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    2009

04.20

「散りしかたみに」近藤史恵

散りしかたみに (角川文庫)散りしかたみに (角川文庫)
(2001/08)
近藤 史恵

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見たかい。花道からはけてきた瞬間、菊花師匠はそう言った。歌舞伎座での本朝廿四孝の公演中、毎回決まった場面で桜の花びら一枚、ひらひらと落ちてくる。名探偵のあの人を連れといで。師匠の鶴の一声で、大部屋女形の瀬川小菊は今泉の事務所を訪ねることになった。今泉文吾は、小菊の大学時代の同級生で、なにを思ったのか、探偵事務所を開いている。一緒に歌舞伎座へ向かう二人だが、楽屋からすり抜けるように出てきた女性を見た瞬間、この話を下りる、この件には関わりたくない、と今泉は態度を豹変した。

彼女が出てきたのは、市川伊織の楽屋だった。市川伊織。若手の立役の中でも、実力者で通っている男。線が細すぎる、よく言えばあくがない、色気もまったくない。以前はこう評されていた。半年前、彼は芝居が終わって帰宅途中、何者かに襲われ、剃刀で顔を切り裂かれた。だが、すべての人の憶測を裏切って、市川伊織は事件の三ヵ月後、舞台に立ったのだ。彼は傷跡を隠そうとも、見せようともしていなかった。今月も、師匠演じる八重垣姫の許嫁、武田勝頼を演じている。市川伊織と関わりのあるあの女は何者なのか。

今泉が何と言おうが小菊は納得できなかった。八重垣姫は、師匠の代表的な役だし、今度の舞台にだって、師匠がどれほど力を入れているのか。廿四孝の舞台は、師匠が描いた絵だ。その絵に、何者かが違う色をのせている。それが何のためか知りたいし、師匠もなぜそんなことをするのか知りたがっている。だが、今泉は浮気調査の依頼人の夫に階段から付き落とされ、足を骨折して身動きが取れなくなっていた。今泉の指示を頼りに、探偵助手の山本くんと小菊は動きだす。「ねむりねずみ」に続く、梨園シリーズ第二弾。

読み終わってまず思ったことはアンフェアだということ。アンフェアについてはネタバレになるので書くことはできない。だからこれについては読んだかた自信で判断して欲しい。そしてもう一つは、もったいぶった今泉のことが好きになれなかったということ。これは前作の「ねむりねずみ」を読んだ時もそうだった。

探偵役とは、推理過程を最後になるまで明かさないのは当たり前。それは重々分かっているけれど、なぜか今泉に関しては鼻持ちならないやつに思えて、したり顔で登場する度にイラッとしてしまう。今泉の感じの悪さが気になるのは個人的な嫌悪感だろう。でも気持ち良く読んでいるところに水を指すのは辞めて欲しかった。

だが、歌舞伎をまったく知らない人でもするすると話に入り込めるところや、艶めいた情景などは評価できると思う。今泉は生理的にダメだけれど、小菊が山本くんや菊花師匠と会話する場面は面白く読めたし、やりきれない悲しみや想いもこちらに伝わってくる。だけど、先にも少し触れたが、トリックがアンフェアで、別に「ノックスの十戒」の信奉者ではないけれど、そこはすごく残念だった。


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