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    2009

05.25

「てのひらの闇」藤原伊織

てのひらの闇 (文春文庫)てのひらの闇 (文春文庫)
(2002/11)
藤原 伊織

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飲料会社宣伝部課長の堀江は、人員削減策の早期退職に応じ、サラリーマン生活も残すところあと二週間だった。その日、会長の石崎から呼び出されたのは宣伝部長と退職間際の製作担当課長。石崎は個人的な相談があるので意見を聞きたいという。そう言ってビデオカメラを操作すると、映像が流れはじめた。マンション五階のバルコニーから、幼児の上半身がはみだしている。直後、彼はバルコニーから転落した。次の一瞬、走りこんできた男はおちてきたものをキャッチし、両腕で抱きとめた。

石神が偶然ビデオに写したという人命救助の場面。この映像を、テレビCMにつかえないだろうかということだった。しかし、再度一人でビデオ映像を見た堀江は、それがCGで製作されたものだと気付き、そのことを石神に指摘する。その夜、石神は自宅の部屋で首を吊って自殺した。石神はなぜCGの偽造映像を製作したのか。しかもそれをなぜCMに使おうとしたのか。そして自らの命をなぜ絶たなければならなかったのか。堀江は二十年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出す。

ここまでならジャンルで言えば企業ものミステリーだ。しかし、ハードボイルドの藤原伊織はこのままでは終わらない。主人公の堀江はかつて暴力団組織の息子だった。それも、この時代なら広域暴力団に指定される組織の中核団体だ。そして、中学を出たころにはもういっぱしのやくざを気取っていた。なんてぶっ飛んだ設定なんだ。しかもこの事件の間、堀江は風邪の高熱でフラフラと朦朧状態。それでも喧嘩に強い。そして女にモテる。おまけにカッコいい。

そんなスーパー・サラリーマンを取り巻く脇役の人々にも当然だが魅力があった。女性部下の大原は堀江を慕う一方で行動力が抜群だし、上司で同僚の柿谷はエリートらしく切れ者で、バーの店長ナミちゃんは派手にバイクを暴走させて、その弟マイクはすべてを悟っているようだ。そして堀江と因縁のある亡き石神会長もまた、ストーリーが進むにつれて欠点が明らかになる一方で、奥の深い人物であることが分かり、堀江が事件に執着する傾倒ぶりに納得してしまった。

やり過ぎやご都合主義を指摘する方がいるかもしれない。だが、これはエンタメであって、藤原流のハードボイルドなのだ。楽しければいい。わくわくできればいい。さり気なくかわいくて、時おりカッコよければいい。ユーモアがあって、痺れさせてくれればいい。そして続編が読みたくなれば、それは藤原伊織の術中にはまっていることで間違いない。そういう方は、続編「名残り火 (てのひらの闇2)」へGO! 自分は寄り道をするだろうが絶対に読むし。とてもおもしろかったです。

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