--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

03.25

「きのうの世界」恩田陸

きのうの世界きのうの世界
(2008/09/04)
恩田 陸

商品詳細を見る

人気作家ではあるが恩田陸さんは苦手だ。それなのに、書店でサイン本を見つけてしまい、これはレアかも、とミーハー心に火が着いて、ついつい財布の紐がゆるんでしまった。だがやはり、苦手意識はあるし、本は分厚い。というわけで、これまで積んだままでいた。読み始めると、重厚な雰囲気が待ち受けていた。そう、これが苦手なのだ。数ページで挫けそうになった。しかし町の雰囲気だけで負けてなるものか。そう自分を叱咤して、読み進めることにした。以下は内容紹介。

東京で会社員として働いていた市川吾郎が、ある晩上司の送別会の席から忽然と姿を消し、その一年後、東京から遠く離れたM町の水無月橋で、死体となって現れた。塔と水路の町。M駅前から続く歴史の散歩道を進むと、いたる所に張り巡らされた水路と、町の象徴である二本の塔が目に入ってくる。三の塔も存在したが、その鉄塔は途中からなくなって壊れたままだ。丘陵地を縫うようにうねうねと続く道に入ると、川の音が聞こえなくなり、丘の上に辿り着く。丘の窪みに渡された、長さ五メートルもない、木造の橋。水の無い川に掛かった橋。これが水無月橋なのだ。

バス停に捨てられていた手書きの地図には、赤い矢印が付いていた。その矢印は地図の小さな橋に向かって付けられていた。そう、水無月橋があるところに。誰が地図を捨てたのか。なぜ捨てたのか。地図を捨てた人物は、殺人事件の犯人とイコールなのか。地図に印が付いていた場所で、地図が捨てられた日に他殺死体が見つかったのだから、関連があると考えるほうが自然である。M町を訪れた部外者や、事件と関わりのあった町の人々は想像する。市川吾郎はなぜこの町に現れたのか。市川はこの町の何を調べていたのか。どうして死ななければならなかったのか――。

途中までは面白かったです。徐々に見えてくる市川吾郎の輪郭。彼が取っていた謎の行動。この町の人々が塔に関心を持っていないこと。なぜ三の塔は壊れたままなのか。この町に隠されたある秘密。これらで読者の興味を惹くのはさすがに上手いと思う。だけど、謎を提示しただけで、うやむやのまま終わってしまったものはいったいどう解釈すればいいのだろうか。例えば、置いていかれるハンカチとか、焚き火の神様のことなど、残された疑問が気になって消化不良を起こす。

それとミステリとばかり思っていたら、突然SFの世界に突入するし、この町の創設者一族だから偉大なんだろうと思ったら、意外と小さなことを気にする黒い人であったり、最後に明かされる市川吾郎の死の真相には、そんなアホな!とおもわずツッコミを入れてしまう。ミステリ仕立ての数々の謎の提起は何だったの? というか、不条理極まりない。でも感想を一言でいえば面白かった。多視点を含めた章割りは飽きがこなくて見事だし、不満は多々あるものの、それらが雲の如く消えていくのだから不思議。だけど、やっぱり好きな作風ではなかった。この著者は、自分とは合わないな~と再認識した次第です。

恩田
恩田陸さんのサイン。

他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

恩田陸
トラックバック(9)  コメント(14) 

Next |  Back

comments

こんばんは。
恩田さん、時々前半でぐわ~~~っと盛り上がって
ラストがあれ?って事があるのですが
これはそのパターンだったのかも。
でも、いいんです。恩田さん好きなのです。

なな:2009/03/25(水) 20:57 | URL | [編集]

(*'▽'*)わぁ♪ またまたサイン本が!さすがコレクター(笑)
恩田さんは雰囲気作りが抜群に上手いから、読んでいてどんどん盛り上がるんだけどラストであれれ??ってなっちゃうんですよねぇ・・・(苦笑)これでラストも皆が満足するような形だったら傑作になると思うんだけどな~と思いつつも、恩田ファンだから目をつむっちゃいます。(笑)

板栗香:2009/03/26(木) 07:43 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
5~6冊読んでると思うけど、良かったのは夜ピクだけでした。
前半でぐわ~~~っとで、ラストがあれ?ですか。
ぷぷっ、確かにそのパターンでした(笑)

しんちゃん:2009/03/26(木) 18:03 | URL | [編集]

板栗香さん
なんでそっちに行くのか不思議でした。
恩田ファンじゃないので目はつむれなかったです。
なら、買うなって?見つけると買ってしまう弱い心^^;

しんちゃん:2009/03/26(木) 18:07 | URL | [編集]

お~、恩田さんのサイン本初めて見ました!
町の雰囲気にはゾクゾクっとした魅力を感じたんですけれどね~、それに比べると人間の方は小粒な感じ?
町の魅力を堪能したから、まいっか!となっちゃいました。

エビノート:2009/03/27(金) 20:30 | URL | [編集]

私も恩田さん、嫌いじゃないけど苦手に思ってます。
いつも、苦手やなんやけどなあって思いながらきっちり新刊出るとやっぱり気になって読んでしまう。
そんな作家さんの、らしいお話だったので、やっぱり苦手な感じでした。

ちきちき:2009/03/27(金) 21:32 | URL | [編集]

