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    2009

05.28

「風の中のマリア」百田尚樹

風の中のマリア風の中のマリア
(2009/03/04)
百田 尚樹

商品詳細を見る

女だけの帝国が誇る最強のハンター。その名はマリア。疾風のマリアと呼ばれるオオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ)だ。彼女たちの巣は一頭の女王バチと大勢のワーカーたちで構成されている。ワーカーはすべて女王バチから生まれた娘たち。オスは一頭もいない。大スズメバチの巣は女だけの帝国なのだ。ワーカーはメスだが卵を産むことはできない。産卵することができるのは女王バチだけで、ワーカーは妹たちを育てる役目を負う。

マリアたちの一番重要な仕事は幼虫たちにエサを与えることだ。妹たちは新鮮な肉しか食べない。そのためにマリアたちが虫を狩り、その肉を与える。だからマリアたちワーカーは一日中、獲物を狩りにいく。オオスズメバチは、幼虫時代は肉食だが、成虫になると逆に肉など固形物は一切食べられなくなる。そのために樹液や花粉が食物の代わりとなるが、最高の栄養源は幼虫の出す唾液だった。

オオスズメバチは昆虫界の食物連鎖の頂点に立っている。最大の体長を誇り、最強の戦闘能力を持つハチだ。どんな昆虫をも噛み殺すことのできる巨大な顎と固い牙。何度でも刺すことができる鋭い針。防御力も極めて高い。甲虫に匹敵するほどの強固さを持っている。飛翔力も桁外れだ。最高速度は時速三十キロを超える。そして無尽蔵とも言えるスタミナ。一日に百キロ以上も飛ぶ。まさしく戦闘マシンと呼ぶにふさわしいものだ。

ただ戦うために生まれ、その命はわずか三十日。本書は、そんなオオスズメバチの生態を伝えると共に、マリアたちの一生をかけた冒険譚として、さらに帝国の歴史絵巻としても読める作品だ。正直に言うと虫は苦手。というか怖い。そんな虫嫌いでも、読み始めてすぐに作品世界にのめり込んだ。とにかくすべてが壮絶だ。弱肉強食。食うか食われるかの戦いが残酷で凄まじい。

マリアは、「見逃してくれないか」と懇願する獲物を容赦なく殺す。わずか数頭の仲間とミツバチの巣箱を襲ったマリアは、「この敵を殲滅せよ!」という本能の声を聞き、何かに取り憑かれたようにミツバチを殺戮する。それは生まれた妹たちのためであり、偉大なる母のためであり、帝国の発展のためだ。マリアは心の中で強く言う。自分は一生戦い続ける女戦士だと。

その一方で、恋も知らず、子供も産めず、なぜ戦うのか、死とは何かと、マリアはふと気持ちをぐらつかせてしまう。そんなマリアだが、偉大なる母が次の世代の女王をこしらえるように命令した時、初めて自分たちの使命を理解する。来るべきこの時のために闘ってきたのだと。結末を言えばマリアは散る。でもマリアたちの遺伝子は次の世代に引き継がれていくのだ。

命の不思議を感じた。ハタラキバチの使命も理解できた。そして次の世代へのバトンタッチには、自然界のサイクルの激しさと、限られた時間しか生きることができないことや、女王の命令の下で一生を捧げ殉じる生き物がいて、それ以上に淘汰されていく生き物がいることを知った。「ボックス!」のわあっという勢いで読む作品も面白いが、じっくりと読むこの作品も面白かった。著者の百田尚樹さんに一言。ブラボー! 最高でした。


そして、前作に続いてまたもサイン本を。

百田2

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comments

こんにちは。
お久しぶりです。

今回の百田さんの本も読みごたえがありましたね。
オオスズメバチの生態が詳しく書かれていたし、
話に勢いがあって一気に読みました。
わずか30日の命なんだけど、次の世代に
命をつないでいこうとするたくましさがすごいなと思います。
こういう一生もあるのね、という感じですね。

mint:2009/06/03(水) 12:58 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
めちゃめちゃ読みごたえがありましたね。
ハチを擬人化すると、まさかこんな物語になるとは。
すごい、という言葉しか出てきません。すごい。

しんちゃん:2009/06/04(木) 17:37 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
お久しぶりです。コメント遅くなってすみません^^;
この作品、大人もそうですが、子供たちが読んでも
夢中になる作品だと思います。
殺戮のシーンは凄かったですね。
私はマリアに感情移入してしまい、一気に読んで
しまいました。
わわ。サイン本。羨ましいです(^_^)

naru:2009/06/08(月) 22:28 | URL | [編集]

naruさん、こんばんは。
虫は大嫌いですが、マリア~!と感情移入でした。
またハチの短くてハードな一生が切なくて、涙しそうになりました。
ハチで読ませるなんて、ほんと驚きの作品でしたね。

しんちゃん:2009/06/09(火) 18:23 | URL | [編集]

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『風の中のマリア』 百田尚樹


今日読んだ本は、百田尚樹さんの『風の中のマリア』(2009/03)です。

2009/06/03(水) 12:49 | いつか どこかで

百田尚樹『風の中のマリア』


オオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ)の物語。 さて感想。 ものすごく面白かったです!! 感動しました!! そして、何より素晴らしい作品でした。 虫が嫌いなので、蜂の物語と聞いて「読むのどうしょうかな」と 思ったんですが^^; 正直言うと、こんなに感動する

2009/06/08(月) 22:32 | 待ち合わせは本屋さんで

百田尚樹『風の中のマリア』


風の中のマリア百田 尚樹講談社このアイテムの詳細を見る 今回は、百田尚樹『風の中のマリア』を紹介します。長くて30日余りしか生きることが出来ない、オオスズメバチのマリアが活躍する話である。メスのマリアはオスと恋をすることもなく、母となって自分の子供を育て

2010/02/27(土) 06:52 | itchy1976の日記

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2015/10/16(金) 20:38 |

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