以前と変わらない交流がある幼馴染でサッカー部の健太。

幼馴染による微妙な距離感ある三角関係。1rdの座を後輩に譲ることを許せない先輩のプライド。難所と言っていい箇所で音を出さない部員。受験生だから退部させろと怒鳴りこんでくる教育熱心な母親。知る人ぞ知る業界有名人の日名子先生の謎。そして吹奏楽の甲子園とうたわれている普門館への道のりは開かれるのか――。

心理描写が細かなところまで行きとどろいていると思う一方で、全体的に見れば大雑把。同じようなところで日名子先生の優秀さがこちらに伝わってこない。また、楽器の上達ぶりやチームとしての纏まりなど、読ませるはずの部分がななく、それに一番大事な部分が迫力不足。文章から音楽が聞こえてこないのだ。最近はやりのジャンルなだけに、他作品と比べてマイナス要素ばかりが目についてしまった。

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    2011

01.13

「家元探偵マスノくん 県立桜花高校★ぼっち部」笹生陽子

家元探偵マスノくん 県立桜花高校★ぼっち部 (TEENS' ENTERTAINMENT)家元探偵マスノくん 県立桜花高校★ぼっち部 (TEENS' ENTERTAINMENT)
(2010/11/02)
笹生 陽子

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倉沢チナツは、スクールライフがちっとも楽しくなかった。あろうことか、新入生の最優先課題といえる、初顔合わせのクラスメートとの関係作りにつまずいた。入学式があった日の夜に寝込み、ようやく具合がよくなって、ふたたび通学しはじめた時、クラス内のグループ分けはすでに完了していた。以来、手をこまねいているうちに「一人でいるのが好きな人」みたいになってしまった。そんな矢先、そよ風のごとく舞いこんだのはマスノくんからのお誘いだった。誘いを受けて校舎の地下を訪ねたら、謎の組織にふさわしい出迎え方をされた。

第二演劇部の一人部長で、プロの女優を目指している孤高の西園寺さん。覇王丸豹牙という魔剣の現身だという、妄想世界に生きる戦士部の田尻くん。恥ずかしがり屋で姿を見せない、ネットごしの参加者スカイプさん。そして、次期華道家元で、探偵部のマスノくん。戦士と女優と探偵は、それぞれの趣味をいかした非公認サークルの一人部長をつとめていて、そこを正式な部にするための支援団体的な組織を作って活動しているらしい。そこに加わった倉沢チナツは、おもにおやつ要員として部屋に出入りすることになった。

他人となかなかうまくやれない人。友達が少ない人を歓迎。コミュニティ理念は、孤独に負けない強い心。コミュニティ規約は、飲まない、吸わない、歌わない、必要以上に絡まない。NGワードは、一致団結、和気あいあい。サークルネームは、TEAM☆BOTCHに決まった。偽造トレカの入手経路を突き止めろ。学園王子の遺失物を捜索せよ。スナイプさん自作のサウンドノベルゲームを攻略しよう。地獄道と呼ばれたプチ・ミステリースポットの由来とは。トレカ偽造犯と犯罪ブログ一派との関係性、そしてスカイプさんの正体。

日常の謎解きのようでいて、ミステリ要素はまったくない。キャラも個性が強そうで、そう濃くはない。学校でイジメがあるわけでもなく、家庭に問題があるわけでもない。高校生にありがちな悩みやコンプレックスとも無縁で、最初から最後まで、まったりでほのぼの。なんか著者っぽくない。というか、読み応えがない。これはどのへんの年齢を対象にしたものなのか。面白くないことはないが、すべてが中途半端で、記憶に残るような作品ではなかった。著者のファンなだけに残念な一冊。

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笹生陽子
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    2011

