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    2009

02.28

「荒野にネコは生きぬいて」G.D.グリフィス

荒野

荒野にネコは生きぬいて (文研じゅべにーる)

車の後ろの席で、子ネコは丸くなって、うとうとしていた。突然、車が止まった。奥さんは、ネコのえり首をつかまえると、道ばたの高い草むらへ子ネコを運んでいって、ぽいと投げこんだ。これは何かの新しい遊びに違いないと、子ネコは思った。その時、車は排気ガスの煙をあとに、うなりを上げて走り去っていた。

時間はどんどん過ぎていった。子ネコには、この遊びがわからなくなった。子ネコは心配になってきたので、体を洗うことに決めた。ネコというものは、不安になると体を洗うものなのだ。子ネコは気持ちがゆったりし、それで草の上に丸くなって居眠りした。やがて太陽が沈み、あたりが寒くなり、子ネコは目を覚ました。

子ネコはびっくりした。これは遊びなんかではない。子ネコは歩き始めた。あっという間に夜がくる。フクロウの気味悪い鳴き声に、子ネコはびっくりして、茂みへ飛び込んだ。震えながら、そこに、うずくまった。都会で生まれた子ネコは、自分が住んでいた大通りの騒々しさだけしか知らない。やがて、子ネコは勇気をふるい起こして歩きだした。

人間に飼われていた子ネコは捨てられ、何ともいいようのない空しさを感じながらも、生きるために殺しをやり、危ないと感じると、すぐに身を隠す野性本能を目覚めさせる。そして、さまざまな災難にあいながらも、こここそ自分の落ち着く場所だと思えるところを目指して旅を続ける。これはネコを捨てた飼い主を責めるお話ではない。飼いネコから野良になったネコの一生を綴ったドラマなのだ。

うちにも現在、二人の同居ネコがいる。あえて二匹とは言わない。何故なら、彼らは立派な家族だからだ。この二人は、ペットショップから高い金額を払って、うちにきたのではない。一人目は公園に捨てられていて、二人目は食べ物を求めて迷いこんできた。警戒心をまだ身につけていない無邪気な子ネコだったから、うちに馴染むことができた。そして、家族の一員となった。

わがままで身勝手なネコ様に育ってしまったうちの子にも、同居人の知らない冒険があったのだろう。飲み水に食べ物。乱暴な人や危険な乗り物。彼らは、どんな困難を乗り越えて、うちにたどり着いたのか。すっかり野性が退化した今となっては、我が家のネコからは、そうしたハードボイルドは見えてこない。うちに来て幸せ? そう問うても、答は返ってこない。だが、同居人は微笑む。ゴロゴロとのどを鳴らすネコを見て。

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