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    2009

01.08

「コスモス 二番目に好きなもの」光丘真理

コスモス―二番目に好きなもの (ピュアフル文庫)コスモス―二番目に好きなもの (ピュアフル文庫)
(2007/07)
光丘 真理

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桜の花は、おまえだよ。昨日のあいつの声が、もう一度聞こえてきた。キザなやつ。それなのに、胸の奥の響き合いは、次第に高鳴っていく。いつしか不思議な幸福感に包まれていく。あいつとあたしは、同じ年の兄妹。どちらも中学三年生。去年、父と母が結婚して、この家に一緒に住むようになった。あいつは瞬。母、洋子さんの連れてきた子。あたしはみかげ。父、澤井周平の連れてきた子。

薔薇がよく似合っていたママが入院したのは、あたしが小六のとき。検診で子宮癌が見つかったときは、もう手のほどこしようがなかった。ママはわずか三ヶ月の入院で亡くなってしまった。父がママ以外の人と結婚するなんて、本当は赦せない。どんなに優しくて可愛い人だって、ママじゃない。でも、仕方ない。もう決まってしまったから。これから、この四人で暮らしていかなければならない。うまくやっていくしかない。

みかげは新しい母のことを、心の中であの人と呼んでいる。でも、赦しているような態度を無理やりとってしまう。瞬もまた、あの人と呼ぶ。愛し合ったんだから赦してやれよ、と言いつつ、でも、浮気して離婚した実父よりも、父のことを憎いと言う。お互いに、彼らを家族として認めない子どもたち。気持ち的にはわかる。いきなり親や兄妹とは割り切れないだろう。

そういう始まりだから、結構重い話なのかなと思ったが、学校生活が始まると雰囲気は一変する。美希と百合香と友達になったと思ったら、百合香の母と教頭のスキャンダルが発覚し、沈静化したと思った途端、次は担任の先生との不倫。このエロババアは何をしてるんだ、とアホらしくて失笑していたら、百合香が自殺未遂。その騒動が収束すると共に、みかげは瞬に対してキュンという感情を抱くようになる。

そして、あの人呼ばわりしていた洋子さんとも、裸の付き合いをしたことがきっかけでいい方向へと向かいだす。この女同士が一緒にお風呂に入る場面はめちゃくちゃ涙腺がやばくなった。このあたりから、みかげの心の中でママとおかあさんの折り合いが付き始め、同時に家族の幸福感を味わう。その一方で、瞬のことを思うと胸の奥のほうで切ない痛みを感じてしまう。

展開としては王道だけど、こういう分かりやすい安易は好きだ。それに四十歳目前の洋子さんがとにかくかわいい。子どもは、生まれる環境も、育つ環境も、選ぶことはできない。けれど、そこに幸福だと思える何かを見つけられる可能性はある。それは人それぞれだけど、何もかもが嫌だと心を閉ざしていると、そこにあるはずの幸福にも気づくことができない。ピュアフルらしい、素敵な作品だと思った。

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