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    2009

02.08

「レモン・ドロップス」石井睦美

レモン・ドロップスレモン・ドロップス
(2004/05)
石井 睦美

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十五歳の美希は女子校に通い、歯科大学に通う優等生の姉はなにもせずに、結局は美希がお世話をしてしまう日々を送っている。そんな姉を羨ましく思いつつも、もっと、自分勝手にならなくちゃ。もっと、冷たい人間にならなくちゃ、とあたしなりの決意をもって生きている。友達の綾音は、いつも答えられないようなことばかり美希に聞いてくる。だから、綾音の気に入るような返事ができなくて、冷たいと綾音にいわれて、あれでよかったんだろうかって不安になってしまう。でも、そうしない自分がいるのもわかっていた。べたべたしたやさしさを排除する。それが、あたしの矜持。

そのレモン・ドロップは、駄菓子屋さんで見つけた。口の中で溶けて、ちいさな三日月へと形を変えていく。ドロップをなめながら、美希は、特別だったあの場所のことを考える。そこは失われた場所。おじいちゃんとおばあちゃんは、美希にとって、すごく特別っていう感じがした。それから、大きな蓄音機のあるその部屋も。夜、おじいちゃんたちの部屋から音楽が聞こえる。そうすると、美希はちょっとだけおじゃまする。いつもお気に入りの一曲だけ一緒に踊ったら戻ることにしていた。だけど、そんなことをしたのは随分と前のことだ。今では、甘酸っぱい三日月形のレモン・ドロップは、美希の精神安定剤になりつつある。

友達の綾音は電車でいつも見かける名前も知らない王子に夢中になっている。姉の真希ちゃんは恋人ができてどんどんかわいくなっていく。おばあちゃんは亡きおじいちゃんのことを強く思って生きている。自分だって思春期なのよう、と言ってみたって、好きな男の子が急にできるわけじゃない。恋の憧れだけが大きくなっていく美希だけど、いつのまにか真希ちゃんの彼氏がとても好きになっていた。心をちくりと痛めながらも、恋をしてしまった。そんなちょっとセンチな少女の物語。

ただいま女子、あるいはかつて女子だった人なら、あるあると思うのだろう。だけど、自分は元男子だったので、少女期の想いはよくわからない。切なさに自然と泣けてきたり、嫉妬と不公平感を一緒くたにして、爆発してしまう感情なんて持ち合わせていない。乙女心って複雑すぎてお手上げ状態。参ったなのだ。だけど、お父さんのことを嫌だなぁと思っていたり、幸せだったあの頃がなくなっていくのが怖いという気持ちはよくわかる。そう思うと、自分も十代を生きてきたんだよなと、ふと感慨深くなった。男女の違いはあれど、あの頃は一日が長かった。それはたぶん、がむしゃらな一日だったからだろう。

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石井睦美
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