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    2009

02.04

「キネマの神様」原田マハ

キネマの神様キネマの神様
(2008/12)
原田 マハ

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父が入院した日は、奇しくも歩が十七年間務めた会社に辞表を提出したその日だった。こんな一大事は一生に一回で十分なのに、変にタイミングが合ってしまった。マンション管理人になるずっと前から、父はふらっといなくなっては二、三日後にげっそりして戻ってくることがしばしばあった。父は稼ぎのほとんどをふたつのことに費やしていた。ひとつはギャンブル。もうひとつは映画だ。幸いにも父の回復が予想以上に早く、無事に退院はできた。だが、父はギャンブルでどデカい借金をやらかしていた。

娘と母は決意した。父がギャンブル依存症という精神疾患だとわかってから、父再生計画なるものを勝手に作り上げる。これまでと違い自分は失業中なのだ。父の借金は自分で返してもらう。年金を差し押さえ、ギャンブルを厳禁にして、とにかく浴びるように映画を観せる。人生を通して映画に親しんできた父なのだから、きっと無害な趣味に没頭してくれるに違いない、と踏んでいたのに、父はバランスを崩したのか、生きる気力をなくしてしまった。

そんなある日、映画雑誌の超老舗から、映画評論を書いてみないかと、歩は編集部にスカウトされる。名画座で見た映画の感想をチラシ裏に書き殴っていたものを、父が映友社のブログに投稿していたのだ。だが実は、サイトの管理人が面白がっていたのは、長々と前置きを書いていた父自身の文章だったことが判明。父も連載ブログを書くことになった。ブログ「キネマの神様」は、アメリカに住む前の会社時代の後輩の助力で、英語版も開設された。そこにローズ・バットを名乗る人物から、挑発ともいえるコメントを書き込まれて……。

やはり原田マハはいい。まずキャラが魅力的だ。すれ違いは起こすが、映画がなにより好きという主人公の歩とその父(ゴウ)の父娘。アメリカに駆け落ちした元後輩で映画好きの清音。名画座の支配人で父の友人のテラシン。映画界のカリスマで社長兼編集長の高峰女史。その息子でひきこもり歴十五年というサイト管理人でハッカーの興太君(ばるたん)。頼りになるが気に食わない同僚の新村ジョー。そして、謎の攻撃者ローズ・バッド。皆がいわゆるキャラ立ちした面々だ。

そして、ゴウの映画レビューがとてもイケている。「ニュー・シネマ・パラダイス」は、ビデオを買いDVDも買ったぐらい個人的に大好きな映画だ。ゴウの映画紹介を読んで、その数々ある名場面を思い出して、それだけで泣きそうになった。ローズ・バッドと論争を戦わせる「フィールド・オブ・ドリームス」もしかりだ。ただ、これらはおもいっきりネタばれしている。そこは大丈夫なんでしょうか。

ラストがまたいい。お決まりの総出演なんだけど、みんながそろって人生最良の映画を名画座で観る。あのヴェイオリンの調べが脳裏に響いてくる。そして、あの男の子の笑顔を思い出す。そしてまた、泣けてくる。できれば映画館で観たいところだが、お手軽DVDでここは我慢だ。その映画は何かって? それは自分で読んで想像してください。答えはすぐ上にあるけれど。

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原田マハ
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comments

こんばんは。
本当に素敵な物語でした。
出てくる人がみんないい人で、イヤミが全くないし
映画に対する愛情が溢れていました。
私も「やっぱり原田さんはいい!」って思いました。

なな:2009/02/05(木) 22:52 | URL | [編集]

ななさん、こんにちは。
映画への愛ですよね、これは。
ほんと涙腺がやばかったです。
いい、いいと思いながら、気がつけばコンプしてました(笑)

しんちゃん:2009/02/06(金) 13:56 | URL | [編集]

こんばんは。
ラストはもちろんのこと、登場する映画を思い出してはじんわり涙しながら読みました。
父娘の関係も、脇キャラもみんな映画愛でいっぱい。
「ニュー・シネマ・パラダイス」大好きです!
あのラストはずるい。やられました。

雪芽:2009/02/23(月) 19:51 | URL | [編集]

雪芽さん、こんばんは。
みんないい人ばかりで、涙腺もゆるくなりました。
そしてなんと言っても「ニュー・シネマ・パラダイス」でしょう。
この作品でなのか、映画でなのかは不明だけど、ラストはうるうると。

しんちゃん:2009/02/24(火) 18:16 | URL | [編集]

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