--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

06.09

「三人姉妹」大島真寿美

三人姉妹三人姉妹
(2009/04)
大島 真寿美

商品詳細を見る

大学を卒業しても就職せず、就活もせず、単館映画館のバイトで小遣い稼ぎをしつつ大学時代から続く仲間と映画作りに励んでいる水絵は三人姉妹の末っ子。上の姉の亜矢は離婚するだのしないだの、といって息子の尚をつれて実家に戻ってきた。母親はたまにしか会えない尚が思いもかけずやってきたものだから、大喜びで孫をいじくり回している。下の姉の真矢は一年つづいた不倫を脱却し、今やすっかり調子を上げて、仕事と遊びにかけずり回っている。

水絵は一つ年下の右京くんと付き合い出して一ヵ月半。自分から好きになって、自分から接近していって、首尾良く付き合いだせたのに、全然愛されている気がしない。考えるのは右京くんのことばかりだった。私はこんなふうにならないと思っていたのに。姉たちの恋愛を間近に見てきて、ずいぶん賢くなっていると思っていたのに。いざ好きになってしまうと、姉たちがやってきたこととあまり変わらない気がした。なんでこんなに好きなんだろう?

その一方で、上の姉の離婚騒動による修羅場が起こり、姉にとっては小姑にあたる雪子さんと夜中のドライブを楽しみ、下の姉の真矢が謎の奇病に罹り、行きつけのバーのグンジさんはぎっくり腰になり、単身赴任から帰ってくる父の顔を見たくないと母は家出し、聞こえてくる恋人の二股疑惑に泣きわめき、撮り始めた映画の頓挫と共に気持ちが冷めて、なんの前触れもなく巣立ちのそそのかしがもたらされる。

三姉妹のみなが好き勝手に過ごしていて、でもお互いのことを話すまでもなく、知っている。そしてそれぞれに役割のようなものが自然と出来ていて、それでいて多くを干渉しない。三者三様の個性がぶつかることなく、何とも絶妙なコンビネーションで支え合っている。ここにあるのは、ぬるま湯に浸かっているようなまったりとした日常でしかない。でも実際の生活って、こんなものかもしれない。

別に大きなことが起こらなくても、毎日の中には小さな何がしかの刺激がある。恋人との温度差であったり、仕事のことであったり、愚痴や逃避やらと心の揺れは結構な数があるものだ。時間が経てば、あのとき何を一人で騒いでいたのかと呆れることであっても、そのときは真剣に悩んでいたり落ちていたりする。

そんな姉妹たちの愚痴を聞いてくれるのがグンジさんである。グンジさんはすごくいい人だけれど、かわいそうにまったくもって報われない。またそういう人に限って聞き上手であったりする。だから姉妹は彼に何でも話し、家でもまた、姉妹同士でわちゃわちゃと会話をする。そんなふうにちょっとやかましくはあるが、ゆるやかな毎日が楽しい一冊であった。おもしろかったです。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

大島真寿美
トラックバック(3)  コメント(6) 

Next |  Back

comments

おはようございます。
姉妹ってこんなものなのか~って思いました。
グンジさん、がんばってるのに真矢からはホモだと思われてるし。
亜矢の義妹・雪子が気になる存在でした。

なな:2009/06/11(木) 09:00 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
姉妹というか、長女、次女、三女ってこんなものなのか~と。
グンジさんみたいな星のしたに生まれた人っているよね^^)
雪子さんは謎の人でしたね。彼女だけで一冊の本になりそうです。

しんちゃん:2009/06/11(木) 17:55 | URL | [編集]

こんにちは。
お久しぶりです。

私は自分が3人姉妹ということもあってか、3人の個性がおもしろいなあと
思いながら読みました。
姉妹ってお互いに話はしないけれど、お互いの性格とか恋愛とかわかってるのかも?
雪子さんもユニークで侮れないキャラだったし、グンジさんはちょっとかわいそうだったけど、
でもこういう男性っていそうな気がします。

mint:2009/06/20(土) 11:08 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
3人姉妹ですか?!やはり女同士ってこんな感じでしょうか。
うちは兄妹なので、同性の関係ってのがわからないです。
子供の頃、兄ちゃんが欲しかったな~。
雪子さんとグンジさんはポイント高かったですよね。

しんちゃん:2009/06/20(土) 19:46 | URL | [編集]

うちは二人姉妹ですが、全然仲良くなくて、こんな風な友達感覚の姉妹だったら楽しいだろうなって思いました。
大島さんの、このどうってことない日常を、こんな風に親近感持って読める作風が大好きです。

じゃじゃまま:2009/06/20(土) 22:55 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
わちゃあ。仲良くないのですか。なんと言ってよいやら^^;
大島さんのこういう普通の日々っていいですよね!

しんちゃん:2009/06/21(日) 16:56 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

「三人姉妹」大島真寿美


三人姉妹 大島 真寿美 JUGEMテーマ:読書 大学を出ても就職せず、ミニシアターでバイトしながら仲間と映画作りをしている水絵は三人姉妹の末っ子。長女の亜矢は結婚して子供が一人、次女の真矢は不倫を脱してバリバリキャリア志向。お互いの恋愛事情もバレていて、時...

2009/06/11(木) 09:00 | ナナメモ

『三人姉妹』 大島真寿美


今日読んだ本は、大島真寿美さんの『三人姉妹』(2009/04)です。

2009/06/20(土) 11:02 | いつか どこかで

三人姉妹 大島真寿美著。


≪★★★≫ 大島氏の書くヒロインって、こんな感じ。 どこにでもいる女の子で、特別容姿端麗でもなく、どちらかというとみんなと同じに出来ない不器用な感じの女の子。 水絵も、大学卒業後、フリーターで映研にOGとして参加しながら、見にシアターでバイトしてる女の子

2009/06/20(土) 22:42 | じゃじゃままブックレビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。