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    2009

06.12

「ぱちもん」山本甲士

ぱちもん (小学館文庫)ぱちもん (小学館文庫)
(2005/07/06)
山本甲士

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ぱちもんとは、関西弁でいう偽物。まがいもの。ここに出てくる胡散臭い探偵たちは、まさにぱちもんである。探偵以外も登場するが、こちらはぱちもんと関わってしまった人々である。彼らは己の思うままに、大阪の街をところ狭しと駆け回り、中々やるなと思わせておいて、最後にトホホなエンディングを迎えるというブラック・ユーモアあふれる連作短篇集だ。主人公となる人物は各編でフェイドアウトし、そこに出ていた登場人物が次の作品の主人公へとリレーしていく。


「受けた恩義は」
岩坂孝吉は、普段、自分はろくでもないことばかりやっていると、つくづく思う。依頼人からカネだけ取って何もしないとか、引っ張るだけ引っ張って水増し請求するなどしょっちゅうだし、依頼人や対象者に口止め料を要求するという、恐喝まがいのこともやる。たまにちゃんと調査をするにしても、盗聴、盗撮、他人宅の敷地内への侵入など、違法行為に手を染めるのは日常茶飯事である。しかし、だからこそ、受けた恩義だけは忘れない。隣人を殺してしまったという、命の恩人を、救おうと奔走する。

「夫が消えた」
綾野美咲は、どうするべきかを考えた。夫がいなくなってから二日が経った。警察署に出向いて、家出人捜索願の届けを出したが、警察は何もしてくれない。待つしかないのか。近所の目も気になる。あの女の存在も、夫が出ていった原因の一つのような気がする。あの女が隣に引っ越して来たのは、一年と少し前。トラブルの発端は、二ヶ月ほど前だった。ふと失敗しない探偵選びの方法に気づいた。警察に相談してみればいい。警察OBの探偵というのが少なからずいるというし、頼めば紹介してくれるのではないか。

「カネのにおい」
北川武文は、そろそろ興信所を辞めて独立しようと考えていた。その夜、合鍵を使って倉庫に侵入し、使えそうな機器を運び出した。退職金代わりである。車を発進させ、細い道路を走らせているときに、衝撃と共に、はね飛ばされる女性の姿が目に映った。しばらく走らせてから、公園脇の路肩に停めた。当て逃げをした。それは間違いない。だが、女性はすぐに起き上がろうとしていた。つまり、たいした事故ではなかったわけだ。そのとき、近くで接触事故が起き、当事者の口論から、一方的な暴力へと変わるその一部始終を撮影した。

「この悔しさ」
警察署を出た笹岡篤は、前方の後ろ姿を見て、署内ですれ違った松葉杖の女性らしいと気づいた。彼女の顔を見たとき、連想したのは、かつて自分の母が放っていた雰囲気だった。後ろ姿だけで、疲れた感じが伝わってきた。声をかけたいという衝動にかられている自身に戸惑った。近づくと、女性は戸惑った顔で見返した。こんなふうに、思いが焦がれるような体験は、初めてだった。その後、周辺をあちこちと歩いてみた。再会した彼女は、やはり憔悴しているような、生気のない雰囲気があった。彼女は借金を抱えていた。

「もぐらがここにも」
宮尾広志は、張り込みをしたせいで眠かった。張り込みといっても、誰かに依頼されてのことではない。不倫の匂いがするカップルの車がホテルから出てくるところを片っ端から赤外線カメラで撮影し、ナンバーをもとに陸運支局で所有者を割り出して相手に電話をかけるのである。収入の半分ぐらいがこの手の、恐喝まがいのシノギである。その日はまともな依頼が持ち込まれた。製菓会社をやっているが、うちの商品の情報が、商売敵の会社に流れている。社内にスパイがいるか調べて欲しい、という依頼だった。

「しばくど、しまいに」
鮎皮義紀は、標的を物色した。理想的なのは挑発に乗って手を出しそうな金持ちの息子である。特に女連れだと、いいところを見せようとするから引っかかりやすい。殴られるタイミングを計ることは、プロボクサー時代に身についている。鮎河は他人に顔を殴らせて慰謝料を取っている。何故か。正当防衛とはいえ、強盗犯人の少年は死亡した。死亡した少年の遺族を調べて欲しいという依頼をしたところ、探偵の報告では、見舞金ということで五百万円用意したら、息子に線香を上げることを承諾してもいいと、両親の意向が返ってきた。

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