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    2009

03.10

「傍聞き」長岡弘樹

傍聞き傍聞き
(2008/10)
長岡 弘樹

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特殊なお仕事をする人たちが登場するミステリ作品集。

「迷い箱」
刑務所から出所したものの身を寄せる家がない人たちに、住む場所と食事を提供し、さらには社会復帰へ向け、就職や生活に関する指導も行う更正保護施設。その施設で施設長として働く設楽結子には気にしている人物が居た。彼は泥酔状態で自転車にまたがり、学習塾から帰る途中の小学生を撥ねてしまい、重過失致死罪による実刑を受けた。彼は服役中に自殺未遂という騒ぎを起こしている。彼は今日施設を退所する。そして今日は女の子の命日でもある。もしかしたら彼は、自ら命を断つかもしれないのだ。

「899」
消防士の諸上将吾は隣家に住む初美に惚れていた。彼女は生後四ヶ月になる一人娘と暮らしている。奇遇を装って朝の挨拶を交わし、ほぼ週に一度の割合で、彼女が勤める蕎麦屋に通っている。彼女を食事に誘う計画を立てているが、そこから先がなかなか切り出せない。その日、初美の住む東隣の老人宅から出火した。消火活動が始まり、彼女の部屋に侵入したその時、四ヶ月の娘が取り残されていると無線が入った。先月の今日、息子を亡くした後輩を元気づけようと救出を指図した。だが、ベビーベッドの中は空だった。

「傍聞き」
先輩刑事だった夫を逆恨みで轢き殺されてから、羽角啓子は女手ひとつで娘を育ててきた。その娘は怒ると口を利かなくなり、ハガキを介して立腹の原因となった不満を伝えてくる。だからその理由を知るのは数日後になる。一方、捜査中の通り魔事件が難航する最中に、自宅の裏手に住む老女の家が強盗に遭い、啓子がかつて刑務所に送った横崎という男が容疑者として拘留された。その横崎が自分に対して復讐を企んでいるのではないかと危惧した矢先、横崎は留置場に面会にくるように求めてきた。そこである情報が告げられる。

「迷走」
室伏光雄は救急隊員。義父になる室伏隊長と組む出動は今日が初めてだった。その搬送の帰りに消防無線のアラームが鳴った。被害者は腹部をナイフで刺され出血していた。しかし受け入れ先の病院が見つからない。その時、患者は増原という医者に電話してくれと言い出した。その増原の運転する車が妻が乗る自転車に追突し、彼女は車椅子に座る生活を送ることになった。だが、目撃者の証言や、他の証言があったにも関わらず、増原は不起訴になった。その担当検察官をしていたのが、この患者だった。


作品タイトルがなかなか凝っている。まずは「迷い箱」。捨てなくてはと分かっていても、いざゴミ箱に入れるとなると、つい躊躇してしまう。そんなときは、ゴミ箱とは別の箱を用意して、その迷い箱の中に入れておく。そうして数日も経てば、捨てる決心がつくというもの。「899」は消防署の無線で使われる符丁。「傍聞き」とは、かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くと、ころっと信じてしまうこと。このタイトルが、ことの真相に至るキーワードになっている。日本推理協会賞短篇部門を受賞した表題作はさすがにうまい。ただ、それ以外の作品は、オチが読めてしまうという甘さも。それとだんまりをする二人の登場人物にイラっときた。でもこういうのは嫌いではない。

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comments

こんばんは。

落ち着いてじっくり楽しめる短編集だったと思います。
ミステリというよりはやっぱり人間ドラマかなあ。

表題作、読めませんでした。
「そばぎき」、って思ってました。意味を聞いてへえと。そういう楽しみもありました。

ちきちき:2009/03/14(土) 20:55 | URL | [編集]

ちきちきさん、こんばんは。
ですよね~。表題作以外は人間ドラマのほうが面白かったです。
そういうところが、「このミス」上位を阻んだのかもですね。

しんちゃん:2009/03/15(日) 20:10 | URL | [編集]

しんちゃん、こんばんは。
ミステリとしてはちょっと弱い面がある作品が多かったですが、仰るとおり人間ドラマが面白い作品でしたね~。
「傍聞き」のように、怒りの理由を知るのは葉書が届く数日後なんてのを実際にやられたらたまらんなぁ~と思っちゃいました(笑)

エビノート:2009/03/16(月) 20:51 | URL | [編集]

エビノートさん、こんにちは。
ミステリは置いといて、特殊なお仕事小説として楽しめました。
葉書もそうだし、理由を言わずに命令されるのもたまらんよね。
この二人は可愛くなかったです^^;

しんちゃん:2009/03/17(火) 12:15 | URL | [編集]

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【長岡弘樹】傍聞き


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