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    2009

01.19

「空とセイとぼくと」久保寺健彦

空とセイとぼくと空とセイとぼくと
(2008/11)
久保寺 健彦

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ぼくはお父さんの言うことをおかしいと思ってなかった。みんなが何円かずつお金をくれれば、いまとはちがう生活がはじまると信じていた。お父さんは食べるものと住むところがあるのが天国だと言った。ぼくたちは上野公園に住んでいた。ぼくたちの家は銅像の横にあった。あたりには、ブルーシートのテント。村のようになっていた。その中でいちばんみすぼらしかったのが、ぼくたちの家だ。お父さんが死んで引き取られた施設も逃げ出した。犬のセイといれたら、それで満足だった。やがて一人と一匹は公園を旅立つ。

ぼくはどんどん犬みたいになった。まず、耳がするどくなった。鼻もするどくなり、そのおかげで目指すゴミ箱をかぎあてられるようになった。それに、夜目がきくようになった。ほかにもセイに教わったことがある。二人は一つの街に長くいなかった。怪しまれる前に移動してたせいもあるし、新しい知らない場所へ行ってみたかったからだ。でも、その公園に入ったとき、一目で気に入ってしまった。そこでリョウ君と友達になったとき、ぼくはその年十四歳になること、七年間セイと旅をしてたことが、このときわかった。

ぼくとリョウ君はホストクラブで働くことになった。その夜、ぼくたちは、セイをだきかかえ、街はずれの動物病院へ駆け込んだ。セイが急性フィラリアにかかってしまった。女性の発情が臭いでわかるぼくは、セイの治療費を捻出するため新宿でホストとして働くことにした。源氏名はポチ。教養もなければ読み書きすらもできないけれど、犬のような従順さと、毎日の努力が実り、その能力を開花させていく。街ではブレイキン(ブレイクダンス)を踊るエイジさんとトシさんと出会い、店ではリカさんという太客の指名もついた――。犬と二人きりで育った少年の成長と、犬との絆を描いた青春小説。

犬との野宿生活をひたすら送る第一部、ホストとして成功していく第二部、ブレイキンに熱中していく第三部、という三部構成になった作品。その場面展開には豪腕ぶりが目立つものの、これまでの作品の中で一番面白く読むことができた。ただ気になるところが一つ。何故この著者は毎回性的なことを盛り込むのだろう。必要性があるようには思えないし、読者によってはひいてしまう方がいるかもしれない。そこが少し引っかかってしまった。

だけど、学んで成長させるという書き方がすごく上手いと思ったし、相棒であるセイとの結びつきの強さには感動した。前々作の団地に依存には眉をしかめたが、動物に依存なら共感することができる。主人公にとっては、お金がないとか家がないとか、そんなことは瑣末なことで、ずっとセイといられない時間の方が辛いのだ。

だから、いずれやって来る別れの場面は切なくて胸が締め付けられそうになった。目からかがやきが消えた、という死の瞬間の描写には、飼い猫の臨終を看取ったときを思い出し、涙しそうになった。セイの最後の行動の謎もやばかった。でも、最終的に安らげる場所、食べるものと住むところを手に入れた主人公は、これからもきっとたくましく生きて行くのだろう。セイとの思い出とともに。

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久保寺健彦
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comments

毎回エキセントリックな主人公が登場する久保寺さんですが、今回も最初から驚きました。
どんな時もセイといっしょなら大丈夫。
そんな零がかわいらしかったです。
>毎回性的なことを盛り込むのだろう。
私もそう思いました。
毎回、男の子のそこら辺のことが書いてありますよね。
その部分は流し読みしちゃってます。

なな:2009/02/17(火) 20:57 | URL | [編集]

ななさん
零とセイのコンビは良かったですね。
リョウ君にはガッカリだったけれど。
アレは流し読みしができればいいのですが
なければもっといいのに!

しんちゃん:2009/02/18(水) 16:45 | URL | [編集]

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