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    2009

06.21

「パラドックス13」東野圭吾

パラドックス13パラドックス13
(2009/04/15)
東野 圭吾

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日本時間で、三月十三日の午後一時十三分十三秒。P-13現象と呼ばれる事態は地球全体に関わる緊急事態だと、宇宙科学研究本部から総理官邸に報告された。公表すれば、間違いなくパニックが起きる。風評被害も出るだろうし、これに乗じて犯罪が起きることも予想できる。この件については一切極秘にすべきだと決められた。だがその一方で、最高レベルの警戒態勢を取る方針が打ち出された。

自分の身体が何かを通過していく感覚があった。同時に何かが全身を通過していく感覚もあった。その直後に警察官の久我冬樹は我に帰った。激しい爆発音で後ろを振り返った冬樹は、目の前で繰り広げられている光景に仰天した。あらゆる車が暴走し、あちらこちらで衝突していた。運転席には誰も乗っていない。火災が激しくなっている場所も少なくない。何が何だかわからなかった。世界から人々が消えたのだ。どこもゴーストタウンのようだった。

ファッションビルに小さな女の子が座っていた。少女が指差した先に女性が倒れている。女性の名は白木栄美子といった。娘のミオと二人暮らしなのだという。寿司屋で寿司を食っている男がいた。男は新藤太一といった。バイトを転々としているという。その時、ラジオから声が聞こえた。生存者はいますか。これを聞いた人は、東京駅まで来てください。災害時用の放送だった。自分たち以外に生存者がいるということだった。

ラジオ放送を流していたのは、警視庁捜査一課の管理官である兄の誠哉だった。そして集合場所には他の生存者の姿もあった。技術屋のサラリーマンは小峰義之といい、大手建設会社に勤務していたらしい。専務の戸田正勝は、重大な取引があったのだという。女子高生は中原明日香。老夫婦は、山西繁雄、春子と名乗った。アナウンスしていた女性は、富田菜々美といった。看護師をしているという。

彼らは安全確保のために移動したマンションで赤ん坊を見つけ、ホテルで倒れていたヤクザの河瀬を助けた。そして今後の生活の拠点にするには絶好の場所だと、総理官邸を目指すことにした。官邸の被害は殆どなく、発電設備も整っているし、食料の備蓄もある。だが平坦な道など、どこにもなかった。ところによっては隆起し、ところによっては割れたり陥没したりしていた。破片は巨大な瓦礫と化し、地面はすべて泥水に覆われている。

なぜ彼らだけがここにいるのか。人々はどこに消えたのか。生き延びるにはどうしたらいいのか。そして一人、また一人と、命が失われていく。それは、この世界の掟だからかもしれない。この世界は、パラドックスの辻褄合わせのために作られた。だから、人間は消滅したほうがいいのか? 彼らは、この世界のパラドックスを読み解かなければならない。


東野作品でパニックサバイバルを読んだのは初めて。だけど悪くなかった。これまで自分が絶対だと信じていたものが、次々と壊れていく。法律は通用しない。ことの善悪さえ、自分たちで決めていかなければならないのだ。それまでのバックグラウンドも性格もまったく違うものが集まった集団だから、人間関係でぎすぎすしたり、自分勝手な行動を取って迷惑をかけるものが出てくる。つまりトラブルメーカーとなる人物が次々とリレーしていくのだ。

そうして、何が善で何が悪なのかを、ことある度に問いかけ続ける。助からないと判った人を安楽死させるのは是非か。危険に思える人間を仲間にすべきかどうか。足手まといになった人を置き去りにするのか。限られた食料を盗んだ人を許すべきか。新しい世界を造ってこの世界で生き続けるべきか。自分で死を選ぶかどうか。極限状態の中で見えてくるのは、人という生き物の生々しいあれこれ。重い。でもラスト数行のかすかな明るさには少しだけ救われた。それとイラッとさせた人の方に救いがなかったのは、著者のご愛嬌か。おもしろかったです。

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東野圭吾
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comments

イラッとさせた方・・・(笑)。
同感でしたね~。でも、私はヤクザの河瀬、ちょっと気に入ってたんですけど、彼は喜んだのもつかの間でしたね。

じゃじゃまま:2009/11/13(金) 22:47 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
意図的なのかなんなのか。ねえ(笑)
ヤクザの河瀬はある意味魅力的でした。
わかりやすいアウトローの方が嫌悪しないですね。

しんちゃん:2009/11/14(土) 18:35 | URL | [編集]

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パラドックス13 東野圭吾著。


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パラドックス13 東野圭吾


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