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    2008

12.26

「パラレル」長嶋有

パラレル (文春文庫)パラレル (文春文庫)
(2007/06)
長嶋 有

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妻の浮気が先か、それとも僕の失職が原因か?ともあれ僕は、会社を辞め離婚した。顔面至上主義のプレイボーイ津田と、別れてもなお連絡が来る元妻、そして新しい恋人…。錯綜する人間関係と、男と女の行き違いを絶妙な距離感で描く長嶋有初の長篇。斬新な構成と思わず書きとめたくなる名言満載の野心作。《背表紙より》

主人公はゲームデザイナーの僕こと七郎。今年の正月明けに離婚届を出したが、今なお元妻は電話やメールをしてくる。人には元妻といえるのに、自分の意識のうちでは妻のままだ。未練や執着ではないつもりだが、次の恋愛がはじまらないと呼称も更新されない感じがしている。友人の津田はなんだか彼女のことを気にしている。狙っているというのと違って、興味深いという感じ。特に僕との不和を知ってから興味が増したようだ。

なべてこの世はラブとジョブ、それが津田の座右の銘だ。津田は女を口説くときに予算をきる。五十万から、多いときは百万円。津田が社長だからだ。実際には百万円も使うことなくオトしてしまう。オトしたという報告も、律儀になされる。どこまでいけばオトしたことになるのか。とりあえずは、挿入だよ。ふにゃふにゃと津田はいった。

さて、似ていない男二人がメインの「パラレル」だが、場面が次々と飛ぶ。現在の話から、ふっとその日の日中に場面が変わり、また今いる場面に戻ってくる。それだけでなく、離婚前後や大学時代にまで戻ったりもする。時系列の展開がパラレルになっているのだ。また登場する女性たちもパラレルである。キャバ嬢のサオリ、ゲーマーの女、唇の赤い女、そして、前奥と。

彼女たち女性陣と付き合う(振り回される)男二人が、どうにも情けなく、また切ない。だけど可笑しくて、憎めないヤツらである。そして危ないくらいに気持ちがいい。女性からするとブーブー文句がでそうだけれど、男が読むとすげえわかる。また、自分が彼らと世代が近いから尚更なのだ。F1ではセナよりマンセルだけど、セナの死にずたぼろになったり、マニュアル男になってみたりと、ぐっと共感できる部分が多々あった。

これまでに読んだ長嶋作品の中で、一番好きかもしれない。どうってことのない日々だけど、大変善良な主人公のはずが女に飢えていたり、新しく彼女が出来たり、相方もまた少し考え方がずれていったりと、変わらないと思う日常にも少しは変化がある。人と繋がっていることで逃げ口を確保し、醒めた人ほど繋がりに飢えている。そして人のストレートな感情がしっくりと伝わってくる。等身大の女性を描いた作品は多いけれど、男性を描いた作品は極端に少ない。だから、こういう作品が増えるといいな~、と思った。好し好し。

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長嶋有
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comments

しんちゃんさん、お久しぶりです!
長嶋有は私の好きな作家の一人です。現時点で一番好きな作品は『ジャージの二人』なのですが、『パラレル』もいいですよね♪
長嶋作品にはちょっとオタクなネタが散りばめられているのが楽しかったりします。
それに女性から見ても長嶋さんは女性を描くのが上手い!と思います^^

みらくる:2009/01/28(水) 18:45 | URL | [編集]

みらくるさん、こんばんは。
長嶋さんの目線って独特ですよね。
同じものを見ても、まるで違うもののように思えます。
残念ながら、長嶋さんを読んでいる方が少ないです。
もっとメジャーになってもいいのにねえ。

しんちゃん:2009/01/28(水) 20:10 | URL | [編集]

はじめまして。長嶋有が好きで、書評を書いている方がいないか探していてたどり着きました。「パラレル」は私も一番好きな作品です。よかったら遊びに来てください。

utoka:2009/06/09(火) 19:55 | URL | [編集]

utokaさん、はじめまして。
「パラレル」が一番好きとは気が合いますね。
了解しました。後ほど伺わせてもらいます。
ではでは。

しんちゃん:2009/06/11(木) 17:42 | URL | [編集]

しんちゃんさん、こんばんは^^
>男が読むとすげえわかる。また、自分が彼らと世代が近いから尚更なのだ。
 うふふ☆ そうなんですね~^^
女性が相手に浮気されたりして凹むって本は多いけれど、逆パターンの、しかも男性の心理を描いた男性の本って、なかなか無いので、凄く興味深く新鮮に読みました♪

>F1ではセナよりマンセルだけど、セナの死にずたぼろになったり、マニュアル男になってみたりと、ぐっと共感できる部分が多々あった。
  そうなんですか~!私はF1とかゲームに疎いので、もし知っていたら、もっと楽しめたのにな・・・と思いました。

>これまでに読んだ長嶋作品の中で、一番好きかも
私はジャージの二人のあと、これを読みました。次は芥川賞受賞作を読んでみまーす

latifa:2009/07/04(土) 17:30 | URL | [編集]

latifaさん、こんばんは。
等身大の女性って多いけど、等身大の男性ってぜんぜんないよね。
まあ確かに油ぎったおっさんを読んでも面白くないけど、 男も結構あたふたしてるわけで、そういうのをさらっと書いたイイ作品だったと思います。
セナって女性人気がすごくて、嫉妬もあって渋いマンセルを応援したのです。でも口には出さないけど、セナのすごさは認めてる。複雑な男心に共感ですよ(笑)

しんちゃん:2009/07/04(土) 18:44 | URL | [編集]

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パラレル/長嶋有


パラレル (文春文庫 な 47-3)(2007/06)長嶋 有商品詳細を見る これも大好きな長嶋有の小説『パラレル』。同じように主人公が妻に浮気をされてしま...

2009/01/28(水) 18:33 | 読書メモ。

「ジャージの二人」 「パラレル」長嶋有


図書館に行ったら「借りて行ってください」とでも主張するように目の前に本があったので、つい手に取ってしまいました。

2009/07/04(土) 17:07 | ポコアポコヤ

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