--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

05.23

「真夏の島に咲く花は」垣根涼介

真夏の島に咲く花は真夏の島に咲く花は
(2006/10/13)
垣根 涼介

商品詳細を見る

ナンディ・タウンは、フィジー観光の玄関口として発展してきた町だ。ヨシこと織田吉昭は、両親の移住に伴い、十六歳でこの島にやってきた。八年前のことだ。日本食レストランの商売が軌道に乗った三年前、この国に帰化した。姿かたちは日本の若者でも、れっきとしたフィジー人だ。日系フィジー人ということになる。

茜は短大を出てすぐに文房具会社に勤めた。少しずつ、世界が煮詰まってきている。狭まってきている。そんなことを感じるようになっていた四年前、初めてこの島にやってきた。この国には、今までの人生で知らなかったものが、絶対にある。去年の春、ワーキング・ビザを取り、この島でしばらく暮らしてみようと決心した。

チョネの働くガソリンスタンドは、ナンディ・タウンの南のとっつきにある。本来はガソリンを入れに来るのが目的の場所が、簡単な故障なら直してくれる修理屋へと様変わりしている。他のインド人経営の店で、修理に出すと必ず正規の工賃を取られる。チョネを含めたフィジー人の大半が貧乏人なので、チョネの善意を頼って持ち込むようになった。

父のお土産物屋を手伝うインド人のサティー。父親は日本人が大好きだ。お土産物を大量に買い、金払いがよく、クレームをつけることもない。でも、好意の理由はそれだけではない。努力と勤勉によって、経済大国になった日本人のイメージと、苦労して現在の経済的地位にまで登りつめてきたインド系フィジー人を重ねるのだろう。

日系フィジー人のヨシは、インド系フィジー人のサティーと付き合い、彼らと高校時代からの友人である生粋のフィジアンのチョネは、日本人女性の茜と付き合っている。のんびりした南国の日常の風景。その日、ラジオから臨時ニュースが流れてきた。国会議事堂が武装集団によって占拠されました。フィジー系住民によるクーデターだった。

イギリスの植民地だったフィジー。まったく働く意欲のないフィジー人にイギリス人は業を煮やし、同じ植民地だったインドから大量の労働者を半強制的に連れてきた。そういうバックグラウンドがあってクーデターが起こり、人種の違う四人の若者は、民族的な価値観の違いがより顕著になり、時の流れに呑まれていく。

日本人やインド系フィジー人が持つ勤労勤勉とは程遠い民族性のフィジー人。その特有の無邪気さがある一方で、自分は働かないのに働いて儲ける人を嫉妬するというような、経済主義に馴染みきれない国民性からくる考えは理解の範疇を超えていた。また短絡的に暴動へと走る姿に背筋がぞっとした。そして中国人の拝金主義もまたお尻のあたりがもぞもぞとする。

しかし、そう思ってしまう日本人的な思考が必ずしも正しいとは思わない。彼らは経済という感覚がなくても生きてこられた。そう、経済は後から持ち込まれたものでしかない。山に入れば食べるものがあり、魚もふんだんに採れるので、何もしなくてもとりあえずは食べていくことができる。彼らはそれで幸せであり、その生活こそが楽園だったんじゃないだろうか。そのようなことを読んで感じました。


垣根涼介さんのサイン。

垣根


他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

垣根涼介
トラックバック(2)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

なるほど~。しんちゃんのレビュー読んで、なるほどなるほど、と思いました。(爆)
どうもイマイチ乗れなかった作品だったので・・・チョネっていう名前もど~してもコロネパンを想像しちゃってうまく乗り切れなかったんですよね。(更爆)

じゃじゃまま:2009/05/29(金) 23:47 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
うわちゃ!?偉そうなことを語っていますね、オレ。
でもきっちりタイブの日本人は、型がないと生きにくい人種なのに、自由に対する憧れだけは人一倍強い。
そこが前面に出た作品だと思いました。

しんちゃん:2009/05/30(土) 21:38 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

「真夏の島に咲く花は」垣根涼介


「真夏の島に咲く花は」垣根涼介(2006)☆☆☆★★ ※[913]、国内、現代、小説、フィジー、青春、豊かさ 2000年軍事クーデターのあった観光立国フィジーを舞台にし、四人の若者の男女を主人公とした物語。しかし物語は彼ら若者の物語というよりは、友情やあるいは恋愛

2009/05/24(日) 20:40 | 図書館で本を借りよう!~小説・物語~

真夏の島に咲く花は 垣根涼介著。


≪★★≫ やっと読み終わったよ~。前半はきつかった。 フィジーという島になにかを見つけにやってきたアコ。ワーキングホリデーで滞在しながらフィジアンのチョネと付き合っている。チョネと、インド系フィジアンのサティー、そしてその恋人である日本人のヨシは同級生。...

2009/05/29(金) 23:41 | じゃじゃままブックレビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。