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    2009

02.14

「短劇」坂木司

短劇短劇
(2008/12/17)
坂木 司

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たとえば、憂鬱な満員電車の中で。あるいは、道ばたの立て看板の裏側で。はたまた、空き地に掘られた穴ぼこの底で。聞こえませんか。何かがあなたに、話しかけていますよ。坂木司、はじめての奇想短編集。少しビターですが、お口にあいますでしょうか。《本の帯より》

この帯の内容紹介はなんでしょうか。わかりやすくいえば、二十六のショートショート作品集。ここでいつもなら、個別のあらすじをみっちりと書くところだけど、さすがに二十六も書いていられない。そこで今回は、一行あらすじと、一行コメントという形式にしたい。

「カフェラテのない日」
満員電車のラッシュが耐え難いものに感じられたとき、反射する窓越しの彼女の後ろには。
ちょいとベタすぎ。でも嫌いではない、というか、こんなのに憧れる。

「目撃者」
会社の給湯室で人を見つめている流し台は、あの女だけは嫌いで、怒りがふつふつと。
初のSF作品。そして、心が宿った流し台は危険だ。

「雨やどり」
男女ふたりは、にわか雨に降られて書店に飛び込んだ。大学で同級だった二人の関係とは。
切な~い。だけど、男の気持ちはわかる。

「幸福な密室」
エレベーター内で女の子がじろりと俺を見た。そのとき停電が起こり、閉ざされた密室に。
シュールかつブラック。自分なら、一撃いれてたかも。問題あり?

「MM」
いつも巡るサイトに書き込まれた投稿。それはまるで自分のことだった。
さらっとしすぎで、オチは弱いかな。

「迷子」
人から愛されることがない堅物男は、人生ではじめて、初対面の人間に愛されたいと願う。
主人公の思考がもうひとつ伝わってこない。

「ケーキ登場」
あるカップル。誕生日の女。初老の男性と少女。レストランでそれぞれに思うこと。
多視点によって明らかにされるその内面。そこに面白さがあった。

「ほどけないにもほどがある」
ステカン貼り業界に現れたあいつ。その仕事ぶりは、プロとして矛盾したものだった。
何これ。正直よくわからなかった。

「最後」
河原にくるのも最後。蕎麦屋も、女遊びも、夜景も最後。最後を満喫する男たちだが。
ラスト一行の落ちがキレていた。これは素晴らしい。

「しつこい油」
女は実害を受けると、こつこつ行動を起こす。三度目の実害に、女は毒を作り出した。
執念と計算がとにかく気持ち悪い。黒いな~。

「最後の別れ」
絶海の孤島で生き残ったのは、敵同士だった兵士ふたり。その時、彼らが出した結論とは。
シュールすぎて、良さが見えてこない。

「恐いのは」
二人の老人が椅子に腰掛けて会話をしている。昨今は怖いですね。本当に怖いのは。
淡々とした会話で読ませるには、リズム感が欠如していたような。

「変わった趣味」
人型ロボットが浸透した東京。男たちは、ロボットを使ったプレイを打ち明けあう。
SF設定も、男たちのプレイも、ラストの落ちも、すべて中途半端。

「穴を掘る」
どうしようもなくやりきれない気持ちの行き先がなかったから、男は穴を掘り始めた。
これは素晴らしい。始まりから終わりまで全部が好みだった。

「最先端」
最先端のつけ爪に魅せられた女は、もどきと知りつつ安易に手を出してしまう。
新しいもの好きという人の心理、人の愚かさを皮肉った黒い話。キモいけど、好き。

「肉を拾う」
男は毎日、その施設で肉を拾い続ける。その日、男は青年から仕事の相談を受ける。
うげっ。これも食肉偽装? 頼むからやめてー!

「ゴミ掃除」
ふと暴力的な衝動が芽生えることがある。そんな時の男のストレス解消法とは。
倫理的にはダメだけどすかっとする。これはいいぞ。

「物件案内」
今では絶対にこの部屋を離れたくない。それもこれも、あの不思議な不動産業者のおかげ。
黒の中に咲く一輪の白。ほっとするね~。

「壁」
友人の旅行中、鳥の世話を仰せつかった。きれいだと思われたその部屋だったが。
微妙に面白くない。落ちにキレがあればなあ。

「試写会」
映画の試写会が当たった。男が試写に向かうと、そこで待っていたのは。
因果応報、地獄に落ちろ(by「少女」湊かなえ)。黒いけれど、気持ちいい~。

「ビル業務」
近くのビルのトイレに駆け込んだ男は、個室の壁に隠された通路を発見。その先には。
展開でいえば平凡だけど、話としては面白かった。

「並列歩行」
男は歩き続ける。なぜなら、向かい側の歩道には、そっくりな男が歩いていたから。
負けたくないという心理が絶妙。ただ、もう少し落ちにパンチがあればなあ。

「カミサマ」
四十歳を迎えた男には、夢も希望もなかった。男は樹海の奥へただただ歩いていく。
これまたシュールだ。そして変テコだが、狙いはわかる。

「秘祭」
とある地方のとある村に、他言無用の秘祭があった。男はその祭の見学を許された。
これが一番笑えた。当事者は悲惨でしかないけれど。

「眠り姫」
眠り姫を自分の目で見た者は、世界の秘密を知る。冒険家一行は、姫が眠る城を目指す。
言いたいことがわかるけれど、これがなんとも微妙。

「いて」
少女はひとり夜道に取り残された。そこでぷるぷるとふるえる「それ」を見つけた。
夜道には危険がいっぱい。だが、異物よりも人の方が怖い。


ショートショート作品集としての完成度は、ムラがあって、落ちのキレも少し鈍い。でもピカッと光る作品も何点かあり、「雨やどり」「ケーキ登場」「最後」「穴を掘る」「最先端」「ゴミ掃除」「物件案内」「試写会」「秘祭」は良かったと思う。

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坂木司
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