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    2009

02.11

「少女」湊かなえ

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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デビュー作「告白」の誕生は偶然ではなかった。本書によって、この著者の実力が本物だったと証明されたのだ。それがなにより嬉しく思う。「告白」の揺れが大波ならば、「少女」は小波といえるだろう。揺れ幅は少ないが、主人公の少女たちの造詣が綿密に繊細に作りこまれていて、その少女二人の語りを交互に進めていくことで、二つのパートがどのように繋がっていくのかが興味をそそっていく。そして疾走感ある文章が小気味いい。それと悪意の強さは「少女」のほうが色濃いかもしれない。

親友の自殺死体を見たという、友人のうっとりと酔いしれた語りを聞き、二人の少女はそれぞれに思う。それってただの自慢じゃないか。でも、少しうらやましい。不幸自慢ほど恥ずかしいものはないけれど、負けない自信はある。でも、わたしは死体を見たことがない。死体を見たい。いや、わたしは死ぬ瞬間を見てみたい。それも身近な人の。あることがきっかけで喜怒哀楽を失くした由紀は、読み聞かせボランティアで知り合った少年たちと交流を持つようになる。

敦子は人から嫌われているんじゃないかといつもビクビクし、携帯サイトの裏掲示板を覗いては、自分のことが書かれていないのに一息つく。でも、あたしも強くなりたいと思っていた。みんなから嫌われても、死ぬよりマシだってことくらいわかっていた。そこに体育の補習代わりとして、夏休みの二週間、老人ホームのボランティアに参加することになった。老人ホームなら、体の弱いお年寄りばかりだから、死体を見ることができるかもしれない。死体を見て、死を悟りたい。でも、由紀抜きで死を悟らなきゃ、意味がない。

友人といえる二人だが、微妙に距離を持ったまま、それぞれの夏休みを過ごすことになる。あえて連絡を絶った少女二人。お互いに好きと思う反面、ある時期から気まずくなってしまった。だけどその場で困難を迎えると、二人はお互いにあの子ならどうしただろうと想像してしまう。微妙に絡み合いつつも、なかなか一緒にはならない二人がもどかしい。そして、由紀は成功率七%の手術を受ける少年の父親探しをすることになり、敦子は期せずして死にかけた老女をとっさに救ってしまった。

少女二人の勝手な言いぶんがリアルで面白い。そしてミステリとしての驚き度もハンパじゃなくすごかった。少しずつ振りまいていた伏線を回収する終盤だけど、こうきたかと思った瞬間、それが意図も容易く反転させられる。しかも、それだけで終わりではない。まだ足りぬといわんばかりに、読者の予想を覆す仕掛けが次々と押し寄せてくるのだ。期待以上に大満足な作品だった。本文に「因果応報、地獄に落ちろ」とあったが、それを地で行ってしまう著者の勇気がすばらしい。次回作もまた、この路線で突っ走って欲しいと強く思った。ブラボー!


レポを一つ。サイン会に参加してきました。

湊さんは、ぽわんとしたお姉さんで、背がちっちゃかったです。
サイン会が始まると、頭はペコペコで、口からはお礼ばかり。
ういなー。すごくういかったです。

そんな湊さんに無理いって、一文を書いてもらいました。
因果応報、地獄に落ちろ、と(笑)

湊少女

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湊かなえ
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comments

おはよ~ございます。
「少女」、良かったですよね。
なかなか皆さん、期待過剰で辛口だったけど。
サイン本、この一言、光ってますね!

nyanco:2009/02/12(木) 08:17 | URL | [編集]

nyancoさん、こんばんは。
うちは大絶賛です。この意見はめずらしいのかな。
終盤のどんでん返しの連鎖にノックアウトでした。
あの黒の連打がめっちゃ好み~。趣味わる^^;

しんちゃん:2009/02/12(木) 22:02 | URL | [編集]

しんちゃん、こんにちは!
ある意味『告白』以上の黒さに大満足でした。
『少女』のほうが凄まじさは上回っていて好みです。

そして!おお~サイン!!
この文句も!いいわぁ。

リサ:2009/02/19(木) 13:08 | URL | [編集]

リサさん、こんばんは。
終盤は真っ黒で、身勝手さはウルトラ級でしたね。
少女たちは理解しあったのに、さらに怖くなるとは。

落ちろ、なんて書いていいの?
湊さん、困惑していました(笑)

しんちゃん:2009/02/19(木) 22:12 | URL | [編集]

こんばんは。
サイン本だ♪
最後まで読んで二人は幸せになっちゃっていいの?
そんな居心地の悪さを感じました。

なな:2009/04/02(木) 21:19 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
自分さえよければ、人はどうなってもいいの。
その身勝手さにゾクゾクっと来ました。
黒好きにはたまらん作品だから良しです(笑)

しんちゃん:2009/04/03(金) 19:13 | URL | [編集]

こんばんわ。
敦子と由紀の距離感がリアルで、いろんな意味で効果的に使われていましたね。
中盤はちょっとご都合主義的な展開かな、とも思いましたが(笑)
ラストは伏線の回収も鮮やかで、面白かったですね。

ia.:2009/04/17(金) 22:16 | URL | [編集]

ia.さん、こんばんは。
中盤はご都合主義でしたか?自分は違和感なく読めました。
というか、この人好きだー!とさらにファンになっちゃいましたよ。

しんちゃん:2009/04/19(日) 19:50 | URL | [編集]

どうも、ごぶさたしておりました。久しぶりに戻って来ました(汗

しかし、サイン本に『因果応報、地獄に落ちろ』とは(笑
そのセリフを選ぶしんちゃんのセンスに10000-ガバス差し上げたい気分です

たまねぎ:2009/08/10(月) 14:56 | URL | [編集]

たまねぎさん、おひさです。
湊さんにとってもインパクトある要求だったみたいですよ。
先日二度目のサイン会に参加したら、覚えていらっしゃいました。
書いてもらった甲斐があったかも^^)

しんちゃん:2009/08/10(月) 19:48 | URL | [編集]

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