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    2009

03.21

「バスジャック」三崎亜紀

バスジャック (集英社文庫)バスジャック (集英社文庫)
(2008/11)
三崎 亜記

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異質な世界を描く作家ということは、「となり町戦争」を読んで知っていた。この著者は、ずっとこのままで行くのだろうか。そう思いながらこの短編集を読んでいたら、味わいが分かるようになってきた。本を閉じた時には、好き、となっていた。「二階扉をつけてください」「しあわせな光」「二人の記憶」「バスジャック」「雨降る夜に」「動物園」「送りの夏」の七編を収録。

「二階扉をつけてください」
もう町内でお宅だけなんですけどねぇ。そろそろつけてもらえないですかねぇ。二階扉ですよ! 回覧板廻ってきたでしょう? 町内を一周してみる。確かにどの家の二階にも、扉がついていた。私も自宅につけようと、業者に連絡するが――。このシュールな展開から、こうきたかというブラックなオチ。これは「どこでもドア」か!?

「しあわせな光」
今夜は、どんな光景をみることができるのだろうか。部屋の中を走り回る僕がいた。まだ若い父親。エプロン姿の母親。どうやら、この丘の上からは、両親が生きていた頃の懐かしい光景を、窓の中に見ることができるらしい――。切なくも心が温まる素敵なショートストーリー。おばあちゃんに会いに行くのび太くんを思い出す。あれは泣けるねぇ。

「二人の記憶」
僕と彼女のズレは日に日に増していった。一緒に行ったお店、観た映画の内容、誕生日プレゼントに贈った指輪。前回遭った時の記憶が食い違うならまだしも、ひどい時には、五分前の食事の内容さえまったく違っていた――。少し奇妙な恋愛物語。これは切なすぎる。それに勇気あるなぁ。そして、ドラえもんのネタは思いつかないから、もうやめにする。

「バスジャック」
今、バスジャックがブームである。人々は、バスジャックの報道を見ては、心ひそかに応援し、溜飲を下げるのだった。四人の男女が一斉に立ち上がり、動き出した。乗客たちは、バスジャックであると理解した――。バシッと決まるとカッコいいのだけれど、オチが早い段階で見えてしまったし、もう少しページ数が欲しいとも思った。惜しい。

「雨降る夜に」
彼女が僕の部屋に訪れるのは、いつも雨の降る夜だった。自然な動きで玄関へ滑り込む見知らぬ彼女。勝手知ったる様子で本棚の前に立ち、気になった本を開いていく。そうして彼女は、今夜借りる五冊の本を選んだ――。僕の部屋を図書館だと思い込んでいるところがミソで、そこに本好きはグッときてしまう。うちにも来ないかな~。

「動物園」
動物を展示して観せるのが仕事という女性が、依頼されて動物園を訪れた。だが、長年動物と接してきた飼育係にとって、私たちの仕事は、感情的に相容れないもの。そんな相手には、現実を突きつけて見せるに限る――。飼育員との交流と、女性のこだわりと日常の倦怠。これぞ、ザ・三崎ワールドかも。

「送りの夏」
母は、いったいここで何をしているのか。誰と暮らしているのか。小学生の麻美はそれを確かめるために若草荘に来たのだ。不揃いなテーブルを囲んだのは、麻美を含めて十人。その内四人は、精巧に作られた人形のように身じろぎ一つすることはなかった――。誰かを失うことへのけじめ。その失うことに自分の身を馴染ませる人々。こういうお涙ものは生理的に苦手。雰囲気はあるけど。

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三崎亜記
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comments

しんちゃん こんばんは~。
短編集が苦手な私でも、本書は楽しく読む事が
出来ました♪
かなり前に読んだんだけど、
ずっと、「雨降る夜に」が心に残っています・・・。
すごくすごーく素敵なお話しですよね。
本を大切そうに胸に抱えて。。
本が好きで良かったな、そんな風に思いました。

美緒:2009/03/21(土) 22:17 | URL | [編集]

美緒さん、こんばんは。
味わいのある不思議な短編集でしたね。
恋に発展しなくてもいい。ただ来てくれるだけでハッピーだから。
本好きなら 、「雨降る夜に」は別格だと思います^^)

しんちゃん:2009/03/22(日) 19:48 | URL | [編集]

しんちゃんのドラえもんネタ、ちょっと期待しながら読み始めたので、残念でしたわ。でも、ドラえもんと恋愛は難しいですよね。
近所に2階扉のある家があるんですよ。
この本読んでからずっと気になってのです。

なな:2009/03/23(月) 14:03 | URL | [編集]

ななさん、ドラえもんは勘弁してください(汗)
へ~~2階扉の家って本当にあるんだ。
鍵は開けたままなのかな。なんてね。

しんちゃん:2009/03/23(月) 19:02 | URL | [編集]

「雨降る夜に」はいいですよね~♪本好きならばたまりません。1人暮らしをしていた頃、我が家は貸し本屋状態で友達がよく遊びに来ていたので当時のことを思い出しました。猫目当てでもあったと思うけど。(笑)
個人的には『失われた町』が好きな人なので、「送りの夏」も好みでした~(^^)それにしても本当に二階扉があるとは!

板栗香:2009/03/26(木) 07:52 | URL | [編集]

板栗香さん
貸し本屋状態って憧れます。
でも残念ながら周囲に本読みがいない^^;
みんな、もっと本を読もうよ~!
「失われた町」は未読です。むぅ、そういうお話なんだ...。

しんちゃん:2009/03/26(木) 18:12 | URL | [編集]

ちょっと色合いが違う7編がおさめられてましたね。

「雨降る夜に」は、本好きにはたまらないかも。来るといいですね~、何が?(笑)
「送りの夏」私は意外にもこれが一番好きでした。

たかこ:2009/12/30(水) 15:53 | URL | [編集]

たかこさん
独特な世界観が面白いですよね。
嵌ったらクセになる作家さんだと思います。

本好きなら「雨降る夜に」に食いつきますよね。
うちの本棚はいつでも誰でもウェルカムです(笑)

あと来年も今年同様よろしくお願いします。

しんちゃん:2009/12/31(木) 22:36 | URL | [編集]

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