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    2009

04.04

「依頼人は死んだ」若竹七海

依頼人は死んだ (文春文庫)依頼人は死んだ (文春文庫)
(2003/06)
若竹 七海

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わたしは葉村晶という。性別・女、現在無職。以前は長谷川探偵調査所という零細な探偵社に勤めていた(「プレゼント」)。所長から呼び出しがあったとき、そういう話になることは想像していた。わたしはもうすぐ二十九になる。無能とまでは思わないが、有能というほどでもない。不細工とは思わないが、平凡な容貌だ。セールスポイントは貧乏を楽しめること。口が堅いこと。体力があること。要するに、長谷川探偵調査所以外の会社がわたしを雇いたがるとはとうてい思えなかった。フリーの契約探偵・葉村晶が真相を暴く事件簿。

「濃紺の悪魔」
依頼内容は身辺警護。葉村晶は、人気実業家の松島詩織に二十四時間張り付くことになった。しかし、詩織への嫌がらせは日に日にエスカレートしていく。この騒ぎのどこかに、中心があるはず。だが、詩織は中心についての心当たりを頑として話そうとはしなかった。

「詩人の死」
出版されたばかりの詩集の作者は西村孝。相葉みのりの婚約者だった男。彼は一ヶ月前、運転していた車をトンネル脇の壁に激突させた。おかげで、結婚後ふたりが暮らすはずだったマンションはみのりひとりの住居となり、西村の書斎になるはずだった部屋は、葉村晶に無料で貸し出されることになった。友人の婚約者の詩人はなぜ、自殺したのか。

「たぶん、暑かったから」
葉村晶の元に母の友人という市藤夫人が訪ねてきた。市藤夫人の娘、恵子が職場で上司を刺し、重症を負わせた。恵子は殺人未遂で逮捕された。恵子の供述によれば、「よく覚えていない。気がついたら相手が床に倒れていて、自分がねじまわしを持って立っていた」とのこと。警察は精神鑑定を受けさせることにしている。恵子の本当の姿を調べてくださいという依頼だった。

「鉄格子の女」
書誌学のレポートに選んだ挿絵画家で画家の森川早順に関する調査をして欲しい。葉村晶は大学生からアルバイトを引き受けた。調べていくにつれ、葉村はだんだん森川早順に興味を引かれ始めた。彼は謎の多い人物だった。一番の謎なのは、死の三年前に三浦半島に引きこもった理由。そして画風ががらりと変わってしまったこと。答えは彼の遺作「女」の中にあった。

「アヴェ・マリア」
一年前に起きた殺人事件。クリスマス・イブの惨劇、舞台は古い教会。管理人である八十二歳の老婆が死体で発見された。依頼は殺人事件そのものについて調べろというものではなかった。殺人のあった日にいったいどういうことが起きたのかを詳しく知りたい。できれば教会に長い間祭られていて、事件ののち姿を消した聖母マリア像の行方を調べてほしい、というものだった。葉村晶の契約探偵仲間の水谷潔は調査を開始する。

「依頼人は死んだ」
幸田カエデは最近、新進気鋭の書道家として注目を集めている女だが、そうでなくても高校時代から注目の的だった。葉村晶はそのオープニング・パーティーにて、カエデのアメリカ留学時代の友人で、佐藤まどかという女性から相談を持ちかけられた。検診をうけていないのに市役所からガンだという告知が送られてきたと。悪戯だと判断を下した葉村だが、数日後、彼女はガンを苦にして自殺したという。

「女探偵の夏休み」
婚約者を亡くし、マンションの一室を貸してくれたみのりが、旅行中のいっさいの費用を負担するから一緒に来て、と言い出したので、葉村晶は、海辺の高台にあるオーシャンビュー・プチ・ホテルにやって来た。気持ち悪い。なんだか、やっぱり、どうも腑に落ちない。なにか起こりそうな予感がする。なにか、良くないことが。その日、高いところから人が突き落とされた夢を見た。

「わたしの調査に手加減はない」
家賃ただの大家に逆らえず、葉村晶は中山慧美の依頼を受けることを、本人に会う以前に内心で決めていた。とはいうものの、夢のお告げを読み解けという依頼は前代未聞だ。中山慧美の幼なじみだった由良香織は十年前に死んだ。ところが最近になって、毎晩のように香織が夢に出てくるようになった。香織は私に言いたいことがあるんじゃないか。彼女は自殺したかもしれないというのだ。

「都合のいい地獄」
水谷潔が自殺した。葉村晶の友人の夫で、探偵だった男だ。葉村が病院の水谷に会いに行ったのは、一年前の一度だけ。なのに、病院のほうは、自殺する五日前に葉村が面会に来たと言っている。確かめてみると、最近、頻繁に水谷を見舞っていた葉村晶は男性であった。その後、接触を図ってきた悪魔は、葉村がどうしても知りたい謎と知人の命を天秤にかけるような選択を迫ってきた。

いつもと同じく、登場人物たちに癖があり、ラストのオチが読後感を悪くする。とにかく黒い作品だ。だけど、それがこのシリーズの売りポイントになっている。その中で、主人公の葉村晶はハードボイルドの人だ。ものすごくクールで、思ったことをストレートに相手にぶつける辛口で、気になったことはとことん調査する。そうして粘り強く調査を続け、隠されていた真実を白日の下に暴き出す。そして、連作短編の最後に待っているのは、これは長編だったのかと思わせるスケールの大きい一編だ。最高で最悪だけど、これは癖になる。これから読み始めるという方は、シリーズ第一作の「プレゼント」からどうぞ。

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若竹七海
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