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    2009

05.08

「くまちゃん」角田光代

くまちゃんくまちゃん
(2009/03)
角田 光代

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10人いれば10通りの恋があり、10通りの失恋がある。それが恋なのだ。四回ふられても、私はまた、恋をした。五回ふられたって、また恋をするのだろう。なんてことだろう。あんなに手痛い思いをしたというのに――。ある恋が、人生をがらりと変えることもある。こっぴどくふられても、どんなに散々な目に遭っても、いつか立ち直って、仕事に、恋に、真っ直ぐに生きるあなたのための傑作恋愛小説。《出版社より》

くまちゃんに会ったそのとき古平苑子は二十三歳だった。出会いは学生時代の友だちで集まったお花見。モチダヒデユキです、と挨拶した男に見覚えがなかった。実は、くまちゃんはただ酒が飲みたくて見知らない人たちに混じっていた。酔いが進むにつれ席が入り乱れ、気がつけば苑子は彼をくまちゃんと呼んで会話していた。彼がくまの絵のついたトレーナーを着ていたからだ。就職した苑子からすれば、くまちゃんはまだ幼稚で無責任でいいんだ、馬鹿なことで笑っていられるんだと思わせてくれた。苑子はくまちゃんに一方的な愛情を注ぐ。だが、くまちゃんは突然姿を消してしまった。

へらへらしたいい加減な奴で、自分でどうしようもないと言い、何ものにもなれなくて、重いなと思った途端逃げ出してしまうようなダサ男。そんなくまちゃんの本当の姿が作品のラストで明かされ、次の作品ではそのくまちゃんこと英之が主人公となって登場し、次の相手と出会って恋に落ちる。そして今度は英之が失恋する。ふった人が、次の作品ではふられてしまう。そんな失恋がリレーする七つの連作短編集。ふられた主人公を可哀相と思い、次はふられてざまあみやがれと思い、なんか忙しい作品だ。

人を好きになる瞬間ってこれまで意識したことがないけれど、作品を読んで思い出したことがいくつもあった。必ずしも好きなタイプを好きになるわけではなく、ないでしょと思う人を好きになることもある。ふとした仕草にやばいと惚れてしまう恋もある。その人のようになりたくてはじまる恋もあれば、人恋しいときに優しい声をかけられて勘違いしてはじまる恋もある。好きだと言われてその気になる恋もある。そのように始まりはひとつではないように、終わり方もまた幾通りもある。そして恋と共に仕事のことや年齢のこと、自分の将来が同時にある。

ここには二十代前半から三十代半ばのいろんな人が登場するので、自分に似たダメさに共感できる人、それは明らかに間違いでしょとツッコミを入れたくなる人、生理的に受け付けない人、応援したくなる人など、様々な人に出会えるだろう。でもまあ、角田ワールドはフリーター文学でもあるから、いい加減に生きている人の方が圧倒的に多い。そこは頑張って働いている人からすればどうなんでしょうね。でも面白かったです。

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角田光代
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comments

TBさせていただきました。
それにしても、タイトルが、「くまちゃん」でしたね。

時折:2009/05/09(土) 13:09 | URL | [編集]

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角田光代『くまちゃん』


くまちゃんクチコミを見る 角田さん的な「恋愛小説」。 内容(「BOOK」データベースより) 4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。 いつしか、角田光代作品が、漱石作品

2009/05/09(土) 13:07 | 時折書房

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