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    2009

01.04

「枯葉色グッドバイ」樋口有介

枯葉色グッドバイ (文春文庫)枯葉色グッドバイ (文春文庫)
(2006/10)
樋口 有介

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大田区の羽田にあるマンションで親子三人が惨殺されてから半年、事件は膠着状態になり、捜査員はたったの十三人に減らされていた。被害者である坂下吉成は四十二歳、妻雅代は三十六歳、次女のいずみは今年中学生になったばかりの十二歳。両親は共に刺殺され、少女は絞殺のあと暴行されていた。もうひとり美亜という娘がいるが、この十六歳の長女は事件当夜外泊していて災難をまぬがれた。

美亜は事件のあった夜半から、男のアパートに泊まっていた。その事実はアパートの借主である加世田優也、そのガールフレンドだという幹江も証言した。美亜は高校二年生、高校への出席率は悪く、外泊も頻繁だったという。その美亜の友人、幹江が遺体となって、代々木小公園傍の植え込みで発見された。幹江の事件が直接羽田の一家殺しに結びつくとは限らないが、雲間に射した光であることには違わない。吹石夕子巡査部長は現場へと向かう。

その現場保存域の傍で、生き残った遺族の美亜とホームレスが何やらモメていた。それは夕子が警察学校当時、逮捕術の教官として指導を受けた捜査一課の刑事で、柔剣道の有段者であるだけでなく、捜査員としても有能と評判の男。椎葉明郎は人生のすべてを捨てて、ホームレスになっていた。吹石夕子は椎葉を日当二千円で雇い、女刑事とホームレスの助手は、あらためて一家惨殺事件の捜査に乗り出す。そして美亜もまた、一日も早く犯人を逮捕してほしいという願いから、椎葉を探偵として雇うことに。

樋口作品の特徴とは、主人公がモテること。それがホームレスであっても、モテる。夕子は強引で生意気で向こう見ずな暴走女。美亜は仕草も横顔もかたくなな生意気娘。しかし、二人は、美女であり、美少女である。このいい女ふたりが椎葉に惹かれていく。男としては、なんとも羨ましい限りだ。だが、本書を読めば、それも納得するだろう。ホームレスといっても、元刑事の椎葉はカッコよすぎるのだ。風体や臭いはホームレスそのものだが、とにかくハードボイルドの人だ。

この椎葉という男は、軽口、へらず口、すかし口、脅し口と、おもいっきりキザな人物だ。しかし、嫌らしさはまったくなく、夕子や美亜とのやり取りが軽妙で、悪口の応酬にもユーモアがあって、似たような主人公、似たような設定であっても、まったく飽きがくることがない。むしろ読者に安心感を与え、これを待っていましたという読者の期待を満足させてくれるのだ。

そして本書はベージ数もたっぷりで、いつもは読者の想像に委ねるようなラストも、今回は最後まで書ききっている。少し重苦しい真相、やりきれなさを、さらりと払拭しているのだ。だから、読後の余韻も清々しく、面白さに満足して、パタンと本を閉じることができた。でも、いつものぐずぐずしないあっさり風味も好きだけど。なんにしろ、樋口有介作品にハズレなし。お薦め。

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樋口有介
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comments

しんちゃん…あけましておめでとーございます。
すっかりごぶさたです(汗)。
相変わらずバリバリ読んでらっしゃるようでスゴイ。
今年も早速「読みたい本」を見つけさせていただきました。
樋口さんは未読です…予約しました♪
今年もヨロシク。

ユミ:2009/01/05(月) 23:25 | URL | [編集]

ユミさん、新年おめでとうございます。
ほんとごぶさたでしたね^^;
樋口有介さんはいいっすよ~。
嵌っちゃって、バリバリ追いかけているところです。
本年もよろしくお願いしま~す。

しんちゃん:2009/01/06(火) 21:45 | URL | [編集]

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枯葉色グッドバイ


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2012/04/28(土) 10:41 | 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

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