01.08

「YOU!」五十嵐貴久

YOU!YOU!
(2010/10/20)
五十嵐 貴久

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小沢優、というのがあたしの名前だ。十八歳。ダンサーになりたい。そう思うきっかけになったのは、人気男性アイドルグループ・ジェッツの歌とダンスをテレビで見たことによる。ものすごいショックを受けたことは今でも忘れられない。それほど、ジェッツがあたしに与えた影響は大きかった。好きなヒップホップダンスでプロになれたらいいなという軽い気持ちで、とりあえずは英会話の予備校に通うことになった。ニューヨークへ転勤になった父を追いかけて、母もアメリカへ飛び立った。十八歳の女の子が一人暮らしをすることができるなんてなかなかないだろう。問題は、両親が忘れていた生活費だけ。

生活費を稼ぐ目的で、怪獣映画のエキストラに応募したつもりだが、何か様子がおかしいと思いながらも別のオーディションを受けて合格し、憧れのジェッツが所属しているマックス・プロモーションに入ってしまった。しかも、女人禁制という鉄の掟があるマックス・プロモーションにだ。オーディションに合格した時点で、自分は女なのだ、と言うべきだったのかもしれない。でもあたしは黙っていた。あたしが影響を受けたのがジェッツで、そのメンバーと直接会えるかもしれない可能性があり、しかも練習環境が抜群に良かったためだ。

合宿所に入ってから十日ほど経ったその日、ミーティングで驚くような話が告げられる。青山純。マックス・スーパージュニアの中でもひときわその実力と人気を誇るスターだ。その青山純は他のメンバーと共にグループを作ってデビューするはずだったけれど、飲酒運転で捕まってしまったとかで、とりあえずその話は持ち越しになった。代わりに持ち上がったのが、まったく新しいグループの結成だ。あたしたちはそのために選ばれていたのだ。確かに本気でデビューを望んでいる者にとっては大きなチャンスだ。ただ、あたしにとってそれは幸運とは言えなかった。

なんて言えばいいのか。これまでの五十嵐路線を期待して読むと肩すかしを食らうかもしれない作品だ。でも男性アイドルが好きだったり、ダンスが好きだったり、マンガやラノベが好きならば、すごく楽しいと評価される作品かもしれない。要するに若い子向けの作品か。とにかくスポコンで熱血。性別詐称による心の葛藤などもほとんどない。ジャニーズが好きとか、そのあたりにミーハー的な興味ある人なら楽しめる一冊かも。軽~く読めて、面白かったですよ。

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五十嵐貴久
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    2011

01.04

「木暮荘物語」三浦しをん

木暮荘物語木暮荘物語
(2010/10/29)
三浦しをん

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小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった……。

昔の彼といまの彼とのあいだで、にわかに三角関係を形成することになるフラワーショップで働く坂田繭「シンプリーヘブン」。老いらくのセックス願望を抱くことになり、日々悶々とする大屋の小暮「心身」。駅ホームの柱に奇妙な突起があることに気づいたことをきっかけに、同じ名前の犬を飼うヤクザと交流するトリマーの峰岸美禰「柱の実り」。夫のいれるコーヒーの味の変化で浮気を知るフラワーショップの女主人佐伯「黒い飲み物」。同じアパートに住む女子大生の生活を覗き見て、やきもきし続ける会社員の神崎「穴」。友だちから強引に生後一ヶ月の赤ん坊を押し付けられた女子大生の光子「ピース」。ストーカー的行為のおかげで居心地のいい当面の宿を手に入れた瀬戸並木「嘘の味」。

ありえない環境ながらそのやり取りにほのぼのしたり、男の性の痛さに笑えたり、アウトローの渋さに痺れてみたり、女の本質的な怖さにビビッたり、変質的な欲望にさもありなんと感じたり、いわゆる王道路線に顔がにやけたり、笑えたり、引いたりで、なんかいろいろ思う忙しい作品集だ。でも男女の性の話ばかりが続くあたりは若干辟易したのも事実。著者のような読書遍歴ならば許容範囲でも、一般の読者ならこれらの連続は少々きついかも。しかし、のほほんと気軽に読める、楽しいエンタメ作品集であった。

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三浦しをん
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