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    2009

01.25

「マルコの夢」栗田有起

マルコの夢マルコの夢
(2005/11)
栗田 有起

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パリへやってきたのは、三ヶ月前のことだった。こちらで暮らしている姉に、仕事を手伝って欲しいと頼まれた。姉はフランス人と結婚し、夫婦で日本食材の輸入代行をしている。就職先が決まらない一馬に、姉の頼みを断る理由はなかった。ところがある日を境に、キノコ料理が名物の三つ星レストラン「ル・コルドン・ブルー」で働くことになってしまった。仕事はキノコの担当。キノコ室はつねに施錠されていた。何故そこまで厳重にしなければいけないのかは、マルコがいるからだ。

マルコとは、この店の人気メニュー「マルコ・ポーロの山隠れ」なる料理に使われているキノコのことだ。あまりの人気のため、特別な客にしか出さない裏メニューになった。このキノコが珍種で、この店ではトリュフよりも喜ばれ、最も仕入れ値の張るキノコだ。マルコの正式な名前は誰も知らない。便宜上、料理名からみんなはマルコと呼んでいる。そのマルコの在庫が残り少なくなり、オーナーの部屋に呼ばれた一馬は、原産国である日本に行って探してくるように命じられた。

う~ん、なんか感想が書きにくいぞ。言えるのは、最初から最後までキノコばかりということ。そして主人公が他の人物とからむことも少ない。だけど、点と点の関係でしかない脇役たちが妙に印象に残る。レンズの割れたメガネをかけているギョームしかり、好みの女性を見つけるとサインを頼むピコリも、わりといい加減な母親や、物事に執着というものがない父親も、みんな主人公とすれ違う程度の登場だが、出てきた途端くすっと笑ってしまう。

そしてストーリーは読者の想像の裏へ裏へと展開していく。主人公は真面目である一方で、父譲りの落ち着きなさも兼ね備えている。そんな彼が進んだところにはキノコがあり、本人は真剣にキノコと向き合っているのだろうが、それがシュールな面白さに繋がっていく。そして気がつけば不思議世界へと足を踏み入れている。

そこはお伽の国ならぬキノコの国。といっても、色とりどりのキノコに囲まれるわけではなく、どちらかといえば、じめっとしたボロアパートに出現してしまったキノコの方がイメージとしては近い。これまたシュールだ。でも食うものには困らない。食べられるキノコだからだ。さらに味は絶品らしいとくる。そのキノコを食べながら、主人公の夢は広がってゆく。

とにかく変テコなお話だけど、こういう世界観は嫌いではない。ただ、もう少し長く読んでいたかった。魅力的な人物が多くいるのに、すぐに遠ざかってしまうのは勿体ない。特にファンキーな両親との会話は面白さが絶品だったのに、と思うのは自分だけではないだろう。

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栗田有起
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