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    2009

07.03

「世界がぼくを笑っても」笹生陽子

世界がぼくを笑っても世界がぼくを笑っても
(2009/05/26)
笹生 陽子

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『われらが浦沢中学にすごい先生がやってくるってさ』 始業式の日、着任式がはじまった。非公式の浦中HPで噂の最終兵器を特定すべく、壇上に向いたハルトの視線は、彼らの中でもっとも目立つ人物のほうに吸い寄せられた。第一印象、やぼったい。二度見してなお、やぼったい。男にしてはかなり小柄で、軟弱そうな身体つき。そわそわしていて落ち着きがなく、無駄に満面の笑みを浮かべているのが、気持ち悪くてしかたない。なんか変わった生きものがいる。そう、彼こそがハルトのクラスの新担任、小津ケイイチロウ先生、だった。

ハルトの家は貧乏で父子家庭。飽きっぽいのか、この十年で親父は三回転職し、いまはカラオケスナックのバーテンをやっている。趣味はギャンブルと、子どもの頃から好きだったという野球。友達をすぐに作れる性格なので、仲間がちょくちょく家にやってくる。中でも特に古株なのが、ニューハーフのアキさん。うちへ遊びにくると必ず家事手伝いをして帰る。そういう意味では、アキさんがうちに来るのは大歓迎だ。ただし、同級生のだれにもそれを知られないと前提で。

はずれの親を持った子どもは、精神面でも苦労する。なら、せめてスクールライフだけでも無難に平和にすごしたい。そんなハルキの思いを知ってか知らずか、例の変わった生きものは、相変わらずぐだぐだで、だれが見たって先生に向いていない。クラスでは、無愛想で単独行動が楽なハルキ、特撮マニアの安東、鉄道オタクの長谷川、空気の読めない滝沢、地味で無口でおとなしい南原めぐみ、別室登校している西崎アキラと、さえない生徒の含有率がけっこう高かった。

たまさか迎えた担任教師が、見るからにだめなやつだった。だめだ、だめだと騒いだ生徒も、あんまりぱっとしなかった。ただし、身内以外の人間にまで、ごちゃごちゃいわれたくない。担任を馬鹿にしたいたずら書きを黒板に書かれた。だめクラスの人だと、よそのクラスの生徒たちにからかわれた。二年のオレたちを「じゃま」といって一年生が押しのけた。学校全体が恐れる不良の山辺グループが因縁をふっかけてきた。その日、機嫌が悪かったハルトは、ニカッと笑い、山部に頭突きをくらわせた。

今風の学園小説でしょうか。やることがなくて暇だ、熱くなれるものがないと、ぐうたらな毎日を過ごしていても、ふと目線を変えてみれば、そこは素敵な光景なのかもしれない。何でもいいからやってみれば変わる。本書の場合は、河川敷の貸し農園で、トウモロコシの栽培から収穫にあたることなのかな。なんとなく友達ができて、なんとなく頑張っている担任を応援したくなる。表紙の絵は、そういう一場面。けっこういい感じでした。

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