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    2009

06.20

「モノレールねこ」加納朋子

モノレールねこモノレールねこ
(2006/11)
加納 朋子

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表題作の「モノレールねこ」を含む八編を収録した短編集。

「モノレールねこ」
そのねこは、デブで不細工で、ノラだった。ある日、ねこの首に、赤い首輪がついていた。小学五年生のぼくは、ねこの首輪を見ているうちに、いいことを思いついた。「このねこのなまえはなんですか?」紙にこう書き付けて、首輪にはさんでみた。すると返事はただひと言、こう書かれていた。「モノレールねこ」 ぼくとタカキの奇妙な文通が始まった。/出来すぎのラストだけど、こういうわかりやすい王道は好きだ。ちょっと幸せな気分に浸れました。これも一種の叙述トリック?(笑)

「パズルの中の犬」
結婚して、私は専業主婦となった。家事が苦にならないし、手際もいい方だと思う。だから夕食を作り終え、風呂の仕度を終えると、もうすることがなくなってしまう。夫を待つ間、趣味のジグソーパズルをする。それは「白いパズル」と外箱に印刷されていた。真っ白いパズルは、遅々として進まない。七割ほど完成したパズルに、それは出現した。どう見てもそれは犬だった。/忘れていたパンドラの箱を開けちゃったという作品。それにしてもこの母親は…ごめん、許せなかった。

「マイ・フーリッシュ・アンクル」
人生が一変するような報せがある日突然やって来た。海外旅行にいった家族全員が亡くなった。残されたのは中学生の私と、ダメでオロカで頼りない私の叔父さんだった。テツハル叔父はお父さんの歳の離れた弟だ。家族みんなで寄ってたかって甘やかした結果、叔父さんはとんでもないロクデナシに育ってしまった。こうして、叔父さんと私の生活は始まった。/ニートでダメ男で大馬鹿の叔父さんだけど、家族ってありがたいな~と思えた。ちょっとかわいかったし。

「シンデレラのお城」
気がついたら、独りでいることに何の恐怖心も不都合もない自分がいた。なのに、世間って冷たい。「どうして結婚しないの」なんて大きなお世話なことを聞いてくる。親からはいい加減身を固めろと言われ続けている。偽装結婚もありかなと思っているという三十も半ばの私の話に、もうすぐ四十になる独身男のミノさんは乗ってきた。数ヵ月後、私たちは晴れて偽物の夫婦となった。そしてそこには姿の見えない瑞樹という女性もいて。/こういう精神的なものを抱えた作品は苦手。気持ちは判るけど、怖くって。

「セイムタイム・ネクストイヤー」
なぜ私は生きているのだろう?あの子はもういないのに。三十も終わり頃になって、ようやく授かった子供だった。悲嘆に暮れる私を見かねて、夫は気晴らしに旅行に行こうと誘ってくれた。では一人で行きたいところがありますと言った。そこは、七五三のお祝いも兼ねた、娘の誕生祝いをしたホテルだった。あのときのホテルの、同じ部屋を予約してもらった。あのときと同じ、娘の誕生日に。/素敵な嘘というのもある。その嘘に騙されたいという人もいる。でも残念ながらリアリティがない。

「ちょうちょう」
俺はラーメンが好きなことにかけては、誰にも負けない自信があった。とは言え、大学出たての俺が一店舗を構えることができるのは、偉大なる叔父上のおかげである。そして俺は開店までのあいだ、本店でみっちりと修行を積んだ。厨房には俺と叔父の片腕と呼ばれていた上田さん。そしてアルバイト店員に恵ちゃんともう一人、北岡蘭子という女の子を雇った。こうして、「ラーメン蝶々」二号店は、順風満帆のスタートを切ったのだが。/見た目は大事だけど、中身はもっと大事ということかしら。いいコンビになりそうな予感。

「ポトスの樹」
俺の親父はどうしようもないクソオヤジで、扶養された憶えはひとかけらもない。はっきり言って、俺のストレスの大部分はクソオヤジが原因なのだ。社会人になったのを機に、俺はさっさと家をおん出てやった。まさに、人生最高のときだった。だが、ちょっとばかり、俺は迂闊だった。親というものが嫌でも密接にかかわってくるイベントを、ひとつ失念していたのである。/本当にクソオヤジだけど、孫だけは別ということか。自分の親だったなら問題があるけれど、お調子もんは嫌いじゃない。

「バルタン最期の日」
俺は公園の池に住む、一匹のザリガニだ。この世に生を受けてから、まだ一年にも満たない。それは文字通り、天からのプレゼントに見えた。自慢のハサミで、かぶりつこうとした、まさにそのとき。俺はつかんだ獲物ごと、水の外へと放り出された。子どもは俺をバケツの中にぽとりと入れた。俺はバケツに入れられたまま、フータの家まで連れて行かれることになった。そして俺はバルタンと名付けられた。/これ傑作かも。ザリガニが見た、フータの家族の屈託。おもいっきり笑わされました。そして感動も。

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加納朋子
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comments

 はじめまして、おりえと言います。
 この作品読みましたが、何気にどれも粒揃いだった記憶があります。加納さんの作品ではこれが一番のお気に入りかも。
 私は「ポトスの樹」が一番好きでした。最後のシメというオチというかピリリと効きました。

 「バルタン最期の日」も良かったです。まさかザリガニで感動するとは思いませんでした。

おりえ:2009/06/21(日) 01:25 | URL | [編集]

おりえさん、はじめまして。
どうしてもシリーズものに目が行きがちですが、短編集も中々読ませてくれました。
「ポトスの樹」も面白かったですね。でもうちのクソオヤジと重なるところがあって、自分には少々刺激が強かったです。
意志のある「バルタン」は、面白くって感動でした。もしフータ一家が真相を知ったなら、と思うと泣けてしまいます。

しんちゃん:2009/06/21(日) 17:05 | URL | [編集]

こんにちは。はじめまして。^^)きよりんといいます
私も「ポトスの樹」大好きです。
自分のオヤジになるなら、あれはごめんこうむりますがww
バルタンは、感動しました。あのサラっとした口調がいいのかも。

きよりん:2009/06/22(月) 01:23 | URL | [編集]

きよりんさん、はじめまして。
「ポトスの樹」って人気あるんですね。
自分の場合、主人公の俺と仲良くなれそう。愚痴を言い合うという、負の方面で^^;
窒息しそうで苦しむバルタンも面白かったですよね。

しんちゃん:2009/06/22(月) 16:28 | URL | [編集]

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