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    2011

04.30

「モルフェウスの領域」海堂尊

モルフェウスの領域モルフェウスの領域
(2010/12/16)
海堂 尊

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未来医学探求センター一階。日比野涼子は職場をモルフェウスの不夜城と呼ぶ。どう呼ぼうが自由なのは、その職場には涼子しかいないからだ。半透明なその窓からは、銀の棺の中で眠る少年の横顔がぼんやりと見える。モルフェウス。眠りを司る神。そう名付けられた少年は、人工的に構築された眠りの中をたゆたっている。そして本当は神のはずなのに、彼はシステムの囚人だった。涼子はここでは、たったひとりの女王だ。そして今、その女王の寵愛は、アクリル越しのモルフェウスの横顔に注がれていた。

涼子の仕事。それは、東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。

「ナイチンゲールの沈黙」「医学のたまご」に関連した作品。また田口先生や、高階病院長、如月翔子と、お馴染みの人物も登場。だが、これが読みにくいったらありゃしない。コールドスリープやそこに纏わる時限立法など、地の文にやたらと説明文が多く、その世界観を理解できぬままラストまで読み進めてしまった。よってミステリとしてもエンタメとしても満足感は不十分にしか得られなかった。最近映像の方では活発だが、肝心の小説の方はパッとしない。そんな印象を持つのは自分だけでしょうか。

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海堂尊
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    2011

04.23

「せきれい荘のタマル」越谷オサム

せきれい荘のタマルせきれい荘のタマル
(2011/01/18)
越谷 オサム

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静岡から東京の大学に進学した石黒寿史は、同郷である法村珠美(のりたま)への恋心から、同じ映画研究部に入部する。しかし寿史は、やたら面倒見のいい、同サークルの先輩・田丸大介(タマル)につきまとわれ、早朝マラソンに付き合わされそうになったり、あきらかに怪しいサークルのBBQに参加させられたりと、振り回されっぱなしの日々。あげく、タマルまでがのりたまに恋心を抱き、猛攻撃を始めて―。

部費の積み立てがほとんどゼロだという人あしらいの上手い部長の三輪からはタマルとのパイプを強化しろと指示され、タマルの猪突猛進型のアプローチに辟易している珠美からは逆キューピットを演じてくれと依頼され、面接に行ったバイト先さえもタマルのせいで採用されず。主人公は石黒寿史。その身近には嵐を呼ぶタマル。タマルは、アパートの部屋が隣室で、しかもサークルの先輩で。さらに恋敵で。

タマルは、無自覚なすっごい困ったちゃん。で、超ウルトラおせっかい男。でも変な行動力はあるくせに、常に全力で無警戒。危なっかしくて見てられない。そしてその破壊力はすさまじい。こういう自由を許されている人ってたまにいる。主人公の寿史にとって、タマルは、鬼門であり、門開きのような存在だ。付き合いが濃厚なら、はきり言えば面倒臭い。でも何故かしら憎めない相手でもある。

なにはともあれ、タマルの行動から目が離せない。何をしでかしてくれて、そこにどんな理由があって、その結果どうなって。読み終えて思うことはひとつ。ああ、タマルだなぁ。タマル、タマルの、キャラの濃い一冊だった。しかし、こういう周囲にあかりを振りまく人って、自分とは対極な人なのですごく羨ましい。タマルになりたいとは思わないが、近づくことなく離れず、そっと観察していたい。続編を希望。

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越谷オサム
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    2011

04.16

「海に沈んだ町」三崎亜記

海に沈んだ町海に沈んだ町
(2011/01)
三崎 亜記、白石 ちえこ 他

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住民に遊園地の記憶を夢見させるかつて遊園地だった街(「遊園地の幽霊」)、海の下に失くしてしまった生まれ故郷に行ってみる(「海に沈んだ町」)、かつては夢の未来生活だった海をいく団地船も荒廃し(「団地船」)、五年前からずっと午前四時八分で時間の止まった町(「四時八分」)、見知らぬ男性の影と自分の影が入れ替わってしまった(「彼の影」)、パートナーを組めば互いの欠点を補い合えるもの(「ペア」)、市の財政難のため、今ある頑丈な橋を経済基盤に合った粗末な木橋に架け替えると、市役所から委託を受けた女性が訪ねてくる(「橋」)、一年前から巣箱が異常発生した町(「巣箱」)、生態保護という概念で監視されているこの国の最後のニュータウン(「ニュータウン」)。

著者らしい独特な世界観ばかりを集めた短編集だ。そこに明確な説明はない。だがその異質で風変わりな設定にも関わらず、その情景がふわりと目に浮かんでくるからこれが不思議だ。しかもそこで生きている人たちに違和感がなく、その人物たちの考えていることすべてが自然体だ。だからすごく同調しやすい。現実ではありえない世界なのにだ。海に沈んだ町ってどうなってるの。迷路化した団地って探検の甲斐があるよね。時間が止まった中で生き続けるってどういうことなの。巧みに読者の興味を煽りつつ、そこに住む人たちを別視点でつかず離れずそっと見ている。その距離感がすばらしい。

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三崎亜記
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    2011

04.01

「メロディ・フェア」宮下奈都

メロディ・フェアメロディ・フェア
(2011/01/14)
宮下 奈都

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東京の大学を卒業した結乃は、田舎に戻ってデパートの化粧品カウンターで働くつもりだった。だが、なんとか引っかかった会社から配属されたのは、町はずれのショッピングモールの中にある化粧品コーナーの一角だった。ここに勤めるまで、同じ仕事なら忙しい人気店よりもヒマなほうが楽だと思い込んでいた。得だと思っていたのだ。楽して同じ給料がもらえるならそのほうがいい。浅はかだった。ヒマってぜんぜん楽なんかじゃない。ヒマが続くと、自分が必要とされていない人間で、いてもいなくてもおなじに思えてくる。

敏腕と聞かされた先輩の馬場さんは不思議なひとだ。一見、ちょっときれいなだけの普通の美容部員に見えるのに、お客さんがとても多い。商品知識が豊富で、メイクが上手。しかし、なんというか、さっぱりしすぎている。不親切なわけではない。それでもお愛想みたいなものが欠けていて、新人の結乃を驚かせる。接客業のイメージが覆されるのだ。首を傾げたくなる。馬場さんを指名するお客さんは絶えないのに、できる限りの愛想を振りまく結乃を指名して買いに来てくれるお客さんは、まだいない。

そんなある日、いつもはすわり込んでしゃべり倒していくお客さん、浜崎さんが真剣な顔で化粧品カウンターを訪れて。家では化粧嫌いの妹とわだかまりが解けずに溝ができ、再会した幼なじみのミズキは、鉄仮面のようなメイクで世界征服を手伝ってほしいといいだして。自分らしさとはなんなのか。頭でっかちになっている主人公や脇役たちが、メイクを通して自分と向き合い、少しずつ成長してゆく女性の物語。

読む人の性別によって壁がありそう。キーワードは、お化粧。完全に女性よりだけど、仕事デビューした時の不安感や、自分への自信のなさ、これでいいのかと自問自答、そこにくる上司の評価など、聞きたい一方で、実際は聞きたくないことも。ああ、あるある、あった、と共感すること多々。最近の著作は、ぶっちゃけ楽しくなかったけれど、これは面白く読めた。つうか、著者は、若い女性を描くべき。

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宮下奈都
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