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    2009

04.14

「幸福な食卓」瀬尾まいこ

幸福な食卓 (講談社文庫)幸福な食卓 (講談社文庫)
(2007/06)
瀬尾 まいこ

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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。我が家では朝ご飯は全員がそろって食べる。母さんが決めた習慣なのに、母さんがいなくなってからも正しく守られている。そして、ややこしいのは、みんなが重要な決心や悩みを朝食時に告白することだ。父さんは父さんを辞めて仕事を辞めて、浪人生になった。母さんは家を出て仕事を始め、家出中なのに料理を届けにくる。元天才児だった兄の直ちゃんは、青葉の会という農業団体で働き晴耕雨読な毎日を送っている。

佐和子の家族はちょっとヘン。だが、それには原因があったと明かされる。五年前、佐和子は父さんを助けるために救急車を呼んだ。そして父さんの命を救った。だけど、それが父さんを気負わせることになった。父さんの自殺未遂はたいしたことじゃない。でも、ずっと小さく家族の中でうずいている。母さんは家を出て、父さんは父さんを辞めた。直ちゃんは真剣さを捨てた。勉強のこと、友達のこと、元通りにしっくりいかない家族のこと。真面目で神経質な佐和子の悩みはつきない。

お父さんを辞める、お母さんを辞める、真剣になることを辞める。ここに登場するのは、家族としての役割を放棄した人たちだ。この人たちのように、ゆがみや困難をぱっと捨てられたら楽だろう。でも普通は自分の立場やしがらみがあって中々できない。しかしこの人たちはさらりとやってしまう。そこがすごく羨ましい。それを冷静に見ているのは、中学生から高校生へと成長していく妹の佐和子だ。

その佐和子にも困難はやって来る。だけど佐和子は自分だけはと困難に立ち向かおうとする。でも実は、家族に守られて生きている。ばらばらのようでいて繋がっているのだ。優しくて温かくてちょっと笑える微笑ましい作品だ。しかし最終章では一転して、佐和子に突然の不幸が降りかかってくる。これがとてつもなく切ない。なんで、こんな目に遭わせるのだと抗議したい。家族の良さや大事さを気づかせるためだとしても、これは酷いよ、やり過ぎだよう。

そんなブーイングをブーブー言っていると、奇抜だと思われた直ちゃんの彼女にしてやられた。身勝手な物言いだけど、本当はいい人だということがこちらに伝わってきた。そして甘いシュークリームを食べたくなった。でも甘いものが苦手なので即あきらめた。だけどやっぱり佐和子がかわいそうだ。どうしても納得できない。それだけ感情移入していたということだけど、瀬尾さんには違う方法で締めくくって欲しかった。

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瀬尾まいこ
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comments

しんちゃん☆こんばんは
家族が全員集まる食卓って、一番大事な場所だと思います。
その日の出来事を話したり、馬鹿話をしたり、美味しかったのはご飯よりも、そんな会話だったのかもしれません。

Roko:2009/04/14(火) 21:10 | URL | [編集]

Rokoさん、こんにちは。
残念ながら家族が揃う食卓とは縁遠くなりました。
それにがつがつ犬食いするタイプなので、会話はあったかな~。
食事に行っても、いつも人が食べ終わるのを待つ人です^^;

しんちゃん:2009/04/15(水) 17:52 | URL | [編集]

家族って、何でも話したり助け合ったりすべき場所ってのが本旨だとは思うけど、実はそれぞれがそこから逃げ出したい場所でもあるんです。
だからこの瀬尾さんの感覚には痺れました。
私だって父さんと夫という立場を捨ててしまいたいって、常々思ってますから(苦笑)
したいけどできないって、結構辛いですよ。

あさと:2009/04/15(水) 21:03 | URL | [編集]

あさとさん
パパって家族のために頑張っても報われない損な存在でしょうか。
子供はママの味方がほとんどだろうし、パパって何?って感じかな。
男は単純だから、おだてたら木に登るのにね(笑)

しんちゃん:2009/04/16(木) 18:29 | URL | [編集]

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『幸福な食卓』 瀬尾まいこ  講談社


幸福な食卓 4編の短編連作。 突然お父さんを辞める宣言をし、勤めていた学校も辞めた父。夕ご飯の用意までしていくのに夕飯前には帰る、一人別居を始めた母。高校ではトップクラスの成績を残しながら、大学には進学しません宣言をした兄。こんな厄介な申し出をする

2009/04/22(水) 01:57 | みかんのReading Diary♪

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