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    2008

12.12

「ジョーカー・ゲーム」柳広司

ジョーカー・ゲームジョーカー・ゲーム
(2008/08/29)
柳 広司

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結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「スパイとは“見えない存在”であること」「殺人及び自死は最悪の選択肢」。これが、結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」―結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。《本の帯より》本作品は「2009年版このミステリがすごい!」二位作品。

「ジョーカー・ゲーム」
ジョン・ゴードンは、三年前、日本の大手貿易会社の招きで来日。以来、すっかり日本文化の虜となり、日本に腰を落ち着けた。そのゴードンに、突然スパイ容疑が浮かんだ。よりにもよって、陸軍が使用している暗号表を密かに盗み撮ったという。ゴードンの傍らを通り過ぎ、日本家屋に足を踏み入れてから、佐久間はふと、奇妙な違和感を覚えて足を止めた。悪名高き憲兵隊に踏み込まれたというのに、ゴードンは困惑したふりをしているが、その青い目に浮かんだ笑みは依然として消えていなかった。

「幽霊 ゴースト」
蒲生次郎が英国総領事公邸に通うようになって、ちょうど一週間になる。テーラー寺島の店員として洋服を届けに来たのが、先週の日曜。その時公邸にいて暇を持て余していた総領事アーネスト・グラハム氏からチェスのお相手をおおせつかった。以来、グラハム氏は蒲生を呼び寄せてチェスのお相手をさせている。英国総領事アーネスト・グラハム氏が、爆弾テロ計画と関係があるのか否か、容疑を確定しろ。それが依頼内容だ。今回の任務において、蒲生は標的の前に姿を晒し、直接調査を行うことになった。

「ロビンソン」
ロンドンで、目も当てられない失敗が演じられた。伊沢和男が謎の男たちに連れていかれた部屋は、まるで警察の取調室のような狭い部屋だった。日本陸軍のスパイだということがばれた。最近ロンドン駐在になったばかりの新米外交官が、英国のセックス・スパイにあっさりと搦め捕られ、極秘情報を喋っていた。尋問する男はハワード・マークス中佐。英国諜報機関に籍を置くスパイの元締めの一人だ。いずれにしても、正体が知れたことで伊沢は逆に腹が据わった。スパイ対スパイの駆け引きが始まる。

「魔都」
上海に派遣されて三ヶ月、本間英司憲兵軍曹は極秘任務を任命された。上海派遣憲兵隊の中に敵の内通者がいる。それが誰なのかを調べ出せ。及川大尉は冷ややかな声でそう命じた。前任の伍長は何者かに銃撃され、死体で発見されていた。その時だった。ズシンという轟音と共に足元が揺れた。現場は川向いの共同疎開。爆弾で爆破されたのは及川の住居であった。その翌日、本間は新聞記者の訪問を受け、陸軍内部でD機関と呼ばれる秘密組織に属している友人を見かけたという情報を知る。

「XX ダブル・エックス」
死んだのは、ドイツ人カール・シュナイダー。表向きはドイツの有名新聞の海外特派員記者ということになっているが、同時に彼はナチスとソヴィエト共産党のために働く二重スパイだった。その二重スパイだという確実な証拠を押さえ、かつ彼が日本で組織した連絡員、及び協力者を洗い出すことが必要である。飛崎弘行はD機関の卒業試験として調査を命じられた。だが、身柄を押さえる前に標的に死なれた。それは、D機関に籍を置く者には、あってはならない失態であった。


本書は「魔王」と称される結城中佐の存在がすべてだろう。また、D機関という特異な作品世界ゆえに成立するミステリになっている。結城中佐によって鍛え上げられた若いスパイたち。彼らは徹底して指導されたスパイたるものを持って、着実に任務を遂行していく。その彼らの影には、必ずと言っていいほど結城中佐の影がある。それらは短編となって、コンパクトに一話がまとめられているので文章もとても読みやすい。ただ、スパイの心得が重複する部分が多々あって、そこが若干うるさいように思った。ミステリとしての完成度も優れ、ドキドキを楽しめるエンタメ要素も非常に高い。だけど、少年マンガっぽいところが微妙に乗れなかった。これは作品がどうこうではなくて、自分の年齢が関係あるように思う。ヒーローもの?を手放しで絶賛するには、少々、年を食いすぎたのかも。続編が出版されれば読むだろうけど……。

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comments

こんばんは。
かっこよすぎましたか。
私は結構うっとり…でしたが(笑)まだ若い証拠?←ずーずーしいか。

続編「野生時代」に掲載されてたので、集まったら出るのかな?
マンガってのはアリかもしれません。

ちきちき:2008/12/15(月) 21:44 | URL | [編集]

なるほど登場人物たちに少しでも愛嬌のようなものがあったら、感情移入したかも。
続編も掲載されたみたいだし、今後どのような方向に持っていくのか注目しています。

リベ:2008/12/16(火) 17:51 | URL | [編集]

ちきちきさん
どうも隙がなさすぎて、かっこよすぎて、完璧なスタイリッシュがどうも…。
ずーずーしくないじゃん。乙女のちきちきさんは十分に若い。
おっ、連載が始まってるんだ。なら続編は一年後ぐらいかな。

しんちゃん:2008/12/16(火) 20:06 | URL | [編集]

りべさん
「魔都」の少しドンな遣憲ぐらいが自分には丁度良かったです。
どうせ上手くいくと先がわかり切ってるのはねぇ。
こんな風に思うのは捻くれ者だからでしょうか。

しんちゃん:2008/12/16(火) 20:11 | URL | [編集]

早速遊びにきました♪
私はこの本すっごい好きでした。結城中佐に萌え~(笑)
私はこういう非人間的というかありえないくらいなんでも出来ちゃう人のお話って結構好きなのかも?(以前そういう漫画を読んで好みだったのです。)
サクサク読めすぎてしまってちょっと物足りなさも感じちゃいましたが、続編に期待したいと思います。(^^ゞ

他にもいくつかTBしていきま~す♪

板栗香:2009/02/19(木) 20:35 | URL | [編集]

板栗香さん
若い頃はこういうハリウッドの超大作的なのも好きでした。
でも、歳を重ねることで、気がつけばスレていました。
だから人気作でも味気なくって・・・。

しんちゃん:2009/02/20(金) 18:15 | URL | [編集]

確かに、もう少し葛藤とか孤独への恐怖なども欲しかった感も少し。続編があるのなら、結城の若い頃や、彼が今に至るまでに辿ったものを見てみたいです。

たまねぎ:2009/04/01(水) 22:00 | URL | [編集]

たまねぎさん
スレた読者だから綺麗すぎる展開が物足りなかったです。
たまねぎさんの言うような揺さぶりがあったなら感想は変わったかも。

しんちゃん:2009/04/02(木) 18:34 | URL | [編集]

私はトーキョープリズンの方がよかったかな。これはこれで楽しめたけど。

しんごりん:2009/04/21(火) 18:57 | URL | [編集]

しんごりんさん
「トーキョープリズン」読んでいないので、コメントの返しようがありません^^;
デビュー作の「坊ちゃん」は面白かったです。

しんちゃん:2009/04/22(水) 20:18 | URL | [編集]

ぼくも、巷で言われるほど、本書は感心しませんでした。
格好良さは認めますが、なんか薄い・・

すの:2009/07/15(水) 06:58 | URL | [編集]

すのさん
確かにスタイリッシュで格好良かったです。
でもそれだけのように思いました。

しんちゃん:2009/07/15(水) 17:27 | URL | [編集]

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