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    2009

06.07

「捨て猫という名前の猫」樋口有介

捨て猫という名前の猫 (創元クライム・クラブ)捨て猫という名前の猫 (創元クライム・クラブ)
(2009/03)
樋口 有介

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「誰もわたしを愛さない」で、新たに柚木草平の担当となった月刊EYES編集部のメガネ美女、小高直海。編集部期待のエース候補として、日夜編集業務に携わる彼女が受けた一本の電話が、柚木を深い憂鬱に誘うことに。「秋川瑠璃は自殺じゃない。そのことを柚木草平に調べさせろ」若い女の声でかかってきた奇妙な電話は、そう言って切れた。それは一週間前に、女子中学生が三軒茶屋の雑居ビルから飛び降り自殺を図った事件だった。

中学一年の瑠璃は、まじめで責任感が強くて勉強もできて、将来は獣医師になるという希望もしっかりもっていたような優等生タイプ。外見はアイドルのように可愛い子で、街でもよくスカウトされたとか。瑠璃の両親は十年ほど前に離婚している。父親は傷害致死罪で服役経験があるから、離婚の理由はそれだろう。仕事はビルの清掃だという。母親のほうは、マッサージ店とレストランとエステサロンをやっている。柚木は担当編集者への義理として、瑠璃の生前の足跡をたどってみることにした。

柚木は、瑠璃が通っていた手作りアクセサリーショップで美人オーナーの香乃、そして青井麦という少女と出会う。その翌朝、柚木の部屋のチャイムが鳴り、出てみるとびしょ濡れの青井麦が睨みながら立っていた。月刊EYESに電話をしてきたのは、麦という無愛想な少女だった。彼女は、家がなくて泊まるところはネットカフェか、友達の部屋。家族がいるのかいないのか、生活費はキャバクラ勤めで稼いでいた。まるで捨て猫のようだ。その麦が今度は遺体となって発見された。事件の背後に蠢く存在と、その真相とは?

永遠の三十八歳という柚木は、今回も冒頭から笑わせてくれた。カモノハシを見にオーストラリアに行きたいと言っていた娘の加奈子を連れて、代替としてやって来たのはある温泉施設。柚木はある疑問を娘に対して口にする。小学校の六年生になって、おまえの同級生は、今でも一般的に父親と風呂に入るのか。それに答える加奈子に爆笑し、さらに柚木を困らせるような会話を続ける大人な加奈子に、ふるふると震えながら腹を抱えた。

このシリーズは、こういったレギュラー陣のちょっとしたやり取りが読者のテンションを上げる。ヒステリー持ちの小高直海や、理論で責めてくる別居中の知子や、柚木と訳ありの関係にある警視庁の吉島冴子警視や、「夜明けのコーヒーを一緒に飲もう」と誘ってくるゲイ・バー「クロコダイル」の武藤健太郎や、本庁捜査一課のベテラン刑事・山下六助もそうだ。シリーズの楽しさって、こういうところにあるのだろう。

その一方で、事件は陰惨な方向へと進んでいく。へらず口やナンパな柚木にしてもめずらしく落ち込むような展開だ。そして二転三転した後に明かされる真相は、そうとうに毒気が強く、その身勝手さに読者はツバを吐きたくなるかもしれない。しかし著者の仕掛けたラスト三行に、灰色のもやもやが吹っ飛んでしまった。あれは反則でしょ(笑) でもこういう離れ業は好きだ。期待通りにおもしろかったです。


樋口有介さんのサイン。

樋口有介

他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」


柚木シリーズ
「彼女はたぶん魔法を使う」
「初恋よ、さよならのキスをしよう」
「探偵は今夜も憂鬱」
「刺青白書」
「夢の終わりとそのつづき」
「誰もわたしを愛さない」
「不良少女」
「捨て猫という名前の猫」

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樋口有介
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