--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

06.19

「赤い月、廃駅の上に」有栖川有栖

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)
(2009/02/04)
有栖川有栖

商品詳細を見る

有栖川有栖の新天地! 恐ろしくも、どこかやさしくせつない10の奇談。車窓から幻想の風景を望み、いざ幽妖の旅へ。作家生活20周年 記念出版《本の帯より》

一九七〇年の大阪万博が、最後で最高の想い出。地下鉄御堂筋線の車内で、そう語っていたかつての万博少年が失踪した(「夢の国行き列車」)
恐ろしく大きな鳥が見られるかもしれない。男は機関車が引く老朽化した客車に乗り込んだ。列車は目的の駅へと進んでいたはずが(「密林の奥へ」)
五人の物好きが終末に集まり、百物語と洒落込んだ。揃って独身男。彼らは全員がテツと呼ばれる人種だった。最後の蝋燭が消されたとき(「テツの百物語」)
貴婦人と呼ばれるSLの車内で、貴婦人と呼ぶのがふさわしい女性と乗り合わせた。彼女は教え子が交通事故に遭ったと聞いて、飛び乗ったという(「貴婦人にハンカチを」)
この列車の中でも、外でも、何かが着実に進行中だ。車掌の制服が黒くなってゆく。関わった大切な人たちが、出会った順番に窓の外を流れていった(「黒い車掌」)
奇談蒐集家を自称する船長が、自慢の怪談を披露する。船長の言葉が脳裏に谺する。生への執着は、人だけが持つのではない。やはり思念は残るようだ。そのとき海面に視えたのは(「海原にて」)
そこは隠れ家めいた小さなバー。カクテルはよそでは決して味わえない素晴らしさで、鉄道趣味もご愛嬌に思えてくる。そこに自殺した常連客とそっくりな双子の弟を名乗る人物が現れて(「シグナルの宵」)
どうやら死んだらしい。最果ての駅にいた。つまり、この世とあの世を鉄道がつないでいるのだ。三途の川に鉄橋が架かったというその汽車に乗っていると(「最果ての鉄橋」)
廃駅で一夜を過ごすことにした少年は外に出て、はっとした。月が赤い。真っ赤だ。鬼月。よろしくないものがくるので、家の外に出るなと言われていた(「赤い月、廃駅の上に」)
彼は紗枝を二度失っている。一度目は離婚によって、二度目は彼女の死によって。車窓から見えた信じがたい文字。アタシャール。二人だけの秘密の言葉がなぜ(「途中下車」)

本書はミステリーではなく幻想ホラーでしょうか。でもホラーという感じでもなかった。幻想小説というあたりが妥当かな。よって刺激的なものはない。恐えぇ~というものもない。雰囲気があって、じわ~と面白味が広がってくるので、それを噛み締めてみよう。例えば、「夢の国行き列車」では、誰も気づいていない中で、主人公と自分だけがあることを知って、二人だけの秘密の共有感が楽しめる。「テツの百物語」では、怪異よりも興味はやっぱり鉄道かよ!というマニアのマニアたるところに面白味があって、「貴婦人にハンカチを」では、美人に下心あった男性が一転して紳士に転じてしまう変わり身が面白く、「シグナルの宵」では、ミステリーではなく推理小説という雰囲気の中で、結末は逆転しているところにユーモアがあり、「最果ての鉄橋」では、そのブラックなユーモアに笑みさえ零れてしまう。表題作の「赤い月、廃駅の上に」だけは異質な作品。いずれも「テツ」に関連した物語だけれど、もちろんテツ以外の人もふつうに読めます。幻想的な作品が好きという方はどうぞ。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

その他の作家
トラックバック(1)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

『赤い月、廃駅の上に』  有栖川有栖 メディアファクトリー   


廃線跡、捨てられた駅舎。赤い満月の夜、異形のものたちが動き出す−。戦慄の表題作ほか、恐ろしくも、どこかやさしくせつない全10編のテツ怪談を収録。『幽』連載を中心に単行本化。 10編の鉄道に関わるホラーミステリー集。 鉄ちゃんでこれまでにも鉄道...

2009/06/19(金) 23:48 | みかんのReading Diary♪

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。