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    2009

06.10

「天山の巫女ソニン4」菅野雪虫

天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
(2008/11/27)
菅野 雪虫

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ソニンとイウォル王子が巨山を訪ねてから、五ヶ月近くが経っていた。新しい年が明けて、ソニンは数えで十四歳に、イウォル王子は十七歳になった。ソニンが侍女になるために初めて城の門をくぐった日から、まもなく丸二年になろうとしていた。ソニンは侍女としての仕事や生活にもすっかり慣れ、時間にも心にも余裕のある日々を送っていた。

「妹リアンがおまえに会いたがっている。だから、江南へ来てくれないか?」ソニンは使節団としてやって来たクワン王子から請われたことをイウォル王子に相談すると、イウォルも一緒に行こうとうなずいた。しかしパウロ王が倒れ、イウォルは行けなくなった。だがソニンだけは予定どおり、クワン王子の使節団と共に江南へと旅立つことになった。

その日、復興途中の江南を嵐が襲った。田畑は荒れ、多数の病人が発生した。江南を襲った未曾有の大嵐の被害は、沙維にもすぐに伝えられた。そしてイウォル王子は被害の状況を調べてくるように命じられた。その一方で、国交の途絶えていた巨山の物と人が雪崩のような勢いで入りこんできた。その中には密かな企みを胸に抱えたイェラ王女もあった。

医師団の来訪によって、江南の人々の間では巨山の評判が日に日に上がっていた。それと平行して、援助も沙維よりよっぽど早く、気前がいいじゃないかと、巨山の評価が上がるのに対して、なぜか沙維の評判が落ちていった。そして大輪の向日葵を思わせるイェラ王女の存在は、かつて江南を蹂躙した巨山軍の面影を、まったく感じさせなかった。

第四巻にして、三国の王子王女が初めて一堂に会した。だけどこれまでの中で一番地味な作品だ。なぜなら政治的な駆け引きがメインになっているからだ。まさか児童書で腹黒い外交を読まされるとは思わなかった。また王子王女と言っても、それぞれに立場が違う。イウォルは末王子で、クワンは一族に問題を抱え、イェラは父の狼殺しの王と戦っている。その中で、自分はどう対処すべきかと必死でもがいている。

クワンもイェラもソニンに対して心を開き本音を打ち明ける。そして知らず知らずのうちにソニンに影響を受けた王子王女たちは、自国のことや民のことを考えてある決断をする。それはソニンがいつの間にか三国のど真ん中に立たされているということだ。でも本人はそんな意識をまったく持っていない。ソニンは元天山の巫女から人間になっており、イウォルよりの傍観者でしかない。いや、ソニンは無欲が映す鏡なのかもしれない。

王子たちの本音はどこにあるのか。三国のバランスはどこで保たれているのか。ソニンにとっての幸せとは何か。そういう宿題を残して、本書は第五巻へと続く。次の第五巻は当初からの予定でいけば最終巻である。作品が進むにつれ巫女の意義が薄れてきた感はあるが、最後はどんな到達点に達するのだろうか。続きが待ち遠しい。

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