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    2009

06.25

「白いへび眠る島」三浦しをん

白いへび眠る島白いへび眠る島
(2005/05/25)
三浦 しをん

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悟史が本土の港湾都市、高垣の高校に入学してから三年。一晩船に揺られれば島には帰れるというのに、部活動を理由に、足は故郷から遠のきがちだった。盆暮れの数日しか拝島には戻らない。だが、幼なじみの光市はいつも変わらぬ態度で悟史を迎えた。まるで、昼の船で高垣まで買い物に行った者のように。光市と悟史のあいだでは、時間も距離もまたたくまに溶けだしてしまうかのようで、それは悟史自身にも不思議でならなかった。島の大人はきっと、「それが持念兄弟というものだ」と言うことだろう。

島には、掟とも言うべき独特の生活習慣が数多くある。集落内での濃密な近所づきあいや、新垣神社の祭り、持念兄弟の風習。島に対する違和感は完全に消え去らない。そう感じるのは、どうやら悟史だけのようであった。だから悟史は、生まれ育った場所だというのに、どうしてもなじめなかった。島の氏神である白蛇様を祀る新垣神社。荒神様とも呼ばれる氏神は集落で尊ばれ、恐れられていた。十三年ぶりの大祭をひかえ高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。あれが出た、と。

幼いころから悟史は、不思議なものを見た。悟史は親にすら、自分の見てきたものを語ったことはなかった。境界がとろけだしそうな悟史に、確固たるラインを教えるのはいつも光市の役目だった。その夜、久しぶりに不思議を見た。その後、風呂に入っていると、窓の外にあれがいた。あれは海と山を行き来していると伝えられる化け物で、その名前を口にするのも忌まれていた。悟史の見たあれは、実態を持った人間のようだった。悟史は持念兄弟の光市とともにあれの正体を探り始める。

荒神崇拝、白蛇様、土着のあやかし、古来からの伝説。ふつうに和製ファンタジーでした。でもこういう民族学的な作品は好きだ。そこに登場するのが、絆で結ばれた持念兄弟だなんて、ボーイズラブが大好きな著者らしいこと。ここに乙女は萌えるのでしょう。男子には、ひがむなと日和子と佐和子の女子高生コンビでサービス。そして荒太と犬丸でミステリアスを演出。キャラの造詣だけでいえばまるでラノベのようだ。

だが、そうしたキャラ立ちはあえて狙ったのであろう。民族学のような特殊なジャンルは、読みなれていないと中々着いていけない。読者は戸惑っている内に、おいてけぼりになりがちだ。そこを考えて、著者は取っ付きやすいキャラを持ってくることで、作品世界に留まらせようとしたと、自分は見た。ただ、欲をいえば、因習に秘められた謎をもう少し広げて欲しかった。ちょっとあっさりしすぎで雰囲気不足のような気がした。でも作者の引き出しの多さに驚くと共に、自分的には満足だった。

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三浦しをん
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