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    2009

01.14

「第三の時効」横山秀夫

第三の時効 (集英社文庫)第三の時効 (集英社文庫)
(2006/03/17)
横山 秀夫

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F県警捜査一課の強行班捜査係が活躍するシリーズ第一弾。強行班捜査係は三つの班からなる。青鬼と揶揄される笑わない男、朽木班長率いる一斑。冷血の異名をとる公安あがり、楠見班長率いる二班。動物的勘の持ち主であり捜査官として天才の名を恣にしている、村瀬班長率いる三班。事件の解決のために、彼らの下で働く一癖も二癖もある刑事たちや、三つの班を束ねる捜査第一課長。「沈默のアリバイ」「第三の時效」「囚人のジレンマ」「密室の拔け穴」「ペルソナの微笑」「モノクロームの反轉」の六編を収録。

「沈默のアリバイ」
主犯の大熊と湯本は、パチンコ店の現金集配車を襲撃し、犯行を阻止しようとしたボディーガードをナイフで刺し殺した。状況証拠は次々と集まったが、大熊と同様、事件に直結する物証は見出せなかった。共犯者の片方が高飛びしている。湯本を叩いて吐かせる。朽木の決断は早かった。取り調べには島津を充てた。湯本が自供を始めたのは、逮捕後三十五日だった。その湯本が法定で無実を主張した。自分にはアリバイがあると。

「第三の時效」
タクシー運転手殺害事件の発生から丸々十五年が経過した。真の時効完成は七日後の午前零時だ。本間篤志を殺害後、武内利晴は台湾に渡航し七日間滞在した。捜査一課は今日を第一時効、七日後を第二時効と名付け、極秘裏に特別捜査態勢を敷いていた。十四歳のありさは自分の出生の秘密を知らない。武内はそのことに気づいている。そもそも警察はゆき絵がレイプされたことを公表していない。餌。楠見は彼女のことをそう称した。

「囚人のジレンマ」
田畑が捜査第一課長を任ぜられてから、殺しを同時に三つ背負ったのは初めてのことだった。三日に発生した主婦殺し。その二日後に起きた証券マン焼殺事件。そして、三日前に発生した調理師殺し。本部捜査一課から所轄に送り込んでいる強行犯捜査係の刑事たちは一筋縄でいかない。一斑の朽木。二班の楠見。三班の村瀬。課内の覇権を激しく競う彼らは、ともすれば田畑の指示を無視して、独断で突っ走る。だが、彼らは別格だった。

「密室の拔け穴」
本部庁舎、小会議室。班長代理の東出は、胸に苛立ちと不安を抱えて着座した。傍らに、同じ三班で同期の石神が座り、正面には、暴対課の課長と特捜班長が顔を揃えている。おそらくこの幹部捜査会議は限りなく裁判に近くなる。責任の所在をはっきりさせるためだ。いったい誰のミスで密室から犯人を取り逃してしまったのか。そのとき姿を現したのは三班の村瀬班長。脳梗塞に見舞われ、わずか二ヶ月で現場復帰を遂げるとは。

「ペルソナの微笑」
青酸カリを使ったホームレス殺人事件が起こった。F県警では、十三年前の青酸カリを使った事件は未決のままだった。子供を道具として使った犯人は捕まらなかった。矢代の胸はざわついていた。朽木班長は気づいている。阿部勇樹と同様に、矢代が昔、道具として事件に利用されたことを。偽りの笑みを見抜かれていた。笑わない男、朽木。矢代もまた、あの日から一度として笑ったことはないのだ。そこに、目撃者の似顔絵が一致した。

「モノクロームの反轉」
一家三人刺殺の一報に、捜一課長を務める田畑は、普通であれば、三班が出動し、一班は次の事件対応班として待機となるところ、一斑と三班を出動させた。初動捜査が終了したW署会議室は静まり返っていた。五十人からの人間がいるとも思えない。質問も意見もなかった。あるべき捜査報告も疎らだった。一斑と三班の人間は、部屋の中央に規制線でも引かれているかのように、左右に分かれて黙していた。


これまで読んだ横山作品の中で、面白さは本作が断トツかもしれない。描かれているのは事件だけど、その事件に関わる刑事たちにもドラマがあって、そのドラマと事件が重なることで、各作品に深みを与えている。そして個性的な三人の班長の存在も大きい。特に良かったのは、「第三の時效」「囚人のジレンマ」「ペルソナの微笑」の三編だ。個別の感想は敢えて控えるが、横山秀夫の刑事ものは、事件解決もさることながら人が面白い。それが如実に発揮された作品だと思えた。これは文句なくお薦めしたい。

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横山秀夫
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comments

3人の班長、それぞれ個性があって面白かったです。
出世欲ばかりかと思えば、人間臭さもあって、じーんとしました。
まだ横山さん作品は2作ほどしか読んでいませんが、
私もこの作品はすごく好きです★

TBさせて頂きました!

月夜:2009/01/15(木) 01:29 | URL | [編集]

このごろもっぱら受身の態勢になってしまって、ご無沙汰つづきでごめんなさい。
今年もどうぞよろしくお願いします。

横山警察小説の真骨頂、という趣でしたね。
登場人物に感情移入はできないけれど、それでものめり込まされる一冊でした。

ふらっと:2009/01/15(木) 06:32 | URL | [編集]

月夜さん
三人の班長の個性と共に、班の雰囲気の違いも面白かったですね。
自分はこれが六冊目(正確には書いていない一冊があり七冊目)です。
これまでで一番かな~、と思いました。

しんちゃん:2009/01/15(木) 22:48 | URL | [編集]

ふらっとさん
自分も忙しさがあり、受身になりつつあります。
たまにの訪問で、今後も連打になるかも。

そんな自分だけど、今後もよろしく。

しんちゃん:2009/01/15(木) 22:52 | URL | [編集]

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-:2010/03/05(金) 04:07 | | [編集]

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☆☆☆・・    6篇の中篇から成る。 ・沈黙のアリバイ ・第三の時効 ・囚人のジレンマ ・密室の抜け穴 ・ペルソナの微笑 ・モノク...

2009/01/15(木) 06:33 | +++ こんな一冊 +++

◎◎「第三の時効」 横山秀夫 光文社 1700円 2003/2


 これまで『動機』に代表される横山秀夫の短編集を読んでも、そこそこ面白くは感じるがそこまで感動しなかった評者なのだが、本書『第三の時効』の構成、人物描写、切れ、その他どれをとっても一級品の娯楽性を備えている。6つの短編のうち「沈黙のアリバイ」「第三の時...

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