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    2009

05.05

「図書館の女王を捜して」新井千裕

図書館の女王を捜して図書館の女王を捜して
(2009/03/24)
新井 千裕

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妻は一年前に他界し、その後、人の世の無常を感じたせいなのか、働く気がしなくなり、会社を辞めた。そして世捨て人みたいな暮らしを始めたが、気紛れに何でも屋を始めた。依頼人の美人はミチエと名乗った。依頼内容はデッサンのモデルになって欲しいというもの。だが、彼女は電話をしてきた時から様子が変で、自分が描くのではなく、初対面らしい画家を連れてきていた。

画家のヤガミが描いたデッサン。それは霊の似顔絵で、ミチエの亡くなった夫が自分に憑いていると言われた。ヒロミチという絵の男とは何度か会った覚えがある。ヒロミチの遺言には、こんなふうにも書いてあったそうだ。取り憑いたその人の心に働きかけて、君のことを好きになるように仕向けてやる。だからその人に面倒を見てもらいなさい、と。

明にその奇妙な体験を話した。借家人の明は目が見えない。その散歩のエスコートもまた何でも屋の仕事で、妻が可愛がっていた犬のパピの散歩に明が加わっただけだった。その明と同居している伊藤という老人がそっと教えてくれた。未亡人の夫の霊が大家さんに憑いていることはないそうです。実は坊ちゃんは霊能者なんです。

読書家だった妻は、図書館は花畑みたいだと言っていた。本が花で、自分は蝶。本から本へ、本棚から本棚へひらひらと舞っていた。書架にある全集を読破すると、ホワイト・ローズという香水の香を付けた白い蝶の栞を挟んでいた。妻は自分のことを図書館の女王だと言ったことがあった。妻の作った白い蝶の栞が、人と人、人と死者を繋いでいく。

本の帯にはミステリと銘打っているが、これをミステリと言えるのかどうか。たぶん、妻を亡くした主人公の喪失感と新しい一歩を読者に読ませたい作品だと想像するが、正直これは一体何なのでしょう。人物造形は浅く、どの人物にも魅力を感じないのに、でも時々くすっと笑わせて、読了後には悪い印象を与えない。ほんわかしてのほほんとした作品だ。

その一方で、主人公を誘惑してくるサチエとの攻防で読ませるのか、霊の存在というファンタジーで読ませるのか、亡き妻のことで読ませるのか、すべてが行き当たりばったりで一本の柱となる太い筋がない。一言でいえば中途半端。一つひとつのエピソードがすぐに弾切れになり、そうすると、違う銃に持ち替える。その繰り返しで気がつけば読み終わっていた。

ただふらふらと彷徨うだけで、後に何も残らない。そんな変てこな作品だった。そして記憶にも残ることはないだろう。あとがきの意図も意味不明。でもこちらは印象に残るんだな。「図書館」というタイトルが気になって手に取ったのだが、これは本好きが「図書館」というキーワードに反応して期待する本ではなかった。みなさま、その点はご注意を。

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