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    2008

12.10

「一分間だけ」原田マハ

一分間だけ一分間だけ
(2007/04/08)
原田 マハ

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ファッション誌『JoJo』編集部に勤続十年になる藍は、とあるきっかけでゴールデンリトリーバーのリラを飼うことにした。雑誌でワン&ニャン特集をすることになり、訪れたペットショップで明らかに成長しすぎた子犬と出会い、明日には保健所へ連れて行かれると聞いたことで、胸があふれてあふれて、もう止まらなかった。恋人で同居人のフリーコピーライターの浩介とともに、都心から郊外へ引っ越して、リラ中心の生活が始まった。

早起きをしてリラの散歩。バス停までひたすら駆け足。電車の席を獲得できるのは三回に二回。編集部に一番乗りで席についたら、ゆうべやり残した原稿のチェック、メールのチェック。ばりばり仕事をして、午前零時、終電に向けて駅へダッシュ。元気も余裕も、いまは一ミリも残っていない。だけど、ドアの向こうに、リラが待っているのがわかる。そわそわした気配が伝わってくる。「ただいま、リラ」 勢いよくリラが飛び出してくる。大きな身体を全身で受け止める。この瞬間のために、わざわざこんな遠くに引っ越したのだ。

だが、若隠居のような浩介にふがいなさも感じてしまい、違う男に惹かれはじめたり、仕事が上手くいかない苛立ちを、リラに八つ当たりしてしまう。自由になりたい。もっと思う存分仕事をしたかった。恋もしたかった。おしゃれもしたかった。別れよう、と切り出したのは藍のほうだが、結果的にそれを望んでいたのは浩介のほうだった。

浩介が去り、残されたリラとの生活にも苦痛を感じ始めたころ、リラの容態が急変した。診察をしてもらうと、リラの全身に癌が転移していると告知を受ける。そして、リラにも自分にも、後悔のないように、いまを生きるリラと闘病生活をはじめることになる。愛犬との出会いと別れを通じて本当に大切なものに気づくまでを描いた、涙なしでは読めない感動の物語。

いやー、泣いた、泣いた。ぼろぼろに泣いた。まず冒頭で泣き、リラとの出会いで泣き、リラの癌発見からはずっと泣きっぱなしだった。だけど、リラとの闘病生活をはじめるまでの主人公に、動物を飼うということに覚悟をもってくれと言いたい。生き物を飼うということは、その子の命の責任を預かるということだから。

リラがいると仕事にならない。郊外からの通勤が大変。だから、リラが疎ましいとか、いなくなってしまえばいいとか、そうすれば仕方ないとあきらめられる、自由になれる、楽になれる、などという無責任で自分本位なだけの考えにイライラが募った。まあ、その大事なものに気づくまでのお話なんだけど。

それにしても、終盤は気持ちのよい人のオンパレードでした。リラとやっと家族になった藍をはじめ、獣医の宮崎先生、タクシー運転手の斉藤さん、後輩の奈津美、本当の意味で人物を知る北條編集長、そして、浩介と。こういうご都合なら大歓迎。それにやはり、リラの存在がなんといっても大きい。そこにリラがいると思わせるような著者の文章力がすごいのだ。その一例を本分から引用して、終わりにしたい。

ほんの少しまえを行くあの子が、ときどき私を振り返る。
ちゃんといっしょにあるいてるよね? そう確認するように。
うん、一緒に歩いてるよ。 私は目でそう答える。
ああ、よかった。 そう言うように、あの子はまた
ときどき立ち止まりながらゆっくり進んで行くんです。
いつもと変わらない、いつもの散歩道。
《本文より》

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原田マハ
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comments

本を読んで泣くことがあまりないのですが
これは涙が止まりませんでした。
しんちゃんが抜き出してる部分はもう…
今でも泣けそう。

なな:2008/12/11(木) 19:15 | URL | [編集]

ななさん
これはツンときまくりでしたね。
特にリラの描写が涙を誘いました。
何気ない仕草からして泣けて泣けて。

しんちゃん:2008/12/12(金) 18:15 | URL | [編集]

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「一分間だけ」原田マハ


一分間だけ 原田 マハ 雑誌編集者をする26歳の藍は日々超多忙な生活を送っている。飼い犬のリラのために郊外に引越し、早起きをして散歩、帰りは毎日終電で帰る。6年間付き合っている浩介と一緒にリラの面倒を見ているが、リラの面倒は家でコピーライターの仕事を

2008/12/11(木) 19:14 | ナナメモ

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