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    2009

04.05

「英雄の書」宮部みゆき

英雄の書 上英雄の書 上
(2009/02/14)
宮部 みゆき

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英雄の書 下英雄の書 下
(2009/02/14)
宮部 みゆき

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主人公は小学五年生の森崎友理子。ある日、中学二年生の兄・大樹が同じクラスの男子生徒を二人、傷つけた。一人はお腹を刺し、一人は首を刺した。首を刺されたクラスメイトは、救急車が到着したときにはもう息がなかった。先生たち、生徒たちが事態を知って大騒ぎを始めたとき、大樹は姿を消していた。お兄ちゃんは悩んでいなかった。不機嫌でもなかった。いつものお兄ちゃんだった。完璧なお兄ちゃん。成績優秀でスポーツ万能で人気者のお兄ちゃんが、なぜ。一週間経ち、十日経っても、森崎大樹は見つからなかった。

友理子はふと大樹の部屋に入ってみた。そのとき、友理子は大樹の本棚にあった赤い本の声を聞く。赤い本は言った。あれに魅入られてしまった。あれは人間に取りついて、悪い事をさせる。人を操り、戦を起こし、世の中を乱すことが、あれの本性。あれは英雄というものだから。大叔父が遺した別荘には世界中から古い本が集められた図書室があった。大樹はその図書室から二冊の本を持ちだした。そのうちの一冊が赤い本(アジュ)で、もう一冊が英雄について書かれた写本のひとつ、エルムの書だった。

友理子はアジュと一緒に大叔父の別荘へ行く。すると、アジュの仲間である本たちが次々と話し出した。大樹はただ取り憑かれたのではない。召喚者となった。破獄だ。英雄は解き放たれた。封印は破られた。この世の終わりが訪れる。大樹はあらゆる物語の源泉がある無名の地に封じ込められていた英雄を召喚したのだという。賢者は語りだす。英雄とは、お前の生きるこの輪(サークル)に存在するもののなかで、もっとも美しく尊い物語だ。美しく尊い物語が光り輝けば、そこには同じくらい濃い影も生まれる。それもまた英雄だと賢者は説明した。

英雄の影の部分は、人間の怒りの感情を好む。そして、英雄の影の部分、邪悪なる部分のことは、黄衣の王と呼ぶ。黄衣の王に取り憑かれた人たちは戦を起こす。封印を破り、破獄した黄衣の王は、召喚者の身体を借りて、輪へと降臨する。大樹は、今や黄衣の王そのものへと成り果てた。友理子は兄を救い出すため、本たちの導きによってオルキャスト(印を戴く者)となり、物語の源泉である無名の地へと旅立つ。

内容紹介として、旅立ちまでをずらずらっと書いてみたが、これが長い。長すぎる。そして世界観やもろもろの説明が分かりにくい。英雄や物語という単語が出てくるが、これらは普段使っている意味とは概念がまったく違うものだ。これらは読んでいくと、おいおいと理解できるようにはなるが、それまでは頭の中で?がリフレインすることだろう。これから読むという方、上巻の223ページまでは我慢してください。そこが峠ですから。そして、ここから本当のファンタジーの世界が始まる。

額に紋章を戴いてオルキャストになった友理子は、ユーリと名乗り、魔法が使えるようになる。同行することになったアジュは、赤い本からハツカネズミへと化身して、ユーリを呪文にてサポートする。そして、少年無名僧のソラはユーリの従者となり、狼と呼ばれる戦士のアッシュも同行するようになる。要するに、RPGでいう四人パーティーの誕生だ。

ゲーム好きを公言している宮部さんらしい作品だ。ただ、先にも書いたことに繋がるが、設定を詳しく説明する必要はあったのだろうか。分からないものは分からない。こういう世界だというアバウトなもの、読者の想像に委ねても良かったように思えた。これはこうと詳しく説明されるのは苦痛だった。勉強が嫌いだったのに、楽しみの読書まで勉強とは、ね。

だけど、それを差し引いても面白かったと思う。無名僧の突然の動揺。アッシュとソラの微妙な関係。何かを知ったまま口に出さないアッシュ。どんどん様子がおかしくなってゆくソラ。ファンタジーなのに、随所にミステリー作家らしいサプライズも仕掛けられている。そして、主人公を助けてくれる本たち。本が主人公に語りかけるシーンはどれも美しくわくわくさせる。さらに、続編を匂わせるラスト。ある意味ここから物語が始まるという予感が心憎い演出だった。

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宮部みゆき
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comments

こんばんは。
宮部さんらしい作品なんだけど、確かに最初の
設定部分はちょっとつらいかも(笑)?
でも、ファンタジーとミステリーがうまくマッチしている
宮部ワールドが楽しめました。
続編がありそうなラストも気になりますよね。

mint:2009/04/16(木) 20:28 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
いつまで冒頭が続くんだ、と我慢しながら読みました(笑)
こういうファンタジーの設定説明は苦手です。
でもそれ以降は楽しむことができました。
次は狼でしょうかね~^^)

しんちゃん:2009/04/17(金) 18:15 | URL | [編集]

こんばんわ。TBさせていただきました。
前半は長かったですね。
説明はいくら説明されても理解できなくて始めは読むのに時間がかかりました。
でも、面白かったです。
ゲーマーの宮部さんだからできる作品だと思います。
最後はちゃんとリアルさを残していて、残酷でしたけどこれでよかったのだと思います。
続編、出てほしいですね。
少し大人になったユーリを見たいです。

苗坊:2010/02/07(日) 23:48 | URL | [編集]

苗坊さん、こんばんは。
前半の長い設定説明を理解するのは強敵でした。
でもその峠を越えるとワクワクの世界でしたね。
もし続編があるのなら、上下巻ではなく、一冊でお願いしたいです。
最近の宮部さんって、読む前に萎えてしまうので^^;

しんちゃん:2010/02/09(火) 23:07 | URL | [編集]

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