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    2009

04.09

「ゆりかごで眠れ」垣根涼介

ゆりかごで眠れゆりかごで眠れ
(2006/04)
垣根 涼介

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日系コロンビア二世のリキ・コバヤシ・ガルシアは、ひとりの少女を伴い来日した。少女の名はカーサ。元浮浪児だった。エル・ハポネス――日本人。この日系コロンビア人の通り名だ。母国コロンビアの裏社会に生きる者なら、誰もが知っている。そんな異邦人が、最貧困の貧民窟からのし上がり、大規模なコカイン密輸組織の共同運営体ネオ・カルテルで重要な位置を占めている。組織の古参のボスの一人だ。

リキの部下であるパパリトは、コカの売人に身をやつしているが、本業は殺し屋だ。それが密告によって日本の警察に逮捕された。ゴンザロの組織にパパリトを売られたという事実。それはリキの組織がこの日本で軽んじられたことを意味する。舐められた、と言ってもいい。パパリト救出の件とは別に、ゴンザロの組織に仕返しをする。それも徹底的にやる。それが今回来日の目的だった。

刑事の武田は暴力団への潜入捜査をきっかけに、逆に組織に取り込まれた。そしてコカの中毒者になった。その武田が所属する組織犯罪対策課に密告があり、不法滞在容疑で別件逮捕してみたところ、殺人の容疑が浮上してきた。だが、このコロンビア人が捕まってから三週間というもの、周辺の繋がりがまったく出てこない。その事実自体が、逆にこの男の背後にある強固な組織の存在を濃厚に物語っていた。

若槻妙子は警察を辞めて初めて分かった。自分にはどこにも行きたいところがない。自分から話をしたいと思う相手もいない。世界に、厭いている。将来にも世の中にも何一つ期待することなく、淡々と生きていられる。その少女は道に迷っていた。迷子になったカーサをホテルに送り届けた妙子は、そこで自分と同じ匂いのするリキと出会う。そして妙子はカーサのお守り役を仕事として引き受けることになった。

コロンビア・マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。リキに惹かれてしまった元刑事の若槻妙子。リキなしには生きていけない元浮浪児のカーサ。警察組織の中で歪み、すり潰されていく刑事の武田。リキの部下で、ラティーノの殺し屋のパパリトとパト。危ない綱渡りをしながら生きつづけ、走りつづけることに、息切れを感じている男と女。彼らの未来に待つものは、一体何なのか?

「ワイルドソウル」の南米取材が存分に生かされた作品で、コカインを売りさばくマフィア、冷酷だが信のある登場人物、陽気なラティーノ、火を噴く銃器、腐敗した警察、改造された車、閉塞感の中で生きる男女と、いつもの垣根テイストが散りばめられたガッツリの大長編。重厚ながら疾走感ある文章が軽快さを生み、それぞれの登場人物の壮絶な過去を披露することで読者の興味を引き付ける。また主人公が自分のことよりも少女の行く末を案じている姿にぐっとくる。「ヒートアイランド」や「ワイルドソウル」にあったヒリヒリした緊迫感はないものの、全編を通した約束を守るという一つの想いに胸を打たれた。面白かったです。

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垣根涼介
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comments

ちょっとラストが切なかったの、覚えてます。
南米取材・・・危険じゃないのかな。でも垣根さん好きなんですよね、南米。

じゃじゃまま:2009/04/12(日) 22:55 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
ほんと南米は好きですよね。そしてスポーツタイプの車も。
ラストは切なかったですけど、あれしか安らぎはないと思いました。

しんちゃん:2009/04/13(月) 17:10 | URL | [編集]

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