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    2009

07.05

「名もなき毒」宮部みゆき

名もなき毒名もなき毒
(2006/08)
宮部 みゆき

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主人公である杉村は、今多コンツェルン会長の娘婿で、グループ社内報「あおぞら」の編集部に所属している。前作「誰か」で何かと杉村を助けてくれたバイトのシーナちゃんが去り、後任として原田いずみが編集部に採用された。誰一人、彼女がトラブルメーカーになろうとは、予想だにしなかった。仕事ができない。仕事を覚えようとしない。仲間と上手くやれない。何か注意されると。すぐトンガる。挙句、編集長に物を投げつけて傷を負わせた。当然首を宣告した。

原田いずみは、杉村の養父で、今多コンツェルン会長宛に事実無根の嘘八百を並べた封書を送ってきた。杉村はこの件の処置を一任された。早速彼女が働いていたという編集プロダクションを訪ねたところ、同じような勤務態度で、同じように暴れて、悶着の末に首になっていた。そこで身上調査を頼んだという事務所を紹介された。興信所ではなく、調査事務所でもない。個人営業で看板も出していない。得体の知れない北見一郎は、近づけば近づくほど、さらに正体不明になる人物だった。

原田いずみは経歴詐称の常習者だった。北見の部屋を出たところで、先客だったミチと呼ばれていた女子高生が見えた。その時、ミチの身体がふわりと横倒しになった。彼女は救急車で運ばれていった。彼女は無事だったとその後、母親の古屋暁子がお礼にやって来た。彼女たちは、首都圏で発生していた青酸カリ混入による連続無差別毒殺事件の犠牲者の家族だった。ショックで拒食症になった美知香は、事件のことを調べて欲しいと北見を訪ねていたという。

ひとつは青酸カリによる連続無差別殺人、もうひとつはトラブルメーカー原田いずみによる嫌がらせ。この二つが並行して物語は展開していく。タイトル「名もなき毒」が現す通り、沢山の毒が出てくる。分かりやすいのは薬物の毒、つまり青酸カリだ。そして悪意ある嘘の毒は人間関係そのものを一瞬にして崩壊させる。さらにシックハウスや宅地土壌汚染などの知らなければ見えてこない環境の毒。それらのすべては人間だけが持っている毒ということ。

中でも強烈だったのは、原田いずみが振りまく毒だった。ひとつひとつを見ると小者としか言いようがない。いたずら電話や、でっちあげの写真や、理不尽な怒りや、並べ立てる嘘八百。でもこれらを続けざまにやられると、受けるほうはたまったものじゃない。でもこういう人を傷つけて喜んでいる人はたまにいる。心理はまったく理解できない。言葉が通じない化け物としかいいようない。その一方で安心を覚えもする。自分には理性や常識があるんだと。毒を出さない人でいたい。毒に近づきたくない。そう思った一冊でした。

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宮部みゆき
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comments

人間が持つ「毒」について考えさせられた作品でした。
誰しもが毒を持っているし、なるべく毒を出す人、毒を出したくなる相手とは近づかないことだな、とつくづく思わされました~。

それにしても杉村さんファミリー。なんか感覚ずれてるのか、好きになれないんですよね~。

じゃじゃまま:2009/07/06(月) 23:05 | URL | [編集]

こんにちは。
本当に毒っていろいろあるなぁ、と思いまいた。青酸カリみたいな毒は毒ってわかるけど、人間から出る毒はねぇ…。
怖さあふれる一冊でした。

たかこ:2009/07/07(火) 14:19 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
原田いずみは狂ってましたね。あの毒は強烈すぎです。
でもこういう理屈が通らない人っているんだよなぁ。
杉村ファミリーは浮世離れしてますね。今回は特にその傾向が見えました。
最後の奥さんとか、おかしいって。

しんちゃん:2009/07/07(火) 18:12 | URL | [編集]

たかこさん、こんばんは。
人間の毒が一番たち悪いのかもしれません。
ウザくって、めっちゃ不快でした。
青酸カリの事件があの毒で霞みましたもん。

しんちゃん:2009/07/07(火) 18:16 | URL | [編集]

宮部さんはこの作シリーズをぼくの大好きなネオ・ハードボイルド小説、マイクル・Z・リューインの書いた私立探偵アルバート・サムスンを主人公にした「A型の女」からはじまるシリーズを念頭に書いたと語ったと聞きます。もしよろしければ、そちらにも手を出してみてください。あっ!再読計画が頓挫している!

すの:2009/07/12(日) 17:54 | URL | [編集]

すのさん
ごめんなさい。自分、翻訳小説が読めない人なんです。
頭が固くってカタカナが記憶できないの^^;

しんちゃん:2009/07/13(月) 18:35 | URL | [編集]

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