--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

02.17

「マイナークラブハウスへようこそ!」木地雅映子

マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉 (ピュアフル文庫) (ピュアフル文庫)マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉 (ピュアフル文庫) (ピュアフル文庫)
(2009/01/10)
木地 雅映子

商品詳細を見る

桃李大学付属、那賀市桃李学園、高等部。偏差値でも、スポーツでも優秀な、県下一の有名私立大学付属の中高一貫校。小さな里山ひとつ、全部が学校の敷地で、まるでひとつの町。ひとつの独立した共和国。その学園の奥深くに古ぼけた洋館がある。正式な名称は桃園会館。しかし生徒たちからは「マイナークラブハウス」と通称されていた。つまり部員5人未満のマイナーかつ弱小な文化部が集うクラブ棟である。

「第一話 内田紗鳥、桃園会館に足を踏み入れたる縁」
内田紗鳥は、バレーボールの特待生として、高等部からの入学を果たした。中学時代はキャプテンで、エースアタッカー。無事に合格して、入部して。なんだか、雰囲気がぎすぎすしているような、と思ったのは、勘違いではなかった。派閥があり、先輩、後輩の上下関係がやたら厳しく、おっとりしてどこか融通の利かない紗鳥は、全てのケガレを受けさせられて排除された。帰り支度で校門まで歩き、教室へ引きかえし、そうやって、うちに帰りたくなくて時間をつぶしているうちに、ふと足を踏み入れたのは、マイナークラブハウス。

「第二話 福岡滝、珍妙なる友を得る縁」
あたしたちみんな、滝ちゃんの部下じゃないし、もう、一緒の部で活動するのは、こりごりなの。高等部の手芸部で、もっとすごい服を、作ってやるんだ。そんな野望に燃えて、入部の手続きにやってきた福岡滝を出迎えたのは、中等部からの手芸部メンバーの直談判チームだった。やはり、入部届けを出せなかった滝は、帰国子女の畠山ぴかりと友達になり、不思議系女子のぴかりのハイテンションに振り回されつつ、部活勧誘会を見学する。そこに奇怪な葬列が出現し、中庭をぐるっと回って、古い洋館へと吸い込まれていった。

「第三話 高杢海斗、探求への一歩を踏み出したる縁」
中等部時代の高杢海斗は、自分では自分の女の子を見つける事の出来ない男子がみんなで妄想するというグループにいた。海斗が高等部で入部したのは歴史研究会。寮のルームメイトである天野晴一郎は、無口で無表情で、不気味な事この上ない。園芸部員の天野は、海斗も所属している奇妙な共同体の立派な一員である。学内の奇人・変人・はみ出しものばかりが寄り集まった、桃李学園の辺境地帯。弱小文化部ばかりが部室を置く、桃園会館。別名、マイナークラブハウス。その日、海斗は思う。寮に来てよかった。歴研に入ってよかった、と。

「第四話 八雲業平、岐路にて痛みを知る縁」
中等部の軽音楽部に所属する八雲業平は、中高生バンドのコンテストでミツアキと知り合い、かれこれ1年以上のつき合いになる。実力の釣り合った同士。しかし、ここへ来てどうも、その二人の実力に釣り合う、他のパートが見つからなくなってきた。その日ふたりは、中等部へ向かう途中、踏み分け道に入っていった。歩くにつれ、音楽が聞こえてきた。二人の目の前には、ひと昔前のミステリードラマに出てくる洋館みたいな、古ぼけた建物が出現した。それをバックに、がんがんにノリまくる、二人の対照的な女。衝撃が走った。

「第五話 畠山かおり、目覚めて夢を見る縁」
畠山かおりは面談室に案内された。娘のぴりかの担任教師との面談で、かおりは無意識に、優先順位を考える。なにをいちばん隠すべきか。どちらを知られるのが、より危険であるか。来校者用の玄関を出たところで、ひどい耳鳴りに襲われる。今にも気を失いそうだ。前後に人影がないのを確認してから、大きな木の後に回り込み、乾いた枯れ葉の上に腰を下ろし、目を閉じた。誰か来る。ぴりかの声に似ている。喋り方がひどく幼く、軽薄だったが、その独特の、潰したような甲高い声は、間違いなく娘のぴりかのものだ。

「おまけ マイナークラブハウスの大掃除」
演劇部の福岡滝と園芸部の天野晴一郎は、買出しチーム。歴研部の高杢海斗と三浦先輩と大賀竜之介、和琴部長の沢渡美優は、大掃除チーム。八雲業平とミツアキは、おじゃまチーム。演劇部の畠山ぴりか、文芸部の岩村聡、ウクレレ部の大村鈴は、準備チーム。今日は鍋を囲んだ、桃園会館七つのマイナークラブを率いていく部長就任式。

ふつうと闘った前二作とは違い、第三作となる本書は、突き抜けた人たちが主人公。みんなキャラ立ちしていて、中でも視点になることはないが、謎の多いぴりかの存在感が抜群。そのぴりかは、どの人が視点になろうとも、その不思議系キャラで絡んでくる。そして終盤に入ってくると、ぴりかの謎が少しずつ明かされていく。そこが連作集の面白味であり、一見彼らが自由に見えても、実は本書でも何かと闘っている姿が浮き上がってくるのだ。まだ語られてないことがあるし、続編の出版が待ち遠しい。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

木地雅映子
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。