--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

04.22

「八番筋カウンシル」津村記久子

八番筋カウンシル八番筋カウンシル
(2009/02/20)
津村 記久子

商品詳細を見る

小説の新人賞受賞を機に会社を辞めたタケヤス。実家に戻り、家業を継ごうと考えはじめるヨシズミ。地元の会社に就職するも家族との折り合いが悪く、家を買って独立したいと考えるホカリ。幼なじみの3人が30歳を目前に、過去からの様々な思いをかかえて再会する。久しぶりに歩く地元の八番筋商店街は中学生の頃と全く変わらないが、近郊に建設される巨大モールにまつわる噂が浮上したことで、地元カウンシル(青年団)の面々がにわかに活気づく。そんな中、かつて商店街で起こった不穏な出来事で街を追われたカジオと15年ぶりに再会し…。生まれ育った場所を出た者と残った者、それぞれの人生の岐路を見つめなおす終わらない物語。《本の帯より》

長編を読むのは「ミュージック・プレス・ユー」以来だろうか。商店街は後継者がおらず廃業する店は多い。そこに帰ってきた三十歳を前にした男二人と、そこから出て行きたい女が一人。会社員の働いているにもいろいろあるように、自営業者の働いているにもいろいろある。そのいろいろを地元の青年会という何かと狭い交友範囲の中で固まっている人たちがいる一方で、三人の元同級生たちは、大学を卒業して会社勤めを始めたので地域と関係が浅くなっていた。

彼ら同級生たちは地元の人間関係に依存するのはろくなもんじゃないと言い、狭い地域の世間というやり口の汚さを幼い頃から見て育っている。そこに住む人であっても、地元に対する温度差がある。閉塞感が居心地悪くて飛び出す者、愛着を感じて居つく者、一度は地元を出るがUターンしてくる者。どうするか、どうしたいかは、人それぞれだと思う。でも同じ商店街に生きる者として、意見を一つにまとめたいという青年会に属する人たちがいて、そこに巨大モール建設の話が持ち上がってきた。

その巨大モール建設の社員として、かつて商店街の人たちによって追い出された友達が帰ってきた。主人公は彼ら一家が追い出された経緯をすべて覚えている。想像や噂だけで無実の家族を追いつめた地元の人の悪意を胸に刻んでいる。そして主人公は彼を助けることが出来なかったと悔いている。そんなモール建設の賛成反対に真っ二つ加熱していく商店街の人たちを、三人の元同級生たちは少し引いた位置から見ているようだ。

今やどこにでもありそうな地方の問題。でも本書を読んでいると、この商店街の人たちが悪役に思えてしまうから不思議だ。主人公が回想する過去は酷いものだ。それに地元で慣習化したマイナールールは反感を買うものだ。その考えの狭さや押し付けも反発心を誘う。でも彼らはそこで生きている。だからモール建設は一番の関心事だ。だけど自分らが冤罪で追い出した家の子に聞くことはできない。そこで同級生だった主人公たちに聞けという。なんてご都合な人たちなんだ。

そういった世代間の軋轢をベースに、三十歳の岐路に立った主人公たちが、やっと大人になったと自覚してから、どう自分らしく生きるかをじっと考えて、実行していく。それは、長年の夢だった折り合いの悪い家からの独立であり、シャッターの閉まった商店街のお店の再出発であり、子供の頃からずっと特別だった女の子を忘れることなのかもしれない。三十を前にそれと向き合う彼らの姿に、どこか励まされる気持ちになった。そして、懐かしくもあった。でも大人になったとはまだ自覚できない自分もいた^^;

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

津村記久子
トラックバック(1)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

-


管理人の承認後に表示されます

2014/09/28(日) 18:37 |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。