恩田さんって、結構ラストで、え?って裏切られることがあるので、これも面白かったんですよ、だからこそ、ラストが怖くて。(爆)
まさか町民意識調査だったらどうしよう、ありえる!っておののいてました。
私も特に大好きな作風じゃないのに、必ず読んでしまう自分がいます。

じゃじゃまま:2009/03/29(日) 17:50 | URL | [編集]

エビノートさん
読ませ方はさすがに上手いと思いました。
でも、この雰囲気が苦手で・・・。ミステリ調が裏切られたのも・・・。
だーーーーーって感じ^^;

しんちゃん:2009/03/29(日) 18:24 | URL | [編集]

ちきちきさん
苦手やのに読み続けるって何かあるんでしょうね。
自分にはその何かがなかったことを再認識しました。
やっぱり苦手やったー、と。

しんちゃん:2009/03/29(日) 18:27 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
裏切られることがあるって知ってれば違ったのかな~。
なんか肩透かしで、頭の中には疑問ばっかりが。
これで免疫がついていたりして。

しんちゃん:2009/03/29(日) 18:31 | URL | [編集]

んなアホな。で大爆笑です。個人的にはSF路線でもっとくるのを期待していたんですが。恩田さんのサイン本はいいですね。見かけたらきっと私も即買いしたと思います。

たまねぎ:2009/04/01(水) 21:24 | URL | [編集]

たまねぎさん
まさかこうくるとは思いませんでした。
でもどうやらこれが普通みたいでしたね。
今度見かけたら躊躇するだろうな~^^;

しんちゃん:2009/04/02(木) 18:27 | URL | [編集]

ざわつくような不穏な空気だとか禍々しいまでの美しさだとか、
恩田さんのそういう世界が好きなんです。
ほったらかしで気になってるとこもありますが、
それでもいいんです。
というよりも、これは思ったよりもすっきりしてたかも。

june:2009/04/17(金) 16:10 | URL | [編集]

juneさん
ええっ! これで思ったよりもすっきりしてたかもですか。
いつもそんな感じで、みんなに認められている恩田さんってすごい。
でも自分は遠慮させてもらいます(苦笑)

しんちゃん:2009/04/17(金) 18:19 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

「きのうの世界」恩田陸


きのうの世界 恩田 陸 JUGEMテーマ:読書 塔と水路がある町のはずれ、丘にかかる木の橋「水無月橋」で見つかった死体。1年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか? 分厚い本です。恩田さんみずから「集大成です」と語ってます。恩田さんらしい世界が広

2009/03/25(水) 20:57 | ナナメモ

恩田陸  きのうの世界


大好きな恩田さんの新刊です。私ってあまり新刊に飛びつく読者じゃないんですが、(どちらかというと発売されて少し時間が経って評判を聞いてから読むタイプです。)この本はミステリらしいし、恩田陸の集大成!と宣伝されていたので早速読んでみました。 上司の送別会の

2009/03/26(木) 07:38 | マロンカフェ ~のんびり読書~

【きのうの世界】 恩田陸


三つの塔と水路のある静かなM町のはずれに、水無月橋はある。そこで一人の男が死んでいた。 あなたは水無月橋を見て考える。この風流な名...

2009/03/26(木) 11:18 | ぱんどらの本箱

きのうの世界 〔恩田 陸〕


きのうの世界恩田 陸講談社 2008-09-04売り上げランキング : 5750おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ≪内容≫ ファン切望の最新長編!! 誰も予想できない結末が待っている!!恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。 塔と水路がある町のはずれ、「水

2009/03/27(金) 20:17 | まったり読書日記

きのうの世界


JUGEMテーマ:読書 ファン切望の最新長編!! 誰も予想できない結末が待っている!!恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。 塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。1年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか? あなたは水無月橋に...

2009/03/27(金) 21:34 | ぼちぼち

きのうの世界 恩田陸著。


≪★★★≫ ある橋で男性の遺体が発見された。その男は、一年前に失踪した男だった。名前を変え、その町に住み、住民と接触しながらなにかを探しているように見えた男の目的とは? 町に古くからある塔の存在は? 男と接触した住民たちの視点、彼の痕跡を追う人物の視点、

2009/03/29(日) 17:47 | じゃじゃままブックレビュー

きのうの世界  恩田陸


ようこそ 塔と水路の町へ。 昭和初期の面影を残す建物が立ち並び、最近では観光地として見直されはじめたM町を訪れたあなたは、まずその言葉で迎えられるだろう。 その言葉の通り、駅前から続く道を進むと、いたる所に張り巡らされた水路と、町の象徴である塔が目に

2009/04/02(木) 20:14 | 今更なんですがの本の話

「きのうの世界」恩田陸


きのうの世界クチコミを見る こういうざわざわと不安になってしまうような世界はすごく好きです。厚い本ですが、おもしろくて読みやすかったんでサクサク読んでしまいました。 恩田さんにありがちな、広げるだけ広げた世界が最後でパタパタとあわただしく閉じていく感...

2009/04/17(金) 16:10 | 本のある生活

書籍「きのうの世界」貴子と永遠子の物語


「きのうの世界 」★★★☆ 恩田 陸 著 , 講談社、2008/9/4 ( 482ページ, 1,785 円)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「恩田 陸という作...

2011/03/01(火) 21:58 | soramove

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。