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    2009

06.17

「嫌な小説」京極夏彦

厭な小説厭な小説
(2009/05/14)
京極 夏彦

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「知りませんからね、読んで後悔しても。」悪寒、嫌悪、拒絶……あらゆる不愉快、詰め込んだ日本一のどんびきエンターテインメント登場――「厭だ。厭だ。厭だ――」感情的パワハラを繰り返す馬鹿な上司に対する同期深谷の、呪詛のような繰り言にうんざりして帰宅した私を、マイホームの玄関で見知らぬ子供が迎えた。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味だ。なぜこんな子が、夫婦二人きりの家に? 妻はその子の存在を否定した。幻覚か? 怪訝に思う私。だが、これが底なしの悪夢の始まりだった……(「厭な子供」より)。「恐怖」と「異なるもの」を描き続ける鬼才が繰り出した「不快」のオンパレード。一読、後悔必至の怪作、ここに誕生! 《本の帯より》

予断を持たずに読むのがベストだと思う。でもあえて書いてみよう。人にとって、厭だと思うことは様々にある。食べ物をくちゃくちゃと噛み鳴らす音や、爪楊枝を咥えてシーシーする行為や、道端にかーっぺっと痰を吐くマナー違反。厭な行為のマイベストスリーだ。こういう生理的なものに留まらず、厭なものはいくらでもある。自慢されることや、嫌味を言われることや、愚痴を聞かされること。相手がいて感じる嫌悪だ。また、針に糸が通らないとか、ねじ穴が潰れてしまったとか、足の小指をぶつけたとか、怒りをどこにぶつけていいのか判らない厭なこともある。

本書はこういった日常にある厭なことが続けざまに起こり、そこに現実を破壊する厭な化け物が現れて、一見解放されたと思った途端、絶望へと突き落とす厭なオチへと雪崩こむ。ただオチは少し単調気味か。何も被害はないが、不気味な子供が夫婦の家に現れるようになった(「厭な子供」)、汚物を撒き散らす老人の世話に妻は疲れ、その行動がどうやらボケを装った嫌がらせにしか思えない(「厭な老人」)、何もかも失って絶望していた男は、宿泊すると幸せになれるホテルの招待状を貰い(「厭な扉」)、預かって欲しいと、仏壇を送りつけられた男は異臭に悩まされ(「厭な先祖」)、未練もないのに、何一つ話が通じずに女と別れられない(「厭な彼女」)、家の記憶が再現されて、厭なことばかりが反復される(「厭な家」)、そして、デジャヴュがループする(「厭な小説」)。

いろんな厭が出てくるが、一番の厭は登場人物にあった。空気が読めずに鈍感なうえに、自分がまともだと思い込んでいる。人として愚鈍なのに、しかも見下してくる。グリンピースが嫌いだと言ったのに、グリンピースを増量で出してくる。こいつらの言動には反吐が出そうだ。眉をひそめるだけで収まらず、殺意が湧いてくる。何が厭かって、会話が成り立っていないところが非常に気持ち悪い。不快だ。それにまともな精神構造の人はダメで、図太くてウザい人だけがのうのうと生きられる世界。主人公でなくとも、あぁ、厭だ、と言葉を漏らしてしまう。しかし前代未聞のエンターテインメントで、厭だけど、面白かった。

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