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    2009

01.07

「その角を曲がれば」濱野京子

その角を曲がればその角を曲がれば
(2007/02/15)
濱野 京子

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美香の言葉が引っかかる。杏らしくない? 私らしいって何だろう。可もなく不可もなく、目立たず騒がず。この立ち居地はけっこう気楽で居心地がいい。美香と樹里とは、三年で同じクラスになった。一年の時、部活が同じで顔なじみになったため、なんとなく毎日一緒にいる。あまり深く考えずにバドミントン部に入った。けれど今ひとつ気持ちが動かず、秋の新人戦の少し前にやめた。美香も途中退部組だった。樹里だけはただ続けただけでなく、エースに成長して、ダブルスでは県大会でベストエイトまで進んだ。

樹里はちょっと幼い感じの美香を見て、つい世話をやきたくなるようだ。樹里にとっては美香がいちばん大事な友だちで、たぶん、私のことは少しばかり煙たいのだろう。でも、実際には帰宅部同士の美香と私のほうが、ともに過ごす時間は長かった。なんとなく一人になりたい時、図書室はかっこうの隠れ場所だった。ふいに声がして振り返る。声の主は、葛西真由子だった。クラスメイトだが、かなり変わった子だった。教室でも一人でいることが多い。どこか超然とした雰囲気があって、どことなく近寄りがたい印象があった。大学生とつきあっているという噂を聞いたこともある。

気がつくと、真由子を見ている自分がいた。真由子はどこの高校を受けるのだろう。美香からは、毎日のようにお嬢様学校に一緒に行こうと誘われていたが、ずっとあいまいな態度でごまかしてきた。樹里はスポーツが盛んな高校に早々と目標を絞っていた。私が漠然と考えていたのは市立のある高校だった。自由な校風と聞いていた。思い立ってその高校に見学に行くと、校門の前で見知った顔にあった。真由子だった。真由子に連れられて行ったのは、郷土クラブの部室。杏はこの風変わりな学校訪問で、この高校の受験を決めた。

本が好きな杏、甘えっ子キャラの美香、バドミントン部のエースの樹里。クラスでは仲良し3人組だけど、ときどきお互いの気落ちが読めないときがある。三者三様の思い。いろいろなことがある、15歳。女子って難しくって、めんどくさい。自分が男だからか、ついこう思ってしまう。女子グループの均衡を保つために、新しく友だちになった子と内緒で一緒に過ごしたり、それを知った一人は、あの子が悲しむと分かっていてそれを告げ口したり、それを聞いた女子は、あの人と話してほしくないと言ってしまう。

女子の世界って、こんなに閉鎖的なの? 男からすれば、すごく息苦しく思う関係だけど、しかし彼女たちはこの関係を大事にしている。少女期から、このようにちょっとしたことで気持ちが揺れるなんて、乙女心は複雑すぎる。そんな彼女たちが成長して、女性になると、男としては、益々、女心が分からなくなってしまうのだ。だけど、そんな窮屈な感じも、ひとりひとりが成長することで、相手を思いやる心の余裕を身につけていく。女子に共感はできなくとも、これはいい作品だと思った。フュージョンが良かったので読んでみたら、本書もアタリだった。今後もこの作家さんを追いかけて行きたい。そう思える読書となった。お薦め。

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濱野京子
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