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    2009

01.17

「ぼくと、ぼくらの夏」樋口有介

ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)
(2007/05)
樋口 有介

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高校二年生の戸川春一は、調布署の刑事である父親と二人暮らし。夏休みのある朝、その父から、クラスメイトの女の子が自殺したという話を聞く。岩沢訓子のことを考えようとしたが、たいした印象をもっていないことに、すぐに気づいた。顔立ちはよかったがとにかく目立たない子で、勉強でも運動でも、クラスではすべてがその他だった。あの岩沢訓子が、自殺。橋の上から多摩川にとびおりたらしい。遺書があったというから、まず間違いないそうだ。

偶然街で酒井麻子と出会った。この春から同じクラスになったとはいえ、まだ一度も口をきいていなかった。ただばったり会って、知らん顔をして通り過ぎるのもへんだろう。何気なく訓子が死んだことを告げると、麻子がこれほど驚くとは思ってもいなかった。麻子と訓子は、家も近く、小学校から一緒だったという。それにうちへ遊びに来たのはあの子だけ。麻子の父親がヤクザというのも気にしなかったという。だから、友達と言えたのは、訓子だけだったという。

訓子は妊娠していた。それも四ヶ月だった。遺書と一緒に靴が脱いであった。自殺の作法らしいが、今の感覚で、靴を脱ぐかどうか。遺書の内容は「お父さん、お母さん、ごめんなさい」それだけだった。ばかな女子高生が悪い男に遊ばれて、おまけに妊娠までさせられて捨てられた。悩んだあげく、誰にも相談できずに多摩川に身を投げた。なんとなく、おかしい。春一と麻子は、ホームズとワトソンになり、同級生の死の謎を追う。サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。

樋口作品を読むこと十四冊目にして、やっとデビュー作を手に取った。普通なら、本書の若さを指摘して、どこそこが甘かったとか、その後の作品と比べてしまうのだが、変わってないないなぁ、というのが逆に嬉しかった。主人公がモテて、ヒロインがいい女であることも、作風もそのまま。人物のかるみも、かわいらしさも、艶っぽさも、ニヒルでユーモアがあるところも、人物の立ち居地や役割までがまったく同じ。樋口作品は、一貫して同じをずっと継続している。それでいて、これが樋口有介のオリジナリティで、飽きが来ずに毎回楽しく読ませてくれる。そこがすごいと思う。

主人公とヒロインのキラキラとした青春。主人公と父親のひょうげたやり取り。第三者との淡々とした駆け引き。そして事件の真相。これらどれを取ってみても、読みどころになっている。読み出したら、彼らのひとつひとつの仕草に読者は引き込まれて、後はまさにノンストップだ。ただ個人的なことだが、犯人や、死んだ女子の背景は、早い段階で気づいてしまった。でもそれはお愛嬌であって、作品の面白さをマイナスするほどではない。樋口作品をもっと多くの方に読んで欲しい。読むたびに毎回こう思う。こんなにも面白いのだから、お薦め。

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樋口有介
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comments

デビュー作が未読だったなんて意外です。
私は、この作品が初樋口作品でした。(フツーか。)
当時、結構売れて映画化もされましたねー。(私は観ていませんが。)

で、今頃になって改めて別の樋口作品を読みますが、確かに変わりませんね。
もちろん、「良い意味で」。
良い味出している親子だったので、続編なんかも期待しましたが、それはちょっと欲張り(?)だったかな。

ドウ:2009/01/19(月) 08:51 | URL | [編集]

ドウさん
創元推理文庫での復刊をきっかけに読み始めました。
初読みは柚木シリーズで、このかるみに嵌ってしまいました。
昔も今も、作品が違ってもベースは一緒。でも、読ませるんだよな~。
読むときに期待するのもそこなのですが^^;
いい感じの父子でしたね。彼らのやり取りに頬が緩みました。
そして樋口作品ではいつも、母はどうでもいい存在ですね。

しんちゃん:2009/01/19(月) 17:26 | URL | [編集]

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