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    2009

06.13

「ヘブンズ・ドア」はらだみずき

ヘブンズ・ドア (角川文庫)ヘブンズ・ドア (角川文庫)
(2009/01/24)
はらだ みずき

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今まで好き勝手に生きてきた二十八歳の勝人の人生に、悪い風が急に吹き始めた。自動車整備工場をクビになり、女に逃げられ、友人に裏切られ、アパートを出ていけと迫られ、病気が発見された。しかも病気は脳にできた癌。脳腫瘍が見つかったのだ。動くと命の危険があるという勝人は、即入院。その夜、病院のヌシと呼ばれる十四歳の少女・白石春海と出会う。七歳から病院で暮らす彼女もまた、余命あと一ヵ月と告げられていた。

同じ境遇だと知った二人は、病院の調理場に忍び込み、偶然見つけたテキーラで乾杯する。「おまえ、知ってるか? 天国で今一番流行の話題って。海だよ。みんな海の話をするんだ。天国には海はないからさ」 春海は幼い頃から病院を出たことがなく、海をみたことがないと落ち込む。そんな姿を見て、勝人は同じ運命を背負ったかわいそうな少女に、海を見せてやると約束した。

病院の前に止まっていたブルーのベンツを盗んだ二人は、そのまま海に向けて出発する。ところが盗んだ車には、拳銃が積まれていた。どうせ死ぬんだ。勝人は郵便局で強盗をはたらいてしまう。そして、トランクを開けて荷物を入れようとすると、漆塗りの立派な重箱が出てきた。蓋を開けると、栗饅頭が整然と並べられている。だが、饅頭を取り出すと、その下にはびっしりとお札が並んでいた。

現金を積んだベンツを盗まれたK3ホールディングスは追ってくる。その一方で、勝人は同じ病院で入院していた十四歳の少女を誘拐し、強盗を繰り返しながら逃亡しているとして警察に指名手配された。両方の追撃から逃げながら海を目指す勝人と春海。しかし勝人の病状は確実に進行していた。全身が痙攣して震えだす。薬を飲んで何とか持ちこたえる。もう二人には時間がない。お互いに肩を支え合いながら、ひたすら走り続ける。はたして、二人だけの天国に、たどりつくことはできるのだろうか。

正直に言うと苦手なジャンルだった。本書や「セカチュー」などの、死んで泣かせますというお涙頂戴ものは生理的に合わない。それなのになぜ手に取ったのか。それは作者がはらだみずきだったからだ。「サッカーボーイズ」を読んで面白かったので、内容をよく確かめないまま買ってしまった。理由はそれだけだ。

本書は映画をノベライズした作品なので、やたらと展開が早い。いい意味で言えばスピィーディーだが、死に対する恐怖感だとか、人生と向き合う場面とかも、あっという間に通り過ぎてしまうのだ。だからどうしても心の揺れがこちらに伝わってこない。シナリオならこれでいいと思うが、小説というカテゴリではこれは非常に不味く、評価を下げざるをえない。

しかしその一方で、死に向かう物語には必ず付きまとうであろう息苦しさや重さや切なさをまったく感じさせなかった。それは自分のようにお涙頂戴ものを毛嫌いする人にとっては、逆に嫌悪なく読めてしまうという効果があった。これはいいことなのだろうか。さらに、「これまで生きてきて、何を成し遂げたのだろう」という勝人の自分への問いの回答に、ちょいと感動してしまった。これには参った。

とりあえず分かったことは、泣ける作品が苦手という人も読めるということ。ラノベのようなライトな一冊でした。

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はらだみずき
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