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    2009

02.27

「雪蟷螂」紅玉いづき

雪蟷螂 (電撃文庫)雪蟷螂 (電撃文庫)
(2009/02)
紅玉 いづき

商品詳細を見る

絶冬のアルバント山脈にある部族が対立をはじめて数十年、刃しか交えたことのなかったフェルビエ族とミルデ族。二つの部族の族長が、和平の証に迎える婚礼は十年前から決まっていた。想い人さえ喰らう雪蟷螂とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰するミルデ族長オウガとの政略結婚だった。三十年という、長い長い、大きな戦の終わりを迎えるために、十年の間、二つの部族は停戦を保った。

フェルビエのために生き、フェルビエのために死ぬ。族長の娘として生まれた、それが己のさだめだと、アルテシアは思っていた。蛮族フェルビエの戦士は誰もが勇敢だ。しかし婚礼は彼ら、彼女らの戦ではない。二刀の剣を下げ、裾をさばけば、かしづくのはひとりの侍女。そしてひとりの近衛兵。一団はいらない。この身ひとつがあればいい。これは、私の戦だ。フェルビエの女族長は、フェルビエの民を背負ったまま、宿敵のもとに嫁いでいく。

だが、事態は一変した。死人狂いのミルデ。彼らは近しい人間、愛した人間、尊ぶ人間が死に倒れた時、その肉体を神の依代とするために、特殊な技術でもって死体を保存する。それは神の宿る木乃伊。祭壇を与え、彼らは木乃伊となったその死後を永遠生と呼んだ。ミルデ族長の永遠生は絶対の守り神だ。その賊は、先代の首を持ち去ったのだ。この婚礼の危機に、フェルビエのアルテシアは、その首を取り戻し、真実を明らかにすることを誓う。

谷の魔女は、隠者であり賢者。千里の瞳を持ち、この山脈のはじまりと終わりを記すと言われている。かつてフェルビエとミルデが争いを終結させるため、婚礼の約定を交わした。その立会いとなったのが、山脈の魔女その人だった。彼女は山脈においてもこうも呼ばれるようになった。盟約の魔女。女族長アルテシアと近衛兵トーチカは魔女の谷へと旅立ち、侍女ルイはただひとりで、すべてのフェルビエを、すべてのミルデを欺くアルテシアの影となる。


感想だけど、物語の展開上、書けないことがほとんどだ。だから、ここでは愛について語ってみることにする。まずプロローグでいきなりガツンと魅了された。生きることに絶望した少年は、幼き雪蟷螂の少女と出会う。絶望に凍る少年を溶かしたのは少女の口づけ。ああ、やはり愛の作家だ。だが、少女は成長した時、愛を持たない女に育っていた。彼女にあるのは戦うという心だけ。しかし皮肉にも政略結婚という運命に突き進んでいく。

そんな彼女の側に仕えるのは、影武者のルイと近衛兵のトーチカ。この二人は、忠誠心の人というよりも愛の人だ。そして過去にも激情の愛があった。その「ほんとう」を見た主人公が、愛するという想いを欠いていたと気づいた時、急速に物語は動き出し、冒頭の場面と繋がって、静かに終焉へと向かう。これは人喰い物語であり、深い愛の物語であった。言いたいことはただ一つ。著者は愛を伝道する、愛の作家だということ。

追記。前作の「MAMA」に続き、またもやサイン本を頂いてしまった。センセイ、ありがとうございます。次は買って売り上げに貢献したいと思います(笑)

紅玉2

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紅玉いづき
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comments

こんばんわ。TBさせていただきました。
始めが強烈でしたね。
あの出来事がつながっているんですよね。
全てが愛で囲まれていたおはなしでした。
素晴らしかったと思います。

サイン本良いですね~。
私は1度もいただいた事ないです。
羨ましいー。

苗坊:2010/07/17(土) 21:27 | URL | [編集]

苗坊さん、こんにちは。
壮絶な愛の物語でしたね。
そして人喰いシリーズも一応完結。
今後が益々期待される作家さんだと思います。

しんちゃん:2010/07/20(火) 12:19 | URL | [編集]

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雪蟷螂 紅玉いづき


雪蟷螂 (電撃文庫)クチコミを見る 涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を―。 長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。 その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。 それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われ